2019年11月に視聴者から寄せられた意見
東京オリンピックのマラソン・競歩競技が、札幌で開催されることが決まったが、それを報じた情報系番組への意見、覚せい剤使用や合成麻薬所持の容疑で逮捕された芸能人を取り上げた番組への意見など。
2019年11月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,944件で、先月と比較して594件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール83%、電話15%、FAX 1%、郵便 1%。
男女別は男性54%、女性45%、不明1%で、世代別では30歳代24%、40歳代24%、20歳代22%、50歳代17%、60歳以上9%、10歳代4%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。11月の通知数は延べ1,180件【41局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、22件を会員社に送信した。
意見概要
番組全般にわたる意見
東京オリンピックのマラソン・競歩競技が、札幌で開催されることが決まったが、それを報じた情報系番組への意見が多く寄せられた。また、覚せい剤使用や合成麻薬所持の容疑で逮捕された芸能人を取り上げた番組への意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は31件、CMについては20件あった。
青少年に関する意見
11月中に青少年委員会に寄せられた意見は150件で、前月から61件増加した。
今月は「表現・演出」が76件、「報道・情報」が13件、「差別・偏見」が12件、「暴力・殺人・残虐」が11件と続いた。
意見抜粋
番組全般
【取材・報道のあり方】
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東京オリンピックのマラソン・競歩競技の札幌開催について。東京キー局の放送は、東京と比べて札幌はいかに良くないか、悪いところを探して説明。選手ファーストでも何でもなく、東京ファースト。このような放送を見て、北海道、特に札幌に住む子ども達はどう感じるのだろうか。公平な立場に立って物事を伝えてほしいし、個人的な感情や偏った情報を流すべきではないと思う。全国放送は影響力がある。その点をきちんと考えた番組作りが必要ではないか。
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覚せい剤取締法違反でタレントが逮捕された。5度目の逮捕らしい。しかしながら、マスコミの報道は彼に対してあまりに優しい。芸能人と、それ以外の人たちとの報道の仕方が違いすぎる。特に、民放各局の取り上げ方には、何か意図があるのではないかとさえ思えてならない。なぜ、芸能界だけ復帰のチャンスが何度も与えられるのか。覚せい剤で逮捕された場合、一般社会なら二度と復帰できないのに。
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人気女優が麻薬所持容疑で逮捕されたニュースが流れているが、これにより、国内外の政治に関する報道が圧迫されないよう願いたい。現在、日米貿易交渉など、非常に重要でデリケートな案件が多数議論されている。ただでさえ、まともに取り上げられないこれらの事案が、さらに報道されなくなることを懸念している。
【番組全般・その他】
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夜のニュースで、デモで混乱する香港情勢を報じた後、「ベルリンの壁崩壊30年」の特集企画を放送。国内で何も起きていないなら問題ないが、現職総理が花見会の名目で、地元支援者や著名人、芸能人、友人などを招き、多額の税金で供応していたという重要な事案を、なぜニュースにしないのか疑問に思う。
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夜の番組で、新潟で起きた女性刺殺事件を取り上げていた。現場を通りかかったタクシーのドライブレコーダーの映像が流れたが、それには、犯人の姿と被害者女性の悲鳴がはっきりと記録されていた。おそらくその悲鳴は、まさに事件が起こった瞬間に女性が発したものであり、映像こそなかったが、犯行の様子を生々しく想像させるに十分な迫力を持っていた。「事件の詳細を的確に伝えるために」とアナウンサーが述べていたが、被害者、遺族への配慮が感じられない。これをテレビで流すことが正しい放送といえるのだろうか。
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大手メーカーの現役社員を取り上げた番組を見た。上司の不正行為を内部通報したところ、左遷されてしまったという内容。再現ドラマがとても分かりやすく、司会者やゲストコメンテーターの発言にも好感が持てた。理不尽な社会の出来事に泣き寝入りする人が多い時代、励まされた視聴者も多いと思う。今後も社会問題解決のために良い番組を作ってもらいたい。
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最近、色々な番組にAD(アシスタントディレクター)が出演しているが、言葉遣いを間違えている。お願いする立場なのに、友達のように話している。「そうなんすね」「どうやって知り合ったんすか」「そういうことっすね」「面白いすっね」など、初めて会った人たちに対して、こんな話し方ばかり。なれなれしい。ADさん、失礼ですよ。
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テレビのバラエティー番組をあまり規制しないでほしい。やらせでも多少下品でも、楽しければいいと思っている。映画が良い例だ。昔みたいに腹を抱えて笑える番組がなくなってしまった。笑わないことは健康を損なうことにもつながる。健康被害を訴えれば勝てるのだろうか。見たくない人の意見を尊重して、見たい人の意見を尊重しないのは不公平だと思う。見たくないなら見なければいいが、見たい人は見ることができない。子ども達に悪い影響を与えるという人もいるだろうが、いじめの悪質さは昔に比べどうなのだろう。影響があるとしたら、それはテレビ以外の媒体に原因があると思う。せめてバラエティー番組だけは、倫理という枠の中から外してもらいたい。
青少年に関する意見
【「表現・演出」に関する意見】
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お笑い芸人が全権を握って女性アイドルのオーディションを取り仕切るバラエティー番組での芸人の振る舞いは、立場を利用したセクハラ、パワハラで子どもに見せられない内容たった。女性の中には未成年者も含まれ、アイドルになるという夢のため、セクハラを我慢しなければならない状況に陥っていた。
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クイズ番組で女性の職業を当てる問題が出され、正解がSNS等で知り合った男性と食事やデートに付き合い金銭を受け取る"パパ活"だった。子どもが見る時間帯に、さも高収入の新しい職業であるかのような紹介方法は、青少年に誤解を与えかねず不適切。性犯罪に巻き込まれる恐れもある。
【「報道・情報」】
- 大阪小6女児行方不明事件で、女児が栃木県で見つかったことの報道で女児の顔写真を出す必要はないのではないか。本人の今後のことを考慮すべきだ。
【「要望・提言」】
- ホラー映画『IT/イット"それ"が見えたら、終わり』を見た。最近のテレビは規制が多くつまらない中、大変刺激的だった。テレビ離れが進むが、これがテレビ本来の姿でなければならないと感じた。これからも表現の自由を活かして刺激的な番組や面白い番組を放送してほしい。