BPOの委員会について

question
委員会の議事録全文がウェブサイトに掲載されないのはなぜですか?
answer
委員会では人権を傷つけられたという訴えの内容を詳しく検討することもあります。また、委員会のこれからの検討の方針や方向性を議論することもあります。委員会での議論を円滑に進めるため、議事概要を公開しています。

BPOについて

question
BPOのウェブサイトはどのようなタイミングで更新しているのですか?
answer
委員会決定が通知・公表された際や、月1回の委員会の議事概要が公表された際、それに、毎月の視聴者意見がまとまった際などに随時更新しています。

第347回

第347回 – 2026年1月

「視聴者依頼番組における民家清掃に関する申立て」ヒアリングを実施…など

議事の詳細

日時
2026年1月20日(火)午後1時~午後5時30分
          1月21日(水)午前9時~午前11時50分
場所
福岡市内のホテル
議題
出席者
廣田委員長、鈴木委員長代行、野村委員長代行、大谷委員、
國森委員、斉藤委員、成原委員、松尾委員、松田委員

1.「視聴者依頼番組における民家清掃に関する申立て」ヒアリング及び審理

申立ての対象となったのは、福岡放送が2025年4月13日と20日に放送したバラエティー番組『ナンデモ特命係 発見らくちゃく!』の「命の危機…ゴミ屋敷大掃除!」で、視聴者からの依頼を受けて、高齢の親族が住む民家の大がかりな清掃を行い、その模様を放送した。
これに対し、当該民家の住人が、番組は臭いや不衛生な状態が過度に強調される形で顔出し・実名・モザイク処理なしで放送され、尊厳が著しく損なわれ人権を侵害されたと申し立てた。さらに、番組の収録過程において、住人にとって重要な物品がなくなったと主張している。
また、他の親族2名は、番組内で幼少期の写真が承諾なく使用されたり、プライベートな事実が本人の同意なく放送されたことなども権利侵害にあたると訴えている。
放送局は一部配慮が足りなかったことなどを認め謝罪したが、これら3名の申立人は納得せず、双方の交渉が不調に終わったため、9月の委員会で審理入りするか否かを検討した結果、審理入りすることを決めた。
今回の委員会では、申立人らが居住する福岡市に委員が出向き、申立人、被申立人及び関係者へのヒアリングを2日間にわたって行った。終了後、ヒアリングの結果を踏まえて審理を続け、起草委員が委員会決定案の作成に着手することになった。

2. 最新申立て状況報告

事務局から最新の申立て状況について説明した。

以上

第214回

第214回–2026年1月

12月の視聴者・聴取者意見などを報告

第214回放送倫理検証委員会は、1月9日に千代田放送会館で開催された。
12月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。
2026年度の放送倫理検証委員会の開催日程について調整をした。

議事の詳細

日時
2026年1月9日(金)午後4時~午後4時40分
場所
千代田放送会館BPO会議室
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、水谷委員、毛利委員、米倉委員

1. 12月の視聴者・聴取者意見を報告

12月に視聴者・聴取者から寄せられた意見では、高市政権の幹部の1人がオフレコで話した核保有に関する意見を報道したことについて、倫理に反した行為ではないかなどの声が多数寄せられたことなどが事務局から報告された。

2. その他

2026年度の放送倫理検証委員会の開催日程案について検討がなされ、原則毎月第2金曜日とするが、5月度に関しては大型連休明けとなるため第3金曜日にする方向で調整された。正式には次回の委員会で確定する。

以上

第285回

第285回-2025年12月23日

視聴者からの意見について…など

2025年12月23日、第285回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、吉永みち子委員長をはじめ7人の委員全員が出席しました。
議事では、11月後半から12月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
12月の中高生モニター報告のテーマは「最近『この演出(制作者の意図や創意工夫)はすごい!』と思った番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2025年12月23日(火)午後4時00分~午後6時00分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
吉永みち子委員長、飯田豊副委員長、池田雅子委員、佐々木輝美委員
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

視聴者からの意見について

11月後半から12月前半までの1カ月間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
週末の大型報道番組で、都内の保育園で園長が保育中の園児たちに暴言を浴びせている実情を告発する内容を特集。その際、不適切な保育実態を証明するため行政当局に提出したものと同じ、園長の暴言を隠しどりした音声を、個人が特定されないよう加工して放送したところ、視聴者から「その音声(の一部)には私の子どもが関わっている。告発の際使用することは承知していたが、放送に使用されるとは聞いていない。放送局に問い合わせたが、『個人が特定されないよう編集した』との説明だけだった。子どもの音声が無断使用されることが許されるとは思えない」などと訴える意見がありました。
担当の委員は「行政当局に対して使用することは了解していたが、放送に利用されたことが不愉快だったのだろう」と報告しました。
ある委員は「隠しどりすることを周囲の保護者すべてに知らせると、露見して隠しどりできなくなってしまう。この視聴者は事後承諾を求められたようだから、ボイスレコーダーを仕込んだ告発側の人との関係性の問題があったのかもしれない」との見方を示しました。
ほかの委員は「あの音声(隠しどりされた園長の暴言)があるから、もし自分の子どもがこんな暴言を浴びせられたらと思うとすごくつらくなる。私なら園長に怒鳴り込んでしまうと思う。したがって、(この告発を取り上げた)番組に問題はない。放送局としてこの視聴者には、何もできることはなかっただろう」と述べました。
さらに別の委員は「まず、このような不適切な保育実態が社会にあることを報じたのはとても意義があった。報道内容に公共性、公益性がある。隠しどりの音声を放送使用することにも必要性はあった。加えて音声は個人が特定されないよう加工されていて、人権上の配慮もあった。よって、この報道自体に問題はないと考える」と議論をまとめたうえで、「個人の声については、その精神的価値が人格権による保護の対象として認められていないが、AI技術の進歩にともなう社会の変化を受けて、今後、人格権として『声の権利』が認められるようになれば問題をはらむことになるかもしれない」と指摘しました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

12月のテーマは「最近『この演出(制作者の意図や創意工夫)はすごい!』と思った番組について」で、25人から合わせて23番組の報告がありました。視聴方法は、リアルタイム視聴が10人、アプリ(TVer、NHKoneなど)やオンデマンドを利用したタイムフリー視聴が4人、録画・録音が9人、回答ナシが1人、視聴なしが1人でした。
複数のモニターが取り上げたテレビ番組は『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)で、ほかにもトーク番組、ドラマ、特撮、ラジオなど、様々なジャンルの番組の演出の工夫について感想が届いています。
「自由記述」にはテーマに関する意見のほか、放送内容全般に関する意見や特定の番組に対する要望・意見、放送局への要望などが複数寄せられました。
「青少年へのおすすめ番組」では『ザ・タイムショックZ~雑学だらけの最強クイズ王決定戦SP~』(テレビ朝日)に5人から、『弾丸!空港トンボがえりツアー』(NHK BS)に4人から、『秘密のケンミンSHOW極&見取り図の間取り図ミステリー合体2時間SP!』(読売テレビ)に3人から、『火星の女王』と『実証科学バラエティー 百聞はジッケンに如(し)かず』(いずれもNHK総合)にそれぞれ2人から感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【最近「この演出(制作者の意図や創意工夫)はすごい!」と思った番組について】

  • 『映像の世紀バタフライエフェクト「銀座 百年の記憶」』(NHK総合)
    銀座は地震や戦争で大きなダメージを受けても何度も立ち直ってきた街だということがよくわかりました。夜の銀座を支えたマダムたちの話や、そこで働く人たちの人間関係など、裏側のエピソードも紹介されていて面白かったです。(中学3年・男子・東京)

  • 『火星の女王』(NHK総合)
    繰り返し視聴すると、最初は気づけなかった細かい演出に気づいて面白さが増します。例えば火星の民間人居住地「コロニー0」では太い鉄骨パイプから白い煙が出ていたり、透明でとても大きなエレベーターが建っていたり、鉄骨むき出しの空間に突然植物が茂る庭があったりして、異質な雰囲気から未来の火星という未知の空間イメージを感じました。CGやVFXによる細かな演出で、未来の火星に没入しながら純粋にドラマを楽しめているのだと気づきました。(中学3年・男子・東京)

  • 『ドキュメント72時間「秋葉原 メイドカフェに“ただいま”」』(NHK総合)
    登場人物の表情の変化を丁寧に捉えるためにアップの映像を使用する場面が多くありましたが、同時に店全体の空気を感じさせる引きの映像も使われており、空間としての“居心地”がわかりやすく表現されていました。「ここに来ると元気になれる」と語る人や何気ない会話を楽しむ様子が見られ、小さなやり取りが誰かの支えになっていることがわかりました。(高校1年・女子・熊本)

  • 『魔改造の夜』(NHK総合)
    軟な発想力と技術力を目の当たりできるだけでなく、「チーム一丸となる」「失敗しても構わない」「成功も失敗もお互いの健闘を称えあう」ところがスポーツを見ているようで応援してしまいます。(中学3年・男子・大分)

  • 『小学校 ~それは小さな社会~』(NHK Eテレ)
    アカデミー賞短編ドキュメンタリー部門ノミネートの映画です。一番印象に残ったのは6年生のきはら君で、家の前でひたすら二重跳びの自主練をする様子に凄く心が惹きつけられ、やっと連続して飛べるようになった彼の表情が最高でした。こういう何気ない風景を切り取るのがとても素敵な映画だと思いました。(高校1年・女子・愛媛)

  • 『ねほりんぱほりん』(NHK Eテレ)
    人形と内容(“中の人”のトーク)のギャップがあり、とても面白いです。毎回重めなテーマですが、かわいらしい人形が話すことで、子どもでも分かりやすく見やすいと思います。人形も凝っていて、ゲストのブタさんは本人?のイメージに合わせてピアスをつけたり表情やリアクションをつけたりしてすばらしいです。モグラの山里亮太さんとYOUさんは相手に対して否定的なことを言わず、名言が多くあり、笑えるとともに勉強にもなります。(中学1年・女子・東京)

  • 『がっちりマンデー!!』(TBSテレビ)
    30分という短い時間にまとめていて毎回テンポがよく、ちょっとかん高い声の掛け合いのようなナレーションも魅力です。企業紹介が終わるとスタジオでの試食や豆知識の紹介があり、視聴者を飽きさせません。チャンネルを他局に変えさせない工夫やどんどん惹きつける演出が随所に見られ、それが長寿番組につながっているのだと思います。(高校2年・女子・熊本)

  • 『火曜ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」』(TBSテレビ)
    勝男(竹内涼真)の兄の娘・真鳥(鷲尾心陽)の好きな色はピンクや赤ではなく青や黒ですが、その気持ちが分からない祖父母が真鳥へのプレゼントとして赤いランドセルを買っているため、会わせづらいといった話がありました。最終話では真鳥が茶色のランドセルを持って祖父母と笑っていて、そのシーンが印象に残りました。「女だから、男だから」という心の壁がなくなったことがその一瞬で伝わり感動しました。(中学2年・男子・群馬)

  • 『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)
    • 「名探偵津田」の企画で、1週間前・1か月前から伏線を張るスタッフがとてもすごいと思う。また津田篤弘(ダイアン)さんが物語からそれた行動をした時、不自然にならないように修正する「1の住人」たちの技術とアドリブ力が心に残っている。(中学1年・男子・福島)
    • 「サイレントクロちゃん」の企画は10個の仕掛けを絶妙な順番で構成していた。アイドルグループの喧嘩をプロデューサーのクロちゃんが泣きながら筆談で仲裁する場面では、MC浜田雅功さんの「後ろから殴りたいわ」というつぶやきをはさむことで感動からバラエティーに転換していて、とても面白かった。声が出せないと困るであろう場面(仕掛け)の選出が絶妙で、最高のバラエティー演出だと思った。(高校1年・女子・秋田)
  • 『タミ様のお告げ』(TBSテレビ)
    日常の小さな疑問を全力で調査していて面白いです。出演者が質問の答えを2択で選ぶ際に、おりてくるバーを挟んで左右に分かれる仕掛けがありましたが、視覚的に分かりやすい演出で、また出演者も楽しんでいる様子にとても心が温まりました。楽しそうにしていると見続けたくなります。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『ラヴィット!』(TBSテレビ)
    もっともすごい演出だと思ったのは巨大トランプを使ったジャイアントスピード対決です。トランプは一人で持つのが大変なサイズで、日常にあるものを巨大化してゲームを行うと、いつもとは違った面白さがあると感じました。ペアで声を掛け合いながらの対決は見ていて盛り上がり、朝から元気になりました。(高校1年・男子・神奈川)

  • 『金曜ロードショー「ズートピア」』(日本テレビ)
    ウサギのジュディは買ったニンジンが小さすぎたとき、ショックを受けてそれを食べずに捨ててしまいますが、この描写は見た目で判断してしまうジュディの性格を表現していて、さりげなく表現しているのが面白いと思いました。またズートピアに暮らすたくさんの動物の歩き方が完全に再現されているのも、物語を楽しむにあたって重要な工夫だと思います。(高校2年・女子・東京)

  • 『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ)
    新企画「100人食堂」を視聴しました。料理を作る過程を細かく映し、失敗やトラブルも隠さずに放送していて、一緒に挑戦しているような気持ちで見ることができました。また地元の人たちがメインとして映し出されていて、地域の魅力や人の温かさがより伝わる演出でした。工夫次第で地域の魅力を多くの人に伝えられるのだと思い、自分が住む地域について考えるきっかけにもなりました。(高校3年・女子・広島)

  • 『ベストアーティスト2025』(日本テレビ)
    第2部オープニングの歌舞伎×HIPHOPの演出が斬新だと思った。市川團十郎が歌舞伎の型を披露する一方、髙橋海人(King & Prince)たちが同じ舞台で踊っていて、動きは違えども不思議と違和感がなかった。RIEHATA振り付けのダンスはエネルギッシュで音によく乗っていてとても気持ちよかった。またラッパー・Blumioのリリックにはユーモアがあり、歌舞伎の厳かな雰囲気とうまく調和していた。伝統は守るだけではなく、少しずつ進化させていくことも重要だと思った。(中学2年・男子・東京)

  • 『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』(テレビ朝日)
    中学生の弟が大の特撮ファンで毎週視聴しているため、私もしばしば一緒に見ている。一河角乃を演じていた俳優の不祥事によってキャスト変更があり、第40話は代理の俳優が出演する最初の回だったが、一河角乃が探偵だという設定を逆手にとり、「潜入捜査のため顔を変えたところ、元に戻らなくなった」というセリフを追加することで出演者交代を説明するという演出だった。ヒーローに憧れる子どもたちにも納得してもらいながら、キャストの不祥事という事態をユーモラスに収めようとする制作者の思いを感じ、その機転がすごいと思った。(高校2年・女子・神奈川)

  • 『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日)
    スタジオトークが分かりづらい内容の場合、丁寧に画像で補足したり、スタジオの2人に画像を合成したりする演出がすごいと思います。ただ福島から視聴しているのですが、TVerと比較すると一部放送されていないトークがあり、好きな番組なだけに残念です。(高校3年・男子・福島)

  • 『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)
    ブータンの空港全体を仕掛人だけにする、ブータン政府にも協力を依頼するなど、スケールの大きい企画だと思った。現地警察役から追われ、ブータン脱出をめざす過程は、ドッキリと分かっていても映画を見ているようなスリル感がすごかった。(中学2年・女子・千葉)

  • 『坂上どうぶつ王国』(フジテレビ)
    猫の首にカメラをつけて普段の行動をモニターしていました。狭い隙間や側溝、猫目線で見る世界が新鮮で、猫の行動がカメラを通して視聴者に分かりやすく届けられていました。(高校3年・女子・長崎)

  • 『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ)
    「サビだけカラオケ」は、挑戦者が油断したタイミングで音を外して失敗するのがとてもドキッとするし、完唱してほしいと思いながらいつ失敗するかとハラハラする展開がとても好きです。(高校2年・女子・東京)

  • 『ネプリーグ20周年SP★』(フジテレビ)
    クイズだけでなく豆知識を紹介するコーナーがあり、視聴者が出演者と一緒に学べる番組にしようという意図を感じる。(高校3年・女子・徳島)

  • 『プレバト!!』(毎日放送)
    この番組は日常で触れることのない芸術の面白さを教えてくれます。先生たちの講評がとても分かりやすく「こうすればもっと作品がよくなる」とお手本も見せてアドバイスするのでとても参考になるし、勉強にもなります。(中学1年・男子・大分)

  • 『名探偵コナン』(読売テレビ)
    私が良いと思う演出は、コナンたちが次の放送回での事件解決の糸口になるヒント(キーワード)をくれるところです。ヒントをどのように使うかは放送回によって全然ちがいます。今回視聴した「取調室3」のヒントは「メイド」でしたが、それを見つけるにも工夫しなければたどり着けなかったので、いい出し方をしていると思いました。(中学3年・女子・山梨)

  • 『気分上昇ワイド ナルミッツ!!!』(北海道放送)
    月~金曜のあさ9時~ひる12時に放送しているラジオの生ワイド番組。スタジオにライブカメラがあると知り、映像を見ながら聴きました。パーソナリティーはほぼ平服でデスクも雑然としていて、ペットボトルを飲みながら話したり天気予報の原稿をバタバタと探したりする姿に、自分とあまり変わらないという安心感がありました。森結有花アナウンサーのハンドベル演奏は背中しか映っていませんでしたが一生懸命さが伝わり、ラジオ現場のリアルに素直に感動しました。(中学3年・男子・北海道)

【自由記述】

<テーマに関する意見>

  • モニター活動を通してテレビを見る機会が増え、自分にもハマる番組があることを知りました。コンプライアンスに引っかかったり苦情がきたりするような番組も実際にありますが全てではないし、きちんと考えながら視聴できる子どももたくさんいます。「子どもに悪影響だから見せない」というのは違うのではないかと思います。(中学1年・女子・東京)

  • テレビ離れは「SNSの影響だ」と言われることが多いですが、むしろどの放送局も似たような内容を放送していることの影響のほうが大きいのではないでしょうか。実際に、同じ時間帯に3つの放送局がそろって衝撃映像の番組を放送していたことがあり、驚きました。(高校1年・女子・熊本)

<放送内容全般に関する意見>

  • 『月曜から夜ふかし』『Golden SixTONES』『しゃべくり007』(いずれも日本テレビ)など、スタジオセットが豪華な番組は面白いイメージがあります。特に『VS嵐』(フジテレビ・~2020年)のセットが一番好きでした。セットが豪華な番組をもっと増やしてほしいです。(高校2年・女子・東京)

  • 音楽番組全般で、よく画面の右上に「このあと〇〇!」と人気アーティストの企画が書いてありますが、もうすぐだと思って楽しみにしていても、結局トリまで待たされるケースがあります。「〇時〇分ころ」や「トリは〇〇」とあれば無駄な期待を抱かずに済むと思います。(中学2年・女子・東京)

  • AIがニュースを読むことが増えましたが、息継ぎがなく無機質で、発音がスムーズすぎて違和感があります。一生懸命ニュースを読んでいる感じがせず、立て板に水、心にも記憶にも残りません。なんだか人間味がなくなっていくような気がして寂しいです。(中学3年・男子・北海道)

  • 最近は何か作業をしながら片手間にテレビを見ることが多いので、時々目をやるくらいでも見続けられるような、ラジオのような番組がもっとあっても良いと思う。(高校2年・女子・東京)

<特定の番組に関する意見>

  • 『ファミリーヒストリー』(NHK総合)を視聴したときにあった「最初から見たい方はこちら」というQRコードは非常に良いと思います。民放でももっと普及すればいいなと思います。(中学3年・男子・東京)

  • 『魔改造の夜』(NHK総合)は不規則で放送されるので、次回いつ放送するのか分からず見逃すことが多いです。偶数月や4か月に1回放送するなど、期間を決めてほしいです。(中学3年・男子・大分)

  • 部活から帰ってきて時間があるときに『#バズ英語〜SNSで世界をみよう〜』(NHK Eテレ)をよく見ます。英単語を分かりやすく学んだり、発音を意識するゲームをしたりととても楽しく、言語を学べるバラエティー番組があったら良いなと思います。あるいは語学番組が講習会を開いて視聴者も参加できると良いと思います。(高校2年・女子・埼玉)

  • 『それSnow Manにやらせて下さい』(TBSテレビ)で、リニア建設現場の立ち入り禁止エリアに潜入していました。立ち入り禁止エリアの潜入企画は知らない世界への視野が広がります。そこで紹介されている仕事の裏側は普段見ることができないため面白いです。今の時期だと、福袋の企画・福袋詰め・出荷・販売などを番組で紹介すれば興味がわきます。(高校3年・女子・長崎)

  • 「『サン!シャイン』(フジテレビ)3月で打ち切り」という文字をスマホに流れてくるニュースで見ました。あと3か月で終わると分かっている番組を、私たち視聴者はどのような気持ちで見ればいいのでしょうか。発表が少し早いのではないかと思いました。(高校2年・女子・熊本)

  • スーパー戦隊シリーズは50年の歴史に幕を下ろすというニュースが話題になったが、制作会社である東映が公式に発表する前にネットニュースやテレビのニュース番組で大きく報じられたことは個人的に好ましくないと感じた。明確な情報源がないのに報道していることがあるとわかり、テレビも含めたニュースメディアへの信頼感が少し下がった。(高校2年・女子・神奈川)

  • 『プレバト!!』(毎日放送)の作品を生で見てみたいです。大分ではテレビ番組のイベントや公開番組はあまり行われないので、体験できる機会がありません。47都道府県でぜひ開催してほしいです。(中学1年・男子・大分)

<放送局への要望や意見>

  • 「ライオンが檻から脱走した」などというAIを使ったフェイクニュ―スが最近出回ったが、テレビ局関係者といった情報を伝える人はフェイクニュースを見分けられるようになってほしい。(中学1年・男子・福島)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『火星の女王』(NHK総合)
    現代に通ずる社会問題が描かれていてリアリティーがあり、とてもおもしろかったです。俳優の演技もとても良く、没入できました。親が「CGが分かりやすすぎる」と言っていて、たしかに煙や爆発シーンは現実味がないようにも感じました。(中学3年・男子・東京)

  • 『実証科学バラエティー 百聞はジッケンに如(し)かず』(NHK総合)
    顔を覚えて「平均顔を高める」ことは社会とのつながりを持つきっかけになり、人生にも深みが出ることが分かった。これからもいろいろな人と出会っていきたいと感じた。(高校3年・女子・徳島)

  • 『弾丸!空港トンボがえりツアー』(NHK BS)
    世界の空港を紹介してくれたので興奮が止まらない番組でした。ジブラルタル空港は映像で見るのは初めてで、将来行ってみたいという気持ちが強まりました。世界にある絶景の空港から不思議な空港、飛行機の墓場など、旅行で訪れるには難しい場所をぜひ紹介してほしいです。(中学3年・男子・大分)

  • 『ザ・タイムショックZ~雑学だらけの最強クイズ王決定戦SP~』(テレビ朝日)
    • 1問につき5秒で回答しなければならず、挑戦者の冷静さと知識が試されていてすごくスリリングだった。学歴を前に出すのはちょっとどうかなあ、と思っていたけれど、学歴の高い人に勝つ場面があると「よっしゃー!」という気持ちになる。やはりQuizKnockの2人の知識量は膨大で圧倒された。番組が復活して大変うれしい。また特番で放送してほしい。(中学2年・男子・東京)
    • 自分でも答えられそうな問題が多く、見ていて楽しいと思えました。時計のようなセットも斬新で新鮮に感じました。(高校1年・男子・神奈川)
  • 『秘密のケンミンSHOW極&見取り図の間取り図ミステリー合体2時間SP!』(読売テレビ)
    見取り図が好きなので初めて番組を見ました。怖い要素や不思議な要素があるのかなと思い楽しみにしていましたが、ミステリーというほどの印象はなくあまり面白いとも思いませんでした。(中学1年・女子・東京)

  • 『1×8いこうよ!』(札幌テレビ放送)
    アナウンサー2人が前に出ず、ヤマザキマリと大泉洋の会話を盛り上げる進行に好感が持てました。「油絵じゃ食べていけないから漫画を描いた」というヤマザキマリの現実的な生き方が心に響きました。(中学3年・男子・北海道)

  • 『ABS news every.+どすこい青春相撲道~陽希とゆかいな仲間たち~』(秋田放送)
    30分のドキュメンタリーだったが、最初から最後まで陽希さんの良さがたくさん出ていておもしろかった。陽希さんの素直でコミカルな一面に思わず笑ったし、秋田西中の仲間たちの仲の良さも伝わってきた。仲間たちの話、特に幼稚園の頃から共に練習を続けてきた和琴さんからみた陽希さんの素顔も聞いてみたかった。(高校1年・女子・秋田)

  • 『子育て日記「乳幼児期から“おうち性教育”」』(山梨放送)
    子どもとかかわる仕事に将来就きたいので視聴しました。絵本と聞いて、身近なもので性教育ができることを知りました。性教育を始めるのは赤ちゃんの頃からという先生の意見にも驚きました。「性教育は権利を守ること」というポジティブなイメージが広がってほしいなと思いました。(中学3年・女子・山梨)

  • 『高校生のじかん』(九州朝日放送)
    他県の高校生もハマっていることや悩み事(恋愛)は同じなんだなと思いました。特に良かったのは「推し活」をしている人たちで、すごくいきいきとして映りました。推しの存在は偉大だなと改めて思いました。(高校1年・女子・愛媛)

  • 『若っ人ランド』(テレビ熊本)
    どの高校生にも必ず小さな願い事はあると思いますが、その夢を番組が本気で叶えてくれるドリーマー企画が好きです。夢を語るキラキラした高校生の目も印象的です。(高校1年・女子・熊本)

  • 『東野山里のインプット』(BSよしもと)
    作家「中島らも」と代表作「ガダラのブタ」についてゲストがプレゼンしていたが、ペンで文字のみを書いたスケッチブックを捲りながら話すだけという点が印象的だった。ひたすらにプレゼンターとMC二人の会話に耳を傾ける番組は、まるでラジオのようで新鮮だった。情報量を絞って、端的で気軽に新たな知を得られる番組は良いと思った。(高校2年・女子・神奈川)

◆委員のコメント◆

【最近「この演出(制作者の意図や創意工夫)はすごい!」と思った番組について】

  • 『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)を視聴した中学1年生の報告に「伏線を張るスタッフがとてもすごいと思う」とあった。番組制作の裏側に興味がある中高生は多いようだが、中高生らしい意見だと思う。

  • 『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)を視聴した中学2年生の報告に「映画を見ているようなスリル感」とあった。制作費は厳しいかもしれないが、こういったスケール感も中高生には刺さるのだと分かり興味深い。

  • 『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』(テレビ朝日)について高校2年生から報告があったが、どういう形でキャストを入れ替えるのか私も気になっていたので「よく考えたな」と思った。子どもの頃に見ていた『超電子バイオマン』(テレビ朝日・1984年放送)でも出演者の急な交代があったが、怪人に殺されて変身後の姿のまま葬式が行われたのは子ども心にトラウマで、そのことが頭をよぎりながら視聴していた。ただハプニングはテレビの面白さの本質でもあるので、ここを面白がる視点は良いと思う。

【自由記述について】

  • 『#バズ英語〜SNSで世界をみよう〜』(NHK Eテレ)について高校2年生から報告があったが、ネットでは海外のコンテンツを見ることはできても、日本と海外との橋渡しをするようなコンテンツはなかなかないので、そういった分野はテレビやラジオに頑張って制作してほしい。

  • 高校2年生の報告に「時々目をやるくらいでも見続けられるような、ラジオのようなテレビ番組がもっとあっても良い」とあったが、「詰め込み過ぎではない、抜けがある番組」が求められているのだと思う。情報を詰め込むテレビの編集技術が今ではネットにあふれ返っていて、逆に若い人はテレビに違うものを求めているのかもしれない。

  • 高校2年生の報告に「あと3か月で終わると分かっている番組を、私たち視聴者はどのような気持ちで見ればいいのでしょうか」とあった。大人は「そういうものだ」と思って番組終了の報道に接しているが、よくよく考えたら確かにそうだなと、大人の常識を揺さぶるような意見だと思う。また別の高校2年生のモニターも、スーパー戦隊シリーズの終了について制作会社の公式発表前にネットやテレビが大きく報じたことを「個人的に好ましくない」と報告していた。元放送作家の鈴木おさむ氏は年末に自身のXアカウントで「悲しく終わるような番組がないことを願いたい」と投稿していたが、“番組の終わらせ方”は制作者たちが今後真剣に向き合うテーマになると思う。

今後の予定について

次回は2026年1月27日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上

2025年11月28日

静岡・山梨地区のテレビ・ラジオ各局との意見交換会を開催

放送倫理検証委員会は11月28日、静岡・山梨地区のテレビ・ラジオ局9局24人と意見交換会を開催した。委員会からは小町谷育子委員長、岸本葉子委員長代行、高田昌幸委員長代行、水谷瑛嗣郎委員が出席した。大日向雅美理事長は「ソーシャルメディアと選挙報道」「番組と広告の識別」という2つのテーマについて「放送が信頼されるメディアであり続けるための重要課題だ」と位置付けた。小町谷委員長は、静岡放送制作『無限の檻~袴田巖さんと再審~』が日本民間放送連盟賞のテレビ・グランプリを受賞したことに触れ、死刑冤罪問題を広く問いかけた意義を評価。そして今回のテーマを通じて現場の悩みや疑問を共有し、解決の糸口を探る場にしたいと期待を述べた。

第1部は「ソーシャルメディアと選挙報道~DPFの正体を知ること」をテーマに水谷委員(慶應義塾大学准教授)が基調講演した。現在、報道はソーシャルメディア上で消費されることが増加し、情報流通の経路を握るDPF(デジタルプラットフォーム)事業者は、アルゴリズムによるレコメンドやコンテンツモデレーションで情報を選別・削除する。これは国家に匹敵する力とも言われている。アメリカの法学者ケイト・クロニックは彼らを「ニューガバナー=新たな統治者」と指摘した。
日本の最高裁の判決でも、グーグル検索は「情報流通の基盤として大きな役割を果たしている」と認められる一方、ツイッター(現X)は「情報入手の手段を提供する」としか位置付けられていない。「国民の知る権利に奉仕する」という言葉は報道機関には使われても、プラットフォームには使っていない。つまり最高裁が両者を区別していると話した。
プラットフォームの第一義的役割はユーザーの「知りたい」を満たすこと。検索エンジンやソーシャルメディアはユーザーの好みを予測して表示順を決めるが、報道機関が民主主義に必要な情報を提供するのとは性質が異なるという。ソーシャルメディアは「歪んだ鏡」とも言われ、少数の極端な声が炎上やトレンドを通じて大きく可視化され、社会の実像のように見えてしまう。アテンション・エコノミーの構造により、誤情報や陰謀論が拡散しやすく、怒りなど負の感情が注目を集めやすい。結果として誤情報から利益を得る構造が生まれ、正確な情報を出すインセンティブが失われている。真面目な調査報道よりも、誤情報や陰謀論を流す方が「いいね」を稼ぎやすいという現状が課題だと指摘した。

選挙とアテンション・エコノミー
兵庫県知事選で、立花孝志氏の動画や切り抜きがYouTubeで圧倒的な再生数を稼ぎ、他のニュースチャンネルを凌駕した点を例示。報道の空白や極端な主張が再生数を稼ぐアテンション・エコノミーの構造が背景にある。また東京大学の研究によれば、ショート動画より長尺動画の方が選挙関連で再生数を伸ばしており、伝統メディアの公式チャンネルが苦戦しているのは単なるショート動画不足ではないことも示しているという。
アテンション・エコノミーの起源は新聞で、その後ラジオやテレビの視聴率競争へ広がり、現在はインターネットへ。「参入障壁が低いため誰でもコンテンツを作れるようになり、生成AIの登場で刺激的なコンテンツはさらに増え競争は激化した」という。ネットにはガバナンスなどの十分な仕組みがなく、思想の自由や熟考の機会が失われる危険があり、「静寂や熟考の機会がなければ思想の自由は空虚なものに成り下がる」とするアメリカの判例を紹介した。
放送局や新聞社はアテンション・エコノミーから距離を取り、信頼性の高い情報をどう維持・流通させるかが使命となる。具体的には、信頼性の高い情報を目立たせる施策(プロミネンス)や、広告主に対して「自分の広告がどんなコンテンツに出ているかをもっと気にせよ」と促すガイダンスが重要。広告主がソーシャルメディア上の誤情報やヘイトスピーチに無関心である状況は改善されるべきだとした。

基調講演を受けて参加局との間で「切り抜き動画の拡散と誤情報への対応」や「SNS規制の必要性」をめぐる意見交換が行われた。参加者からは「切り抜き動画が拡散され、選挙報道のアプローチが難しい。結局は地上波とネットで正確な情報を発信し、誤情報があれば訂正するしかないのでは」や「公職選挙法は形骸化し、正直者が馬鹿を見る状況。SNS規制を政治家が真剣に考えないと解決しない」などの質問があった。
水谷委員は「規制は内容次第。公平性原則の義務付けは表現の自由の観点から難しい。実名制も万能ではなく、必要なのは情報の成分表示や偽情報に広告収益が流れる環境の是正。広告主や教育も含めた取り組みが不可欠」と応じた。また高田委員長代行は「ネット上の表現はプラットフォームやSNS事業者が一方的に規制すべきではない。匿名性は重大な権利。規制は国家に利用される危険がある」と規制論については反対。一方で「安易なSNS言論との差別化を図るため、なぜ報道するのかといった理由説明と取材プロセスの可視化が重要」とオープンでフェアな報道が必要だと提言した。

また、小町谷委員長から、参院選の選挙報道で注目された「量的公平性から質的公平性」への転換について説明があった。2017年2月にBPOが公表した「2016年の選挙をめぐるテレビ報道についての意見」では、2016年参院選で放送局が量的公平性に過度に配慮していたことや公職選挙法が「事実に基づき編集する自由」を保障しているにもかかわらず、放送局の認識が不十分である点を懸念。そこで①編集準則は倫理規定であることの再確認、②公職選挙法に基づく編集の自由の周知、③量的公平性と質的公平性の整理、の3点を提示した。小町谷委員長は、「この立場は現在も有効であり、選挙報道の充実に資するものと考えている」と述べた。

続いて、第2部は「番組と広告~『熱狂マニアさん!』から見えた考査と識別の重要性」をテーマに高田委員長代行(東京都市大学教授)が解説。BPOは2025年7月、TBSテレビ『熱狂マニアさん!』に対し、放送倫理違反があったとする意見書を公表した。この事例は、番組と広告をどのように考査し、識別していくべきかという課題を投げかけ、視聴者の信頼を守るためには、番組と広告の境界を明確にすることが不可欠であるとしている。担当した高田委員長代行が意見書を解説する。
『熱狂マニアさん!』は「熱狂的なマニアを発掘し、その愛を語ってもらうバラエティー番組」。事案は2024年10月19日放送の2時間特番『X社マニア集結!1万点からベスト3…名もなき家事が今夜消滅!』の放送回。番組全編がX社特集となり、7人のマニアが登場し、中心となった4人が47点の商品を紹介した。
テロップには商品名、税込価格、配送料、在庫状況まで表示され、出演者は「即買いに行きたい」「絶対X社に行きたい」と発言。冒頭でX社を含む3社の企業名が提供スポンサーとしてテロップで表示された際には、スタジオのマニアたちが「X社」と連呼する映像が使われ、画面には常時X社のロゴが表示された。さらに本編直後にはX社のCMが続けて放送され、番組内には「X社にひと言」や「買う/買わない判定」コーナーも設けられ、ほとんどが「買う」と判定された。結果として、番組全体が企業宣伝のような構成となっていた。委員会は「スポンサーの意向に沿って制作されていると受け取られれば、放送局への信頼は低下する」と結論づけた。スポンサーの意向を優先した番組だと視聴者に思われること自体が危険であり、放送に携わる者はその点を再考すべきだとした。

意見書で指摘した3点

  1. 識別の甘さとして、番組は価格や注文情報まで表示し、番組と広告の境界認識が不十分であったこと。

  2. X社がスポンサーであることが営業から制作に正しく伝わっておらず、本編直後にCMが流れる事態となった。

  3. 考査は2回行われたが、完パケ全体を精査する仕組みがなく、ロゴ常時表示や詳細テロップが見逃され、考査が「最後の砦」として機能しなかった、などをあげた。民放連の留意事項(2017年公表)は「意図がなくても誤解されてはいけない」と強調している。広告と誤解されないためには、①番組で取り扱う理由が明確であるか、②一方的なPRになっていないか、③企業側の協力を得ている場合はその旨を説明しているかなどが判断基準となると説明した。そのうえで「民放には公共性があり、広告と誤解されれば番組価値も広告価値も下がる。スポンサーの意向に左右されていると受け取られたら、放送局への信頼は失われる。だからこそ識別を徹底し、誤解されない番組を制作する必要がある」と話した。

参加者からは、営業から持ち込まれるテレショップ的番組を拒否した事例やスポンサー提供のインフォマーシャルを「広告」と判断し放送不可にしたこと。スポンサー要望を取り入れつつ番組価値を高める工夫を意識していることなど、広告と番組の境目を意識しながら、時に持ち込み番組を謝絶した事例などが報告された。
高田委員長代行は「テレビが金銭で動くと思われるのは危険。視聴者に説明できるかが全て」と答えた。
また2つのテーマとは別にそのほかのテーマとして「記者の安全と誹謗中傷問題」について参加者から発言。報道現場の記者がSNSで個人情報や写真をさらされ、中傷や差別に苦しみ辞職や休職に追い込まれる実態を説明。公共性と公平性を担う報道が匿名攻撃にさらされ、若手記者が委縮し志望者も減少している現状をBPOに理解してほしいと訴えた。

これを受けて岸本委員長代行は「被害に遭った人がすぐ相談できる局内の仕組みづくりと、局単独の経験値では限界があるため横断的な対応体制を強化すべきだ」とする意見を紹介。小町谷委員長は「記者を守る姿勢がなければ人材が辞める。弁護士を組み込んだ体制づくりが有効。こういった問題自体を報道すべき」と話した。また高田委員長代行は、新聞社時代の経験から「現場を守る姿勢を上層部が日常的に示すことが重要」。水谷委員は「誹謗中傷対策は慎重な制度設計が必要。プラットフォームの免責見直しも検討すべき」とそれぞれ語った。
小町谷委員長は「地域局ならではの独自制作の可能性」を示唆し、意見書が番組作りの参考になればと述べた。幹事社から「BPOをよき相談相手と感じた」との挨拶があった。
最後に地元局の幹事社を務めた静岡放送の編成業務局・アナウンスマイスターの野路毅彦さんから閉会の挨拶。山梨県からの参加局に対し、時間をかけての出席に謝意を表した後「皆さまのお話を伺い、私たちの職場は優先順位があらかじめ決まっている単純な場ではなく、迷ったり悩んだり、ときにははみ出すこともあるのだと改めて感じました。これまではBPOを『生徒指導の先生のように叱る存在』と思っていましたが、こうして直接意見交換をすると『よき相談相手』という印象を強く持ちました。」と結んだ。

以上

2025年12月に視聴者から寄せられた意見

2025年12月に視聴者から寄せられた意見

年末に各社がスペシャル編成した番組に対してさまざまな意見が寄せられました。

2025年12月にBPOに寄せられた意見の総数は、1,827件で、先月から1,494件減少しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 85.8% 電話 13.3% 郵便・FAX 0.9%
男女別は、男性 55.9% 女性 22.8% 無回答 21.3%で、世代別では10代 1.6% 20代 9.1% 30代 16.4% 40代 22.0% 50代 34.2% 60代 14.1% 70歳以上 4.0%
視聴者意見のうち個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付します。12月の個別送付先は31局で意見数は437件でした。放送全般に対する意見は115件でその中から15件を選び会員社すべてに送りました。

意見概要

番組に関する意見

年末各社のスペシャル編成の番組に対してさまざまな意見が寄せられました。ラジオに関する意見は67件、CMについては12件でした。

青少年に関する意見

2025年12月中に青少年委員会に寄せられた意見は42件で、前月から34件減少しました。
今月は「表現・演出」が16件と最も多く、次いで「要望・提言」の15件、「報道・情報」の4件などが続きました。

意見抜粋

番組に関する意見

  • 大みそか恒例の歌番組の出演者選定をめぐりネット上で抗議の声があふれていた。2025年は原爆、終戦から80年の節目の年であり放送局が関連する番組を多数放送してきたということも抗議の声の背景にあるのだろう。出演者選定の判断についてもう少し詳しく丁寧な説明があってもよかったかもしれないと思った。

  • 年末政治家が出演するトークバラエティーが多かったと思う。バラエティーなので厳密な政治的公平性は求められないのかもしれないが出演者選びには配慮が必要なのだろうと感じた。

  • 元首相を銃撃した被告の裁判が続く。犯行動機に迫ろうとする報道は重要だが被告の供述や家庭環境について同情的に伝える番組が多く疑問を感じている。殺害という行為の重大性が薄らいでしまわないだろうか。

  • 昨年は高温の影響で米は不作になると各社報道していたが収穫が終わってみれば前年を上回る高水準だった。米だけでなくほかの作物についても言えることだが不作のおそれがあると喧伝することによって価格の高騰に拍車をかける結果となっていないか。昨年の米についての報道を題材に伝え方を検証してほしいと思う。

  • サウナに閉じ込められ2人が死亡した事件。必死に脱出を試みながら力尽きた2人の、生前の幸せそうな写真を何度も繰り返し使うことに違和感を覚える。

  • 反戦報道、ドキュメンタリーの数が少ないと感じる。子ども達や若者が軽い気持ちで戦争を支持することのないよう、反戦メッセージを伝える放送を繰り返すべきだと思う。日本の報道は海外と違ってバラエティーや芸能人の話題が多すぎる。

  • 核武装をめぐるオフレコ発言問題。オフレコを破る際の判断基準や発言の一部切り取りによる印象操作を防ぐ編集方針、報道による影響をどのように考えるかなどについて、メディア各社から説明を聞きたいと思う。

  • 街頭インタビューをはじめ外国語を話す人の音声を完全に消して日本語訳の字幕だけにしている番組があるが、実際に話していることと日本語訳とが一致していることを確認できるように音声は残して放送した方が良いのではないか。

  • ネットで簡単に見られる衝撃動画をVTRとして流してスタジオの出演者がコメントをつけるというスタイルの番組が目立つ。ネット動画を見せるだけの番組に存在意義があるのか疑問。

  • 一般の人が番組に出るときに氏名や学校名などをそのまま出すことに不安を感じる。SNSなどによって個人の特定は可能だし誹謗中傷の的になるかもしれないからだ。

  • 高学歴の芸能人を揃えて競わせるクイズ番組が多いが、学歴にとらわれない多様な出演者によるクイズ番組、難問ばかりでなく子どもも楽しめるような問題を出すクイズ番組を見たいと思う。

  • バラエティー番組などでよく使われる観客の効果音に違和感。実際にはその場に観客がいないにもかかわらず歓声が上がっているかのように演出するのは不自然だと思う。

  • クリスマスが近づくとラジオから流れる曲はクリスマスソングばかりでそれ以外の歌をリクエストしても採用してくれない。トークの話題もクリスマスにまつわることばかり。クリスマスとは無関係だと思っている人間にとっては本当につまらない。腹が立つ。

  • 障がい者に対する人権侵害がなくなるように啓蒙する番組の制作を一層推進してほしい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 深夜のバラエティー番組のVTRのなかで、父親に髪を三つ編みにしてもらうため椅子に腰かけた9歳女児の膝頭に、リポーター役のベテラン芸人が臀部を擦り付けた。女児は「怖かった」と言ったが、芸人は「ギャグやねん」と笑いをさそう演出にされた。放送の倫理観が相当低いと思う。

【「要望・提言」】

  • 週末の情報バラエティー番組に学歴詐称疑惑で市長職を失った女性がVTR出演した。市長になるのに学歴は問わないと思うが、番組でまるでスターのように取り上げるのは不快だ。報道として伝えるのは仕方ないが、このような扱いはやめてほしい。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 若者の犯罪や違法行為を報じることが多いが、いまの10代は新型コロナの流行で学校に行けず、社会性を十分学べなかった世代だ。社会性が劣っていると指摘する教員もいる。若者の犯罪報道はその背景にまで踏み込んだものにすべきだ。

【「推奨番組」に関する意見】

  • 子ども向け特撮ドラマ。19歳の女性俳優が降板し、代役の俳優が初登場するシーンで、作品の世界観に照らして違和感のない理由で顔と声が変わったことを説明した。メインの視聴者である子どもたちに俳優が交代した理由をうやむやにしない制作側の対応に好感を持てた。

【「言葉」に関する意見】

  • 特定の番組ではないが、出演する芸人が「殺すぞ」という言葉を安易に使うことがある。命を軽んずる発言だと憂いている。「殺す」を軽々しく使う風潮には警鐘を鳴らす必要があるのではないだろうか。

【「危険行為」に関する意見】

  • バラエティー番組のドッキリ企画で、殺陣の最中に男性の急所を突く行為が笑いの演出としてあった。安全性を確認した上での番組収録だったとしても、深刻な損傷を生みかねない危険なものだ。子どもが模倣するリスクもある。実害防止の観点からも、同様の演出には慎重な判断を願いたい。