放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会  決定の通知と公表の記者会見

2020年1月24日

関西テレビ『胸いっぱいサミット!』収録番組での韓国をめぐる発言に関する意見の通知・公表

上記の委員会決定の通知は、1月24日午後1時30分から、千代田放送会館7階のBPO第1会議室で行われた。委員会から神田安積委員長、中野剛委員、巻美矢紀委員の3人が出席し、関西テレビからは編成局担当の取締役ら3人が出席した。
まず神田委員長が、審議の対象とした番組には放送倫理違反があったという委員会の判断を説明したうえで、「現場の制作者の中に局の見解や本決定に納得できない人がいれば、局はそのような意見を受け止めながら、現場での理解を深めていっていただきたい」と、経営側として今後の適切な対応を求めた。中野委員も「経営陣によく読んでもらいたいというメッセージを込めて、局の事後対応の検証にも重点を置いた意見書にした。辛辣なトークを楽しみにしている視聴者もいるので、この意見書をいい番組作りにいかしてほしい」と、また巻委員は「一部の制作者の問題ではなく、会社全体のシステムを見直す好機ととらえて現場との対話を続けていってほしい」と述べた。
これに対して関西テレビは「問題が起きてから勉強会を積み重ねてきたが、現場には新しい人も入ってきているので、この意見書をしっかり読んで、視聴者の信頼を得られるようにしていきたい」と答えた。
その後、午後2時30分から千代田放送会館2階ホールで記者会見を開き、決定内容を公表した。記者会見には、22社43人が出席した。
はじめに神田委員長が意見書のポイントを解説して、放送倫理違反があったという判断にいたった経緯を説明した。続けて「関西テレビの当初の見解とその後の見解との間には相違があり、局内に見解の変遷があったことを示している。だからこそ最終的に『放送倫理上の問題があった』という結論には重みがあり、その結論を社内で深めてほしい」とコメントした。中野委員は「ヒアリングをした複数の制作者が『ギリギリのラインを攻めることが視聴者から求められている』と話していたが、そうであれば、自分たちが自主自律的に作ったガイドラインを十分に理解している必要がある。2007年に発覚した『あるある大事典II』の問題を受けて関西テレビが自主的に作った『番組制作ガイドライン』や『倫理・行動憲章』の内容を、経営陣は改めて現場に指導してほしい」と経営に呼びかけた。その一方で「考査は最後の砦なので、各社の考査のあり方を今一度考えてほしい。さらに、疑問に思ったことを伝えあえる環境かどうか、各社の制作現場も考えてほしい」と、現場にも意見書の趣旨を踏まえるよう促した。また巻委員は「今回の問題については、関西テレビの中だけでなく放送界全体でもさまざまな意見があると思う」とヒアリングなどで受けた印象を受けて、「だからこそ今回の問題をきっかけに、公共性が高いと位置付けられているテレビの役割や使命、また各社が自主的に作っている放送基準の意義や具体化について、放送界全体で考えるきっかけにしてほしい」と、放送業界へのメッセージを述べた。

記者との主な質疑応答は以下のとおり。

Q: 韓国の人を「手首切るブスみたいなもの」と揶揄的に言っていることが放送倫理違反なのか?
A: 一つ一つの表現がダメだというのではなく、発言全体の文脈の中で、国の外交姿勢の擬人化にとどまらず、広く韓国籍を有している人を侮辱していて、それが民放連の放送基準などに抵触していると判断した。(神田委員長)
   
Q: どういう表現をすればよかったのか?
A: ヒアリングの際に「カットすべきだった」と話す制作者はいたが、委員会として具体的にどうすべきであったとは言っていない。その方法にはいろいろな選択肢があったはずであり、局が自主自律的に考えるべきことであると考える。(神田委員長)
   
Q: 意見書を読むと、現場の制作者の中には局の見解に納得していない人がいるようだ。そういう人たちには、自己批評番組でコメンテーターが指摘した「作り手のエゴ」だという認識がないのではないか?
A: ヒアリングをした委員の実感としては、現場の制作者は悩んでいた。だから制作会社のスタッフは局のプロデューサーに「この表現が放送で使えるかどうか」を聞き、プロデューサーはさらに放送倫理担当者に聞いている。最終的には問題の表現を使うということになったが、使っていいのかどうか悩んでいたことがうかがえる。最終的なジャッジに問題があったと考える。(中野委員)
A: 局の見解と自分の考えの間に「溝」がある制作者がいることは事実だが、その「溝」を埋めるために、一人ひとりが考え続けてほしいという期待を込めている。(神田委員長)

以上