放送人権委員会

放送人権委員会 議事概要

第273回

第273回 – 2019年9月

「情報公開請求に基づく報道に対する申立て」事案の審理…など

議事の詳細

日時
2019年9月17日(火)午後4時~7時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
奥委員長、市川委員長代行、紙谷委員、城戸委員、二関委員、廣田委員、水野委員

1.「情報公開請求に基づく報道に対する申立て」

対象番組は今年1月21日に秋田県内で放送された『NHKニュースこまち845』。情報公開請求等によって明らかになった過去5年間の県内の国公立大学における教員のハラスメントによる処分に関するニュースを伝えた中で、匿名で、ある男性教員に対してハラスメントが認められ「訓告の処分を受けた」と報じた。この放送に対して男性教員が、氏名は公表されていないが、関係者には自分だと判断される内容であり、「不正確な情報を、あたかも実際に起きたかのように間違って報道された」と主張し、「大学で正常に勤務できない状況が作られた」として、NHKに謝罪を求めBPO放送人権委員会に申立てを行った。
 
これに対してNHKは、「情報公開請求で開示された内容を、各大学で改めて取材を行い、内容に誤りや変更がないことを確認した上で概要を説明した」と反論したうえで、「処分をされた教員は、いずれも匿名で、役職や年齢に触れていないなど、個人が特定できないよう、十分配慮している」と説明した。
 
第269回委員会において審理入りを決定し、前回委員会では申立人とNHKに対してヒアリングを行った。今月の委員会では、第1回起草委員会で起草した「委員会決定」案が示され、委員より説明の後、審理が行われた。審理では、論点に対する評価や表現等について意見が交わされた。修正を行い、次回の委員会に提案することになった。

2.「宗教団体会員からの肖像権等に関する申立て」

テレビ東京は2018年5月16日午後のニュース番組『ゆうがたサテライト』で、「教祖を失う可能性に揺らぐ教団の実態」としてオウム真理教の後継団体であるアレフを特集した。その中で、アレフ札幌道場前での申立人と取材記者とのやり取りを紹介した際、申立人の顔にボカシをかける一方、音声の一部が加工されないまま放送された。
アレフ会員である申立人は、肖像権とプライバシーの侵害を訴え、テレビ東京に対し謝罪と映像の消去などを求めて、BPO放送人権委員会に申立てを行った。
これに対しテレビ東京は、「アレフは団体規制法に基づく観察処分の対象であり、報道には公益性がある」と主張。プライバシー保護については「必要かつ十分な配慮を行った」としている。
委員会は、第271回委員会で、運営規則の要件を満たしているとして審理入りを決定した。
今委員会では、論点の整理やヒアリングでの質問項目の絞り込みなどを行い、次回委員会で申立人、被申立人双方に対してヒアリングを行うことを決めた。

3. 審理要請案件「訴訟報道に対する元市議からの申立て」

テレビ埼玉は、2019年4月11日午後の『News545』で、元市議が提訴した損害賠償訴訟のニュースを放送した。元市議は、その中で「自分がセクハラで訴えられたかのようなタイトル」をつけられたことや、「第三者委員会のセクハラ認定後に議員辞職したかのような誤解を与える表現」などによって、名誉が損なわれたとして申し立てた。これに対しテレビ埼玉は、ニュースの中では「元市議が被害を訴えた職員を相手取った裁判」と正確に説明しているなど、全体をみれば誤解されるようなものではなく、名誉毀損や放送倫理に反するものではないと反論している。またテレビ埼玉は「言葉の順番が違うことだけを見れば、誤解を招きかねない懸念が残る」ことは事実だとして、当該放送のあった日の午後9時半のニュースで表現を修正して放送したほか、市議会選挙直後の4月22日の『News545』の中でお詫びと訂正を行っている。
委員会は、第272回委員会で、運用規則の要件を満たしているとして審理入りを決定した。まだ双方の必要書類が全て揃っておらず、今委員会では、今後の審理の進め方について意見交換を行った。

4. その他

  • 申立ての状況について事務局より報告があり、関連して委員の間で意見交換が行われた。

  • 次回委員会は10月15日に開かれる。

以上