放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 委員会決定

第37号

TBSテレビ『クレイジージャーニー』「爬虫類ハンター」企画に関する意見

2020年8月4日 放送局:TBSテレビ

TBSテレビは2019年8月14日に放送したバラエティー番組『クレイジージャーニー』における企画「爬虫類ハンター」を放送した際、番組スタッフが事前に準備した動物を、あたかもその場で発見して捕獲したかのように見せる不適切な演出を行ったと発表した。
委員会は、日本民間放送連盟の放送基準に抵触している疑いがあり、制作過程を検証してこの内容が放送されるに至った経緯を解明する必要があるとして審議入りを決め、議論を続けてきた。
NHKと日本民間放送連盟が1996年に定めた「放送倫理基本綱領」には、「放送人は、放送に対する視聴者・国民の信頼を得るために、何者にも侵されない自主的・自律的な姿勢を堅持し、取材・制作の過程を適正に保つことにつとめる」との規定がある。「爬虫類ハンター」は、X氏が特異な能力を発揮し次々と希少動物を発見し捕獲するシーンを核とする企画であった。その核心である希少動物に、あらかじめ協力者から借り受けた動物、または別の場所で捕獲した動物を用いたことは、制作過程の重要な部分を制作者側が十分に把握していなかった点で、その過程が適正に保たれていなかったと言うべきであり、また、X氏が「確かな知識と野性の勘」を駆使して自力で希少動物を探し出したものと信じたであろう多くの視聴者との了解や約束を裏切るものであったというほかない。
よって、委員会は、本件放送には放送倫理違反があったと判断した。

2020年8月4日 第37号委員会決定

全文はこちら(PDF)pdf

目 次

2020年8月4日 決定の通知と公表

通知は、2020年8月4日午後1時30分から、千代田放送会館7階の会館会議室で行われ、午後2時30分から千代田放送会館2階の大ホールで記者会見が行われた。記者会見には24社37人が出席した。
詳細はこちら。

2020年11月13日【委員会決定に対するTBSテレビの対応と取り組み】

委員会決定 第37号に対して、TBSテレビから対応と取り組みをまとめた報告書が2020年11月5日付で提出され、委員会はこれを了承した。

TBSテレビの対応

全文pdf

目 次

  • 1. 委員会決定に伴う放送対応
  • 2. コンテンツ制作局内での取り組み
  • 3.「放送倫理委員会」での取り組み
  • 4. BPO放送倫理検証委員会の委員を招いて意見交換会を実施
  • 5. 番組審議会への報告
  • 6.「放送と人権」特別委員会での議論
  • 7. 再発防止への取り組み
  • 8. 総括