TBSテレビ 『消えた天才』映像早回しに関する意見
2020年2月13日 放送局:TBSテレビ
TBSテレビのドキュメントバラエティー番組『消えた天才』について、当該放送局から委員会に対し、2019年8月11日の放送で、野球のリトルリーグ全国大会で全打者三振の完全試合を達成した投手の試合映像を早回しして球速が速く見えるよう加工を行い、別の放送回(2018年1月3日および11月4日)でも、卓球とフィギュアスケート、サッカーの3件の映像について早回し加工を行っていたと報告があった。2019年9月の委員会で、スポーツ番組の根幹である実際の試合映像を加工したことは放送倫理上問題がある可能性があり、番組制作の経緯やどのようにチェックが行われたのかなどを検証する必要があるとして審議入りし、議論を重ねてきた。
委員会は、「実際の映像」と言いながら、またはそう受け取れる状況で、映像の加工が繰り返された本件放送について、1993年に「NHK・民放 番組倫理委員会」が出した提言「放送番組の倫理の向上について」の「1 放送人としての心構え (2)事実に基づいた取材・制作を行う」や、日本民間放送連盟の放送基準「(32)ニュースは市民の知る権利へ奉仕するものであり、事実に基づいて報道し、公正でなければならない」に抵触するため放送倫理違反があったと判断した。
2020年2月13日 第33号委員会決定
目 次
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- 1 卓球コーナー
- 2 フィギュアスケート・コーナー
- 3 サッカー・コーナー
- 4 リトルリーグ・コーナー
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- 1 異例の“昇格”をした番組
- 2 一連の早回し加工
- (1) 卓球のラリー
- (2) フィギュアスケートのスピン
- (3) サッカーのドリブル
- 3 新しい体制へ移行
- 4 新体制下でも行われた早回し
- 5 発覚の経緯と公表
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- 1 整っていなかった制作体制
- 2 スピードを変える加工
- 3 技術革新と心理的ハードルの低下
- 4 チェックの仕組みの限界
2020年2月13日 決定の通知と公表の記者会見
通知は、2020年2月13日午後1時30分からBPO第1会議室で行われ、午後2時30分から千代田放送会館2階ホールで公表の記者会見が行われた。記者会見には、25社39人が出席した。
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2020年7月10日【委員会決定に対するTBSテレビの対応と取り組み】
委員会決定 第33号に対して、TBSテレビから対応と取り組みをまとめた報告書が2020年7月2日付で提出され、委員会はこれを了承した。
TBSテレビの対応
目 次
- 1.委員会決定についての報道
- 2.委員会決定の社内周知
- 3.BPO委員を招いて研修会を実施
- 4.番組審議会への報告
- 5.「放送と人権」特別委員会での議論
- 6.再発防止への取り組み
- 7.総括