2020年6月に視聴者から寄せられた意見
新型コロナウイルス禍における番組制作のあり方への意見や、人気芸人の不倫問題を取り上げた番組への意見など。
2020年6月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,509件で、先月と比較して1,089件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール84%、電話14%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性61%、女性37%、不明2%で、世代別では40歳代24%、30歳代22%、50歳代19%、20歳17%、60歳以上15%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。6月の通知数は延べ856件【47局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。
意見概要
番組全般にわたる意見
新型コロナウイルス禍における、番組制作のあり方への意見が多く寄せられた。また、人気芸人の不倫問題を取り上げた番組への意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は60件、CMについては13件あった。
青少年に関する意見
6月中に青少年委員会に寄せられた意見は77件で、前月から19件減少した。
今月は「表現・演出」が15件、「低俗、モラル」が14件、「報道・情報」が11件、「犯罪の助長」が7件と続いた。
意見抜粋
番組全般
【取材・報道のあり方】
- 新型コロナの影響で、東京在住の人たちが施設などへの立ち入りを断られている事例を報じていたが、人の出入りを制限している施設は、ただリスクマネジメントをしているだけではないのかと疑問を持った。以前のトイレットペーパーなどの買いだめ騒動の時もそうだが、心配のいらない事象を大げさに報道し、視聴者の不安をあおっているように感じた。
【番組全般・その他】
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昼の番組を見た。放送を見る限り、新型コロナ対策を取っているとは思えない。アナウンサーは透明のマスクをしていたが、MCとゲストは何ら対策もなく、ずっと会話と試食をしていた。何人も集まって会話をするのはどうなのか。それぞれの間隔も空いているようには見えなかった。密集、密接、マスクなど、国民がコロナ対策をしているのに、放送だからいいのか。報道機関だからこそ見本を見せる、率先してマスクをつける、人と人との間隔を取る、そんな姿を紹介するべきではないか。ソーシャルディスタンスは必要ないのだろうか。
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東海地方の番組で、新型コロナ禍でのライブハウスの取り組みを伝えていた。ライブに出ていたのは東京から来たグループ。これを録画したのは13日だ。首都圏からの他県への移動を自粛している中、自分勝手に行動しているグループや、それを分かった上で出演させるライブハウスに対し、好意的で宣伝になるような放送をするのは如何なものか。それに加え、このグループが東京から来ていた事や、録画日が県間移動の自粛要請が解除される前である事には触れていない。それにも問題があると思う。
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夕方の番組で、給付金の10万円で焼肉店に繰り出した人たちを紹介していた。「ちょっとした贅沢を満喫」という趣旨の使い道だ。これを見て、ここしばらくほとんど収入のない飲食店従業員の私は、ため息が出た。私にとってはぎりぎり急場をしのぐための生命線の10万円である。大切に使う予定で、焼肉店に出かけるなど到底考えられない。お金の使い方が自由であるのは百も承知だが、余裕のある人たちの映像を見せられ、気落ちしてしまった。私のような境遇の人たちにもう少し配慮できなかったのだろうか。
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日曜日の番組を見た。この番組には以前から問題があると思っている。おそらく、海外で起きていることを分かりやすく伝えようとするコンセプトで制作されているのだと理解しているが、最近は、ただ面白ければいいという姿勢に見える。今、アメリカで起きているデモや、香港での市民による抗議活動について、人の命や人権を軽んじている印象がある。人々が命をかけて行っている活動に、漫画キャラクターを使ってほしくなかった。
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黒人奴隷を題材とした映画が深夜に流された。アメリカで黒人への差別が問題視され、デモが激化している状況下において、この作品を放送するのは不適切だと思う。
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深夜番組で、酔っ払って正体不明状態の人のインタビューを流しながら大爆笑している。オンエアに当たり、酔いもさめ、正常な判断ができた時に許可を取ったのか疑問。その後のコーナーでも、新型コロナを真面目に祈祷するおばさんを笑っていた。世間的な枠から外れ、自分なりの特異な主張や意見や行動を、ただ笑いのために使っていいのか。
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不倫や離婚について、あった事実を報じることはいいと思うが、そのことについて、論評、批判して不特定多数の人に伝えるのは問題だと思う。個人の領域や倫理観に踏み込むことや、その個人を放送から追放するのも疑問だ。世間の思惑で、個人に責任を取らせ、賠償させるようなシステムはおかしい。人格者を要件とするならば、それを選別、起用する方に責任がある。
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ヨーロッパから日本へ荷物を届ける超大型コンテナ船の密着取材は、普段何気なく使っている輸入品のありがたみを感じられるだけでなく、迫力ある映像は、エンターテイメントとしてとても見ごたえのあるものだった。世界的な新型コロナ禍の中で、いつ日本に戻れるのかも分からない不安の中で任務につく船員の方々と番組スタッフに敬意を表したい。医療従事者以外にも、人知れず働くヒーローが数多くいることを子ども達に伝えられる放送だった。
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ニュースの内容によって、アナウンサーの性別を替えるのはおかしい。微笑ましいニュース、ちょっといい話、子どもや動物関連のニュースなどは、決まって女性アナウンサーや女性ナレーターの優しい声で伝える。その時点で、ニュースの格が下であることが分かる。日常の軽い話題などは女性の優しい声で伝えればいいという、テレビ局の性別役割分担意識が露骨に出ている。声というのはとても重要で、あの優しい声が聞こえてきたとたん、なぜか見ている方も思考が停止してしまう。こういう意図的な使い分けは旧態依然の放送だと思う。
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テレビでは、常用漢字でない文字が、ひらがなで表記されるが、最近は、普通に漢字で書き表しても違和感がないような言葉までひらがなになっていて、やり過ぎだと感じる。ある番組のテレビ欄やサブタイトルでも、「誹謗中傷」の「誹謗」の部分にひらがなが使われていて、言葉の深刻性が感じにくくなっていた。視聴者に分かりやすくしたつもりでも、余計に分かりにくくなるようでは、本末転倒ではないか。
青少年に関する意見
【「報道・情報」に関する意見】
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ある芸能人のスキャンダルについて、朝のワイドショーから夜の番組まで子どもの耳に入れたくない性的な詳細を伝え、コメントしている。小・中学生のいる我が家としては大変不安になる。視聴者には子どもたちがいる事を考えて、時間帯や表現についてよく検討してから放送してほしい。
【「食べ物」に関する意見】
- 児童が見る時間帯に大食い、激辛の無理なメニューは問題だ。お金を払って残すのはどうなのか、激辛も度を超えている。この頑張りは違うと思う。出演者が美味しそうに食べているから食べに行こうと思えるメニューに戻してはどうか。
【「推奨番組」】
- ヨーロッパから日本へ荷物を届ける超大型コンテナ船の密着取材番組は、迫力ある映像で見ごたえがあった。世界的なコロナ禍の中、いつ日本に戻れるか分からない不安の中で、任務に就く船員と番組スタッフに敬意を表する。医療従事者以外にも人知れず働くヒーロー、ヒロインが数多くいることを子どもに伝えられるものだった。
【「視聴者意見への反論・同意」】
- BS放送について、通販番組やサスペンスドラマの再放送などに偏っているという意見があった。確かにそれらの番組は疑問に思うが、一方で質の高いドキュメンタリー、子どもたちに見せるべき番組も多い。一緒くたにBSの番組を否定するべきではないと思う。