琉球朝日放送と北日本放送の単発番組に関する意見
2020年6月30日 放送局:琉球朝日放送・北日本放送
琉球朝日放送が2019年9月21日に放送した『島に“セブン-イレブン”がやって来た〜沖縄進出の軌跡と挑戦〜』と、北日本放送が同年10月13日に放送した『人生100年時代を楽しもう!~自分に合った資産形成を考える~』という2つのローカル単発番組について、民放連放送基準の広告の取り扱い規定(第92)や2017年に民放連が出した「番組内で商品・サービスなどを取り扱う場合の留意事項」などに照らすと、それぞれの番組で取り上げている事業の紹介が広告放送であると誤解されかねない内容になっており、放送倫理違反の疑いがあるのではないかとして審議入りを決め、議論を続けてきた。
琉球朝日放送の番組には広告取引の実態がなかったにせよ、番組の中身や表示の問題点から、視聴者が広告放送であるとの疑いや誤解を抱くのは無理もない。民放連の「留意事項」は、広告取引という対価性の有無にかかわらず番組全般に適用される。それに盛り込まれた「視聴者に『広告放送』であると誤解されないよう、特に留意すべき事項」に照らして総合的に判断すれば、本件番組は視聴者に広告放送であると誤解を招くような内容・演出になっていたと認められる。従って、委員会は放送倫理違反があったと判断した。
また、北日本放送の番組は特に後半部分は提供スポンサーの意向や事業などから独立した内容なのか見分けがつきにくく、視聴者が広告放送であるとの疑いや誤解を抱くのは無理もない。民放連放送基準の「(92)広告放送はコマーシャルによって、広告放送であることを明らかにしなければならない」や、民放連の「留意事項」に盛り込まれた「視聴者に『広告放送』であると誤解されないよう、特に留意すべき事項」に照らして総合的に判断すれば、本件番組は視聴者に広告放送であると誤解を招くような内容・演出になっていたと認められる。従って、委員会は放送倫理違反があったと判断した。
2020年6月30日 第36号委員会決定
目 次
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- 1 琉球朝日放送の『島に“セブン-イレブン”がやって来た』
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- (1) 開店前と当日の動きを追う
- (2) 独自商品開発の舞台裏
- 2 北日本放送の『人生100年時開店前と当日の動きを追う代を楽しもう!』
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- (1) 資産運用セミナーと投資信託相談
- (2)「提供」表示もタイムCMもなし
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- 1 営業部主導で報道部が制作
- 2 方向転換した番組内容
- 3 事実と異なる「提供」表示
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- (1) 番組スポンサーのクレジット
- (2) なぜ「提供」を表示したのか
- 4 報道部内のチェック
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- 1 「営業系番組」のフォーマット
- 2 営業部と編成業務部のやり取り
- 3 制作会社の取材と構成案
- 4 「提供表示なし」で通った理由
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- 1 琉球朝日放送の本件番組1
- 2 北日本放送の本件番組2
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- 1 生かされなかった長野放送事案の教訓
- 2 両局の事後対応
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- (1) 琉球朝日放送の場合
- (2) 北日本放送の場合
- 3 「番組と広告の境目」を再考する
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- (1) 3局の事案の共通点と相違点
- (2) 民放連放送基準審議会の呼びかけ
- (3)「自主・自律」による対応策を
2020年6月30日 決定の通知と公表
通知は、2020年6月30日午後2時30分から、千代田放送会館7階の会館会議室で行われ、午後3時30分から千代田放送会館2階の大ホールで記者会見が行われた。記者会見には50社67人が出席した。
詳細はこちら。
2020年10月9日【委員会決定に対する琉球朝日放送の対応と取り組み】
委員会決定 第36号に対して、琉球朝日放送から対応と取り組みをまとめた報告書が2020年9月30日付で提出され、委員会はこれを了承した。
琉球朝日放送の対応
目 次
- 1.委員会決定についての放送対応
- 2.ホームページへの掲出
- 3.委員会決定の社内周知
- 4.社員・スタッフによる番組再検証
- 5.社内連絡会議
- 6.番組審議会への報告
- 7.再発防止への取り組み
- 8.総括
2020年12月11日【委員会決定に対する北日本放送の対応と取り組み】
委員会決定 第36号に対して、北日本放送から対応と取り組みをまとめた報告書が2020年11月30日付で提出され、委員会はこれを了承した。
北日本放送の対応
目 次
- 1.はじめに
- 2.放送倫理違反があったと判断された番組
- 3.番組放送から現在に至るまで
- 4.主な取り組み
- 5.おわりに