放送倫理検証委員会

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2019年9月13日

NHK国際放送番組『Inside Lens』(インサイド・レンズ)審議入り

放送倫理検証委員会は9月13日の第141回委員会で、NHK国際放送『NHKワールドJAPAN』の番組で、レンタル家族について放送した「Inside Lens」(インサイド・レンズ)について、審議入りすることを決めた。
対象となったのは、NHKが2018年11月19日、国際放送『NHKワールドJAPAN』で放送したドキュメンタリー番組「Inside Lens」の中の『HAPPIER THAN REAL』。レンタル家族について放送した番組の出演者について、事実と異なる内容を伝えていたことがNHKの調査で分かった。
この番組では、家族や友人などのレンタルサービスを行う会社を、実際に利用客にサービスを提供する様子などを交えて紹介した。しかし、利用客として紹介した男女3人は、実際には客でなく、レンタルサービス会社が用意したスタッフだった。
NHKは、5月29日、判明した事実を公表するとともに、「事実と異なる内容を伝えたことは極めて遺憾であり、視聴者の皆さまにお詫びします」と謝罪。そのうえで、国際放送で訂正とお詫びをした。
委員会は、当該番組の制作の経緯を知る必要があるとして、NHKに対して報告書と同録DVDの提出を求めたうえで討議し、審議入りを決めた。
神田安積委員長は、「レンタル家族の放送で、その利用者が映像の中に出てくるわけですが、その利用者が会社の関係者だった。そういったことが放送倫理に触れるのではないか。さらに利害関係者かどうか確認が必要なのに、その確認が十分にされていなかったという問題があるので、討議・審議入りした」とコメントしている。
委員会は今後、当該放送局の関係者からヒアリングを行うなどして審議を進める。