青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第194回

第194回-2017年7月25日

視聴者からの意見について…など

2017年7月25日、第194回青少年委員会をNHK放送センターで開催しました。この日は午前中から同センターで中高生モニター会議を行ったため、委員会も引き続き同じ場所で開催しました。7人の委員全員が出席し、まず6月16日から7月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
視聴者意見に関しては、高校を舞台とした連続ドラマに対して「暴力を助長しているようで、不愉快だ」など主に暴力的な表現を問題とする意見が多数寄せられました。委員会ではこの番組について討論することとして、委員全員が番組を視聴したうえで意見を出し合いました。その結果、委員会としては、「連続ドラマの初回であり、今後の放送も見守りたい」として、現段階では審議などに進む必要はないとの結論となりました。
また、いわゆるドッキリ企画で芸能人を万引き犯に仕立てるという設定をしたバラエティー番組に関して、「冤罪は、人生をだめにするという意味ではしゃれにならないことである。企画をたてるときには、そういう点も考えてもらいたい」などの意見が出されました。
そのあと、6月の中高生モニター報告に続いて、6月30日に開催された意見交換会(山陰地区)の模様が報告されました。
8月は休会とすることを確認、次回は9月26日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2017年7月25日(火) 午後4時45分~午後7時00分
場所
NHK放送センター 474会議室
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

高校を舞台にした連続ドラマで、高校生同士の「殴り合い」のシーンなどが放送されたことに対し、「暴力を助長しているようで、不愉快だ」「子どものいじめを助長するような残酷シーンがあり、気分が悪くなった」「高校生が起きている時間帯に放送することは考え直してほしい」などの視聴者意見が多数寄せられました。この番組ついては、全委員が視聴し、委員会で討論しました。委員からは、「暴力をふるうシーン自体は多くはないが、追いつめられる恐怖感などが視聴者に嫌悪感を与えたのではないか。また、高校生が喫煙をするシーンも必ずしも否定的に描いていないように見えた」「作品としてはとても力が入っていておもしろかった」「自分の高校時代を思い出した。不良高校生に対する不安、恐怖はこうだったという感じもあり、あまりいやな印象はなかった」などの意見が出されました。委員会としては、連続ドラマの初回であり、今後の放送を見守りたいということになりました。
バラエティー番組で、芸能人を万引き犯に仕立てて、だますという「ドッキリ企画」を放送したことについて、「ドッキリをかけられた芸能人への人権侵害になり、視聴者、特に子どもへも悪影響だ」「子どものいじめにつながると思う。悪ふざけにも程がある」などの意見が寄せられました。これに対し、委員からは、「センスが良いとは思わないが、あれを見て、青少年がまねをするとは思わない」「痴漢の冤罪を思い出した。冤罪は、人生をだめにするという意味ではしゃれにならないことである。企画をたてるときには、そういう点も考えてもらいたい」などの意見が出されました。この番組については、現段階ではこれ以上話し合う必要はないとなりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした7月のテーマは、「最近見たバラエティー・クイズ・音楽番組の感想」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で32人から報告がありました。
「バラエティー・クイズ・音楽番組の感想」では、バラエティー番組について25人、クイズ番組について1人、音楽番組について6人から報告がありました。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)には最多の5人から、『THE MUSIC DAY 願いが叶う夏』(日本テレビ)には3人から感想が寄せられました。
バラエティー番組の「口にピンポン球を複数入れる」演出について疑問や意見を呈したモニターが2人いました。
また自由記述で〈ドッキリ企画の設定〉について「善意を利用して人をだますことになってしまったと感じる。“驚かす”ということが過剰になっているのではないか」という意見や〈東京都議会議員選挙開票速報〉について「スポーツ中継を見ているかのようなライブ感を楽しんだ」という感想がありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、『ミライ☆モンスター』(フジテレビ)について「(中高生の)私たちは何かしら悩みの心の荷物を抱えている。そんなとき誰かが頑張っている姿を見るということは自分を勇気づけ、刺激し、奮い立たせてくれる」という感想を寄せるなど、2人のモニターが番組を取り上げていました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たバラエティー・クイズ・音楽番組の感想】について

    • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)の海外で現地の人たちと共に色々なことに挑戦するコーナーについて、「笑いに国境はない」と感じたというリポートがあった。文化の違いを感じつつも、一方で笑いはいいものだなという感覚をテレビから受けているのは意味のあることだと思う。

    • 『日本ソダテル検定』(テレビ朝日)について、父親やコーチに厳しい言葉を浴びせられてもひたすらトレーニングを続ける卓球に取り組む少年を、「私は(親に)反発してしまいできないので尊敬する」というリポートを書いてきたモニターがいた。この番組については「虐待まがいじゃないか」といった視聴者意見が何件かあったが、このモニターは頑張っている少年の立場で番組を見ていたのだろう。面白いと思った。

    • 『ミュージックフェア』(フジテレビ)について「番組の歴史を感じることができました」という報告があった。この番組は一人の人物・歌手を丁寧に紹介するものだが、丁寧に音楽を聞き、その歌詞を知ってもらいたいという趣旨を理解して、番組を楽しんでくれたことはうれしいことだと思った。

  • 【自由記述】について

    • 女優がYouTubeにアップした夫らを非難する動画を番組で流すことについて、「YouTubeの映像をそのまま何回も流すのはどうなんだろう。興味がある人は自分で検索してみればいい」という意見があった。本当にその通りだと思う。

    • 豪雨やヒアリのニュースに関して「事実よりも視聴者を扇動するような内容しか放送していないと思った」という意見があったが、これは冷静に考える必要があるかもしれない。あまり不安を煽ることより、もう少し冷静に事実を報告してほしいということは確かに当たっている。

    • ラジオに関して対比的な意見が2つあった。一つは「ラジオに足りないのは『華やかさ』だ。有名な芸能人の方がラジオに出演すれば立ち位置も変わってくるのではないか」というもの。もう一つは「テレビにはないラジオならではの距離感で友達の話を聞いているようなリラックスした気分にしてくれます。ラジオは私たち学生に向いているメディアではないでしょうか」というものだ。2つの意見は、突っ込んでいけばそれほど違ったことを言っているのではないかもしれないが、ラジオについて両方とも関心を持っていることを示している。もう少しラジオについては議論しなければいけないのではないかと感じた。

    • ネット炎上を「桃太郎」で描いたCMが賛否両論を巻き起こしたことについて「少数の人が不快に思い問題にするとそれに加勢する形で規制してほしいと世の中が動き出してしまう怖さがある」という意見があった。社会の構造を分析的に読み解き、一定の表現の自由を守るために委員会が必要なのだという見方をしているところは、中学生にしてはなかなか深いと感じた。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たバラエティー・クイズ・音楽番組の感想】について

    • 『THE MUSIC DAY 願いが叶う夏』(北日本放送/日本テレビ)1年間で最も楽しみにしていた番組だったので夢中になってみました。たくさんの夢のある歌をきいて、願いが叶う夏が来そうな気がしました(富山・中学1年・女子)

    • 『世界の果てまでイッテQ』(日本テレビ)明日から学校で嫌だな。憂鬱だなあという日曜夜の気持ちを解決してくれるように感じます。 飽きないのは、私の日常で考えることのできる考えの外側がふいに画面に出てきてハッとすることがあるからだと思います。素朴な疑問からスタートして見たことのない景色やお祭り、行事、出演者のふいの表情に惹きつけられます。ハッと感動する時とあまり考えずゆるゆる見ている時との配分バランスがいいのだと思います。(千葉・中学2年・女子)

    • 『日本ソダテル検定』(テレビ朝日)世界で活躍する子供がたくさん取り上げられ、感心するばかりだった。スポーツから音楽、英語までの分野に渡り、その道を極めている同年代、あるいは私よりも若い人たちがみんな誇れるものがあって羨ましいということと、私にはそういう特技がないという焦りを感じた。どの親子にも共通することは、親が子供の幼い頃から練習をさせ、それを習慣化させていることだ。親子の絆がとても強いと感じた。私は親に教わるということがどうしても反発してしまい出来ないので尊敬する。(東京・高校1年・女子)

    • 『世界の果てまでイッテQ』(讀賣テレビ/日本テレビ)この番組では誰もが本気を出している様子が見られ、とても爽快でした。しかし、違和感を感じたところもありました。今回はプロのマジシャンで口の中にピンポン球を4個入れる方が登場しました。それに挑戦した出演者が無理をして、明らかに顔色がおかしくなっていました。限度を超えたチャレンジは危険だと感じました。私の大好きな番組だけに少し心配になりました。(兵庫・高校2年・女子)

    • 『GROOVER‘S DIVE』(ZIP-FM)学生を対象に制作されていて、自分と同じ年の子の最近起こったことや思ったことをリアルタイムで知ることができ、自分の経験と重ねて共感したりして、とても身近に感じます。テレビにはないラジオならではの距離感で友達の話を聞いているようなリラックスした気分にしてくれます。テレビでは画面を見て音を聴いて迫力満点の番組が放送されています。一方ラジオでは映像がなく音だけの番組でテレビよりも地味な印象を受けます。だからこそ,逆にラジオは私たち学生にむいているメディアなのではないでしょうか。ラジオ番組は学校への登下校のときや勉強しているときなど「○○しながら」聞くことが出来ます。ラジオ番組はテレビ番組に負けないくらい面白いものなんだとラジオを聴かない人に知ってほしいと思いました。(愛知・高校2年・女子)

    • 『MUSIC FAIR』(テレビ愛媛/フジテレビ)この番組は、ほとんどの曲が生演奏をバックに歌っていて、CDとは違った演奏で聞くことが出来ます。セットも美しく、好きです。たまに昔の映像だけ放送する回もあり、昔の映像が好きな自分としては、それも楽しみです。VTRで石川さんが番組に初出演した時の映像が流れていて、代表曲である「津軽海峡冬景色」が1977年に発表された歴史のある曲であることを知り、石川さんがその曲を歌ったのが19歳の時であると知り驚きました。そんな昔の映像が同じ番組で見られるのも、この番組が長年続いてきたからであり、改めて番組の歴史を感じることができました。落ち着いて見ることができる番組だと思います。(愛媛・高校2年・男子)

  • 【自由記述】

    • 最近賛否両論となったACジャパンの桃太郎のCMですが、ネット炎上だけでなく、テレビ放送にも少し関係があると思いました。少数の人が不快と思い問題にすると、それに加勢する形で、規制してほしいと世の中が動き出してしまう怖さがあるような気がします。一定の表現の自由を守るために、放送倫理委員会が必要なのだなと思いました。(神奈川・中学1年・男子)

    • 最近、ある女優の動画がよく流れているが、YouTubeの映像をそのまま何回も流すのはどうなんだろう、と思った。興味がある人は自分で検索して観ればいいので、朝の情報番組などで毎日のように取り上げなくてもいいのではないかと思った。(東京・中学2年・男子)

    • 自分より少し年上の人たちが頑張っていて、励みになりました。音楽以外でも中学生棋士や卓球など幅広い分野で中学生が活躍していることを最近のテレビやニュースでたくさん知ることができるのは、とてもうれしいです。(滋賀・中学2年・女子)

    • 最近のバラエティー番組はあまり面白くないと私は感じます。それと同時に、友達とテレビの話をしなくなったと思います。このふたつのことは、とても関係が深くさびしいと思いました。(秋田・中学3年・女子)

    • 「ドッキリ」が人の善意を利用して、人をだますことになってしまったと感じます。「驚かす」という意味が、どんどん過剰になっていると思います。今の番組を見ていると、そこが少し心配です。(東京・中学3年・女子)

    • 東京都議選の開票速報番組をいくつか見ました。社会的に注目を集めている選挙であるということで、見たいと思いました。小さい頃はつまらないと思っていましたが、今ではスポーツ中継を見ているかのようなライブ感を楽しめました。(長野・高校1年・男子)

    • バラエティーは特にあると思うが、視聴者の感情をある程度コントロールする編集をしていたりするので少し批判的に見たりする必要がある。効果音、アナウンス、音楽など視聴者のムードを左右する仕掛けがあちこちにばらまかれている。大体どこの番組もどの芸能人が悪いという印象を与えないようにしている。しかし、町でのインタビューは編集され、一つの意見が多かったように錯覚させることが可能なので全て鵜呑みにはできないと思って私は見ている。バラエティー番組はあくまでエンターテインメントで楽しいことが第一なのでそういうことはしょうがないと思う。そしてそういう工夫もあるからこそわかりやすい。(東京・高校1年・女子)

    • 九州の大雨やヒアリの話題で、ニュース番組は事実よりも視聴者を扇動するような内容しか放送していないと思った。(東京・高校2年・男子)

    • ラジオは音だけなので聴く人の想像力が大切になりますが、テレビは簡単に華やかな世界が見られるところが魅力だと思います。ラジオに足りないのは「華やかさ」ではないかと思いました。有名な芸能人の方がラジオに出演すれば、ラジオの立ち位置が変わってくるのではないかと考えます。(青森・高校2年・女子)

    • 今回の九州の大雨災害で多くの方が犠牲になりました。その中で、九州の豪雨とそれに伴う土砂災害の危険を警告する報道が胸に迫りました。特にNHKのアナウンサーの方たちの迫真の報道が印象的でした。東日本大震災の時を思い起こすような、切実な訴えが届きました。伝える人たちの「命を守りたい」という想いが感じられました。もしもの時、人々の命を救うことも報道の重要な責務であると思いました。(東京・高校3年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『ミライ☆モンスター』(フジテレビ)自分が詳しく知らない競技の選手を取材した番組であっても興味を持って見ることができます。30分という短い時間の中で、見ごたえのあるノンフィクション番組を見れるのも魅力の1つだと思います。中学生や高校生の私たちは、進路や友人関係や何かしらの悩みの心の荷物を抱えていると思います。そんな時、自分とは面識のない、全く知らない人であっても、誰かが頑張っている姿を見るということは自分を勇気付け、刺激し、奮い立たせてくれるものだと思います。特に、それが同年代ともなるとより一層です。だから、この番組を見ていると、自分より頑張っている人がいる、わたしも頑張らないと!と思うことが出来ます。(埼玉・高校1年・女子)

    • 『究極の○×クイズSHOW!! 超問!真実か?ウソか?』(日本テレビ)このクイズ番組はあまり好きではない。プレゼンターの主張が弱く葛藤して答えをみちびくというよりは勘で答えを決めるみたいな問題になっていて特徴が生かせておらず、一般には絶対にわからない問題を勘で答える番組になってしまっていると思う。(東京・高校2年・男子)

◇中高生モニター会議について◇

7月25日午前11時からNHK放送センターで中高生モニター会議を実施しました。全国から集まった25人の中高生モニターと委員7人、それにNHKのドキュメンタリー番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』を担当している池田由紀チーフ・プロデューサーが参加しました。
会議は午前11時から午後4時過ぎまでの間、スタジオ等の見学、池田チーフ・プロデューサーとのドキュメンタリー番組を巡る議論、番組企画のグループワークなどを行いました。中高生モニターたちは放送局の仕組みや番組作りなどについての知識を深め、委員は中高生の放送への考え方や感覚を実感したようです。この会議の詳細は後日BPOウェブサイトに掲載する予定です。

調査研究について

調査業者を決定し調査の基礎となるサンプリングの作業を始めたことが担当委員から報告されました。調査は9月中旬に実施し、年内にはその結果がまとめられます。その後、調査結果に関して放送局の関係者から意見聴取することなどを検討していることが説明されました。

今後の予定について

  • 今後の日程を次のとおり確認しました。8月8日、東海テレビ(名古屋市)が開催するメディアリテラシー企画『夏休み!みんなのテレビスクール』に中橋雄委員を講師派遣。10月24日、静岡市にて意見交換会(静岡地区)。これには濱田理事長も参加。