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2010年3月10日

「拉致被害者家族からの訴え」事案で「見解」〜放送倫理上問題あり

2009年4月放送のテレビ朝日『朝まで生テレビ!』で、拉致問題に触れた番組司会者の発言について拉致被害者家族会から申立てのあった事案を審理していた放送人権委員会は 3月10日、テレビ朝日に対し、「発言には不適切な点があり、その対応に関して放送倫理上の問題があった」とする見解を通知した。

2009年4月24日深夜放送の上記番組内で、司会者でジャーナリストの田原総一朗氏は、拉致被害者の横田めぐみさんと有本恵子さんの名前を挙げ、「生きていないことは外務省も分っている」などと発言したうえで、日本の対北朝鮮外交のあり方について論評した。
申立人である「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」はこの発言について、「人の生死に関する安易な発言は名誉毀損やプライバシーの侵害以上に、最も重大な人権侵害である」として、テレビ朝日に対し、田原氏発言の放送での撤回や謝罪などを求め、放送人権委員会に申し立てた。
委員会は同年8月に審理入りを決定し、慎重に審理を重ねてきた。
公表された「委員会決定」は、田原氏が2人を「生きていない」と断定的に発言した点については、「救出に全力で取り組んでいる家族の心情に対しあまりに配慮に欠ける表現であった点において不適切であった」と判断した。
しかし、申立人が「拉致被害者の全員救出を目指す政府の方針に疑念を生じさせ、救出運動を妨害し、北朝鮮に誤ったメッセージを発信した」などとした点については、「論評によって受ける申立人の懸念や不安、怒りは理解できるものの、拉致問題についての言論が閉塞状況にあると認識した田原氏が、ジャーナリストとしての責任において拉致問題を見る視点について問題提起をし、その観点から政府の方針を批判したものであって言論の自由の範囲内であり、人権侵害とは認めない」という判断を示した。
田原氏の発言を放送したテレビ朝日の責任については、「生きていない」と断定した不適切な発言に対する対応のあり方に限られるとした。そのうえで、「局は二度にわたって謝罪しているから一応必要な措置を講じていると認められる。しかし、問題の深刻さを考えれば、謝罪に関してはより迅速かつ適切な方法をとるべきであった」として、局の対応に放送倫理上問題があったと結論付けた。

PDF <委員会決定の全文はこちらから>

 

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