視聴者からのご意見

2020年2月に視聴者から寄せられた意見

2020年2月に視聴者から寄せられた意見

中国・武漢で発生した新型コロナウイルスは、日本国内でも感染が広がっている。それに関する政府の対応、感染者の状況、生活用品の不足などを報じた番組への意見が多く寄せられた。

2020年2月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,464件で、先月と比較して252件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール76%、電話22%、郵便 1%、FAX 1%。
男女別は男性68%、女性31%、不明1%で、世代別では40歳代29%、30歳代23%、50歳代18%、60歳以上16%、20歳12%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。2月の通知数は延べ758件【56局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、26件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

中国・武漢で発生した新型コロナウイルスは、日本国内でも感染が広がっている。それに関する政府の対応、感染者の状況、生活用品の不足などを報じた番組への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は65件、CMについては31件あった。

青少年に関する意見

2月中に青少年委員会に寄せられた意見は83件で、前月から35件減少した。
今月は「表現・演出」が31件、「動物」が11件、「いじめ・虐待」と「その他」が6件、「低俗、モラル」と「報道・情報」が5件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナウイルスについて、「中国野菜が品薄になる」という内容で、東京豊洲市場関係者からのコメントを報じ、その後、「在庫が尽きれば国産野菜が品薄になる」とコメント。その報道に、輸入量や生産量などの量的データは一切なく、市場関係者の意見を世の中の事実のように報道していた。これでは、「野菜がなくなるから少しでも早く買いに走れ」と言っているようなものだ。また、マスクに関しては、「中国では在庫がなくなり、日本でも品薄状態になっている」ということだけを報じ、ウイルスに対するマスクの有用性などにはほとんど触れず、ただ市民の不安をあおるだけの報道を繰り返していた。報道を裏付けるデータの提示が必要だと思う。市民を守るどころか、不安をあおるだけの報道姿勢には疑問が残る。

  • 報道が政府方針に批判的な内容に偏重しており、国民の不安を必要以上にあおっている。例えば、マスクがない、トイレットペーパーもないなど。そのため、さらに買い占めに走る人が増え、生活を脅かす事態となっている。このままだと、ウイルスではなく、マスコミによって日本が破壊される。バランスの取れた報道が必要だ。

  • 新型コロナウイルスについて、現状を把握するため報道番組にチャンネルを合わせても、声高に叫ばれているのは政府への批判ばかり。政府から出された受診の目安、働き方や外出に関する広報など、公式に出された重要な情報は一瞬しか扱わない。専門家やコメンテーターの憶測を大々的に伝え、「もしもこうなったらこんなに大変な事になる」と視聴者の不安をあおるのみ。可能性を予測して対応策を講じるのは重要だが、全く根拠に乏しい情報しか伝えないのは、報道としての役割を無責任に放棄している。むやみに不安、風評被害、行政への不満をあおり、これが果たして視聴者にとってプラスになるのか。正確で冷静な情報提供を切に求めたい。

【番組全般・その他】

  • 昼の番組を見た。新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船の乗客へのインタビューで、司会者やコメンテーターが、不満やネガティブな意見を何とか引き出そうと誘導していた。一方、インタビューに対応していた乗客の方はとても良識があり、他の乗客への気配りや乗務員の対応への感謝を終始述べていた。不安をあおろうとするマスコミと、現場でポジティブに対応しようとする人との対比が印象に残った。

  • 特集として、新型コロナウイルスを取り上げていた。対応策や治療薬などが明確になっていない状況で、国民に対して、「それほど怖がる必要はない」といった安易なメッセージを流すのは適切なのか。しかも、放送は録画されたもので、日ごと大きく変動している状況のもと、国民の生命にかかわる事柄を安易なアプローチで放送し、「安易な安心」を報じることに問題はないのか。これを受けて警戒を解く人たちが増え、ウイルスの感染拡大の一因とならないことを願っている。

  • 新型コロナウイルスの患者対応で、命懸けで医療業務にあたっている医師をもっと応援してほしい。現場では必死で事態を収拾させようと頑張っている。彼らにも家族がいて、逃げ出したい気持ちもあるはずだ。しかし報道されるのは政府の対応への批判ばかりで、実際に身をささげて作業している人たちが報われない。今できることは、現場の医師を信じて応援することだと思う。

  • 関西地方の番組を見た。服装のコーディネート企画で登場した、普段あまり女性らしい服装をしない一般女性に、母親の希望から、無理やり説得するような形で、女性らしい服装をしてもらう内容。ジェンダー観が多様化する中で、本人のあまり希望しない服装をさせるのは不適切に感じた。また、自分らしくいることも尊重されていいのに、女性らしさを持つことが当たり前のように扱われていることに疑問が残った。個性に対する尊厳に欠ける内容は控えてほしい。この放送局は、情報番組におけるLGBTへの視点を欠いたロケ以降、コンプライアンスが一向に改善されていない。

【ラジオ】

  • 最近、気になるのが、ラジオ番組での飲食だ。テレビと同じように飲み食いをして、ただ単に「おいしい、おいしい」の連呼では何も伝わらない。言葉でうまく表現するパーソナリティーもいないわけではないが、ごく少数であり、大方は食欲を満たして終わりである。伝えようという気概が全く感じられない。食べ方も汚く、そしゃく音が耳障りで雑音でしかない。言葉で勝負するはずのアナウンサーや芸人が、食べてはしゃいで終わりである。ラジオの特性を理解していないのではないか。もっとラジオならではの、”しゃべり”で伝えることにこだわってほしい。

青少年に関する意見

【「動物」に関する意見】

  • バラエティー番組で、"亀を持って走ると失禁するか"を検証する企画があったが、明らかな動物虐待だと思う。出演者が笑って眺めており、とても不快になった。教育上もよろしくないのではないか。

【「報道・情報」に関する意見】

  • ワイドショーは、新型コロナウイルスの不安をあおり続けている。学校が休みになり子どもが家にいる。ただでさえ友だちに会えず不安がっているというのに、さらに不安ばかりが増すような放送をしないでほしい。

【「要望・提言」】

  • 新型コロナウイルスの影響で、学校が休みになってしまった。子どもが家にいる時間が長いので、夏休みや冬休みに放送するような子ども向け番組の放送をしてほしい。