放送人権委員会

放送人権委員会 議事概要

第281回

第281回 – 2020年6月

「オウム事件死刑執行特番に対する申立て」事案の審理
委員会決定を6月に通知・公表へ…など

議事の詳細

日時
2020年6月16日(火)午後4時~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO]」 千代田放送会館7階会議室
議題
出席者
奥委員長、市川委員長代行、曽我部委員長代行、紙谷委員、城戸委員、國森委員、二関委員、廣田委員、松田委員、水野委員

1.「オウム事件死刑執行特番に対する申立て」 事案の審理

フジテレビは、2018年7月6日、オウム真理教の松本智津夫元死刑囚らの死刑執行について特別番組で報じた。これに対して松本元死刑囚の三女である松本麗華氏が、死刑執行をショーのように扱っており、父親の死が利用されて名誉感情を傷つけられたなどと申し立てた。
フジテレビは、生放送の制約の中で複数の執行情報等を分かりやすく伝えたもので、人権侵害には当たらないなどと反論している。
今委員会では、担当委員から示された決定文の修正案について、最終的な議論を行ったうえで委員会決定を了承した。通知公表は月内に行う予定。

2.「一時金申請に関する取材・報道に関する申立て」事案の審理

札幌テレビが2019年4月26日の『どさんこワイド179』内のニュースで行った「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金支給等に関する法律」に基づく一時金申請に関する報道に対して、一時金申請をした男性が「記者に働きかけられた」として申立てた事案。
前回委員会で、論点整理とヒアリングにおける質問項目を決めており、今委員会では新たな議論は行わず、ヒアリングの時期について、新型コロナウイルス感染拡大防止の自粛要請が一部継続していることから、状況の改善を待って決定する方針を確認した。

3.「大縄跳び禁止報道に対する申立て」事案の審理

フジテレビは、2019年8月30日の『とくダネ!』で、都内の公園で大縄跳びが禁止された話題を放送した。放送は、近所の進学塾の生徒たちが大縄跳びをしながら声を出して歴史を覚えていることに、周辺住民から苦情が出て、行政が規制を始めたことを紹介したもので、番組では周辺住民のインタビューが流された。
そのインタビューに答えた女性から、突然マイクを向けられ一度も見たことがないのに、誘導尋問され、勝手に放送に使われたとして、フジテレビに対して「捏造に対する謝罪と意見の撤回」を求めて申立書を提出した。
これに対してフジテレビは、インタビュー内容を加工せずそのまま放送しており「捏造には該当しない」などと反論している。
今委員会では、起草担当委員から論点とヒアリング時の質問項目の原案が示され、審理の結果、次回委員会で双方からのヒアリングを実施することになった。

4.その他

  • 6月12日に行われたテレビ埼玉に対する委員会決定第72号「訴訟報道に関する元市議からの申立て」の通知公表について報告された。

以上