青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第193回

第193回-2017年6月27日

視聴者からの意見について…など

2017年6月27日、第193回青少年委員会をBPO第1会議室で開催しました。7人の委員全員が出席し、まず5月16日から6月15日までに寄せられた視聴者意見について意見を交わしました。
視聴者意見に関しては、広島県のスポーツセンターで男子中学生が2階から女児を投げ落とした、として逮捕された事件で、加害者の男子生徒が特別支援学級に通っていたと報じられたことについて、一人の委員から、少年法が禁じている容疑者を推知させる情報になる懸念を指摘するとともに、特別支援学級に通っていたことと事件との関連が分からない時点でそれを報じることは慎重にしたほうがいい、という意見が出されました。
そのあと、6月の中高生モニター報告に続いて、7月25日に開催する中高生モニター会議の企画を担当委員らが報告し了承されました。調査研究については、前回委員会で大筋了承された調査票の最終版が委員会に提出され、内容が確定しました。
次回は7月25日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2017年6月27日(火) 午後4時30分~午後7時00分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員、中橋雄委員、緑川由香委員

視聴者からの意見について

午前の情報バラエティー番組で、中学生棋士の連勝の話題を取り上げた際、スタジオのお笑いタレントが「彼が童貞でなくなった時、絶対に変わると思う」という内容の発言をしたことに対し、「朝から中学生に対して、下品なセクハラを放送するのは信じられない」「大人が少年に対し性的発言をする行為は、立派なセクハラだ」という視聴者意見が多数寄せられました。これに関し委員からは、「発言者本人もこういう言い方は言葉が悪いかもしれないが、という趣旨の断りをした上での発言であり、性的発言、セクハラという印象はなかった」「言葉狩りに近くなるようなことはする必要がない」などの意見が出されました。
広島県のスポーツセンターで男子中学生が女児を2階から投げ落とした事件を伝える際、一部の報道番組で「少年が特別支援学級に通っていた」と伝えたことに対し、「特別支援学級を特別視することにつながり、差別感を生む」「容易に加害者の少年が特定されてしまう」などの視聴者意見が寄せられました。
これに関し委員からは、「少年法で推知報道は禁じられているが、特別支援学級に通っていると報じることにより、人口が少ない町で人物特定につながるのではないかと懸念される」「特別支援学級に通っていることと事件との因果関係が客観的に分からない状況で、そのような加害者の付随情報を出すことは相当慎重にしたほうがいい」などの意見が出されました。現段階ではいずれもこれ以上話し合う必要はない、となりました。

中高生モニター報告について

34人の中高生モニターにお願いした6月のテーマは、「最近見たドラマ・アニメ番組の感想」でした。また「自由記述」と「青少年へのおすすめ番組について」の欄も設けました。全部で33人から報告がありました。
「ドラマ・アニメ番組の感想」では、ドラマについて17人、アニメについては16人から報告がありました。最多の4人のモニターが報告を寄せた番組は、『ドラえもん』(テレビ朝日)でした。
「自由記述」には、「ニュースなどで取り上げられる同世代の活躍ぶりをうれしく思う。彼らの今後に注目したい」という意見や「ほかの中高生モニターの意見を読み、共感した」という報告がありました。
「青少年へのおすすめ番組」では、「ピコ太郎」をプロデュースした芸人・古坂大魔王とジャーナリストの田原総一朗が出演した『SWITCHインタビュー 達人達』(NHKEテレ)に、4人から報告がありました。

◆委員の感想◆

  • 【最近見たドラマ・アニメ番組の感想】について

    • 『僕のヒーローアカデミア』(日本テレビ)を見て、ヒーローの特性・資質の考察をした報告に「ヒーローとしての資質とは、たとえそれが自分にとって不利益になるとしても、人の為になりふり構わず立ち向かっていくことなのだと感じた」とあった。きちんとした考察に感心した。

    • 『ちびまる子ちゃん』『サザエさん』(ともにフジテレビ)について、「展開が支離滅裂である」「現実離れした話が多く、おかしなことが多い」というリポートがあった。このモニターの判断基準は「論理破綻がないか」「倫理的であるか」「現実と比べてどうか」ということであり、そこに沿わないものは批判されてしまうのだと思う。いろんな感想、いろんな見方があっていいが、フィクションを楽しむ魅力にも気付いてほしい。

    • 『サザエさん』(フジテレビ)の『タラちゃん空気を読む』という話を見て、「空気を読む」ことについて考えたというモニターがいた。「サザエさんはただ日常を描くだけでなく日常に隠れている言葉の不思議について考える機会を与えてくれる」と報告している。また『サザエさん』を好きな理由として「多様性があること」だと述べ、「三世代構成の家族であったり、近所の人たちや様々な立場の人たちの意見を知ることができる。時代錯誤と言われることもあるが、時代に合わないと言ってはねのけるのではなく、現代とは違うスタイルであるからこそ私たちは受け入れるべき。」と書かれている。とても深い考察だと思った。

    • 『ひよっこ』(NHK総合)を見て、「人生は一度きりだけど、ドラマを通じて時を越え、空間を越え、主人公の人生を生きることができる」とドラマの魅力を伝える報告があった。テレビを見て、分析的に批評することに積極的だと感じさせるリポートだった。

  • 【自由記述】について

    • 高校野球の話題で「特定の選手ばかりを取り上げる」ことにより、かえって「その選手が苦手になったり嫌いになったりする人が出てしまうのではないか」という指摘には、同世代だからこその意見で「なるほど」と思った。

  • 【青少年へのおすすめ番組】について

    • 『SWITCHインタビュー 達人達』(NHKEテレ)の「古坂大魔王対田原総一朗」の回は、私の周りでも話題になった番組だったが、中高生も興味を持つ番組だということに少し驚いた。

◆モニターからの報告◆

  • 【最近見たドラマ・アニメ番組の感想】について

    • 『僕のヒーローアカデミア』(日本テレビ) ヒーローとしての資質とは、たとえそれが自分にとって不利益になるとしても、人の為になりふり構わず立ち向かっていくことなのだと感じました。僕はアメコミと言われるヒーローものの映画も好きなのですが、このアニメ番組は少し雰囲気が似ています。自由と個性が認められる中で、真のヒーローに成長していく主人公をこれからも見たいです。(神奈川・中学1年・男子)

    • 『あなたのことはそれほど』(TBSテレビ) ネットニュースで視聴率が上昇していると知りました。不倫ドラマが主婦層に人気なのは、自分が出来ないことをテレビの画面を通して疑似体験し、自分と重ねられることにあると思います。女子高生に学園の恋愛ドラマなどキュンキュンするのが人気なのは、それが現実世界では体験できない世界を映しているからだと思います。不倫を内容とするドラマは不倫を助長させる、不倫に一種の憧れを持たせてしまう、などの懸念がされていることを聞きましたが、それは心配に至らないと思います。主婦層は現実世界から少し離れて夢を見られるような世界を画面越しに望んでいるのだと思います。(埼玉・高校1年・女子)

    • 『サザエさん』(フジテレビ) 「タラちゃん空気を読む」というお話を見て「空気を読む」ということについて考えさせられました。『サザエさん』は、ただ日常を描くだけでなく日常に隠れている言葉の不思議について考える機会を与えてくれます。それが私が『サザエさん』を好きな理由のひとつです。二つ目は、多様性があるところです。最近(主人公一家が)三世代構成というところが「時代錯誤だ」と言われたり視聴率が低迷しているというニュースを見ましたが、現代と違うスタイルであるからこそ、私たちはそれを受け入れるべきだと思います。時代に合わないと言ってはねのけるのではなく、だからこそ積極的に取り入れた方が良いと思います。(青森・高校2年・女子)

    • 『ひよっこ』(NHK総合) 今の私と同い年であるみね子が力強く自立して生き抜く姿には、応援する気持ちとともに背筋を正される思いがします。みね子達の時代の苦労も笑顔に変えて力強く生きる人々の姿が、私たちにたくさんの反省と勇気を与えてくれます。また時代を越えて変わってしまったもの、変わらないものが心に響きます。他人を思いやる心、誰かのために努力する幸せ、親への尊敬と感謝、他人とまっすぐ向き合う姿勢、どれも今の私には足りないと感じます。ドラマは、いろいろな人生を少しずつ経験できるのが魅力だと思います。人生は一回きりだけど、ドラマを通じて時を越え、空間を越え、主人公の人生を生きることができるからです。(東京・高校3年・女子)

  • 【自由記述】

    • 今期のドラマでは 『小さな巨人』(南日本放送/TBSテレビ)が 、セリフがいちいちカメラ目線だったりしてカメラの撮り方が面白いです。見ている人が喋りかけられているような感じで、迫力があります!『CRISIS(クライシス) 公安機動捜査隊特捜班』(鹿児島テレビ/関西テレビ)は 逆にカメラをカットしないで撮影していて こちらも面白いです。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 家族で必ず見ているアニメは『名探偵コナン』(鹿児島讀賣テレビ/讀賣テレビ)です。毎週 ドキドキしながら見ています。コナンではよく、昔のアニメを普通に再放送していますが、昔の物の方が映像が生々しくて怖かったりして面白いです。(鹿児島・中学2年・女子)

    • 『サタデーらじらー!』(NHKラジオ第1)8時台が放送100回目を迎えました。100回もの放送ができたこの番組はすごいなと思いました。時に親身に、そして面白く、私は大好きです。(山口・中学2年・女子)

    • 高校野球の話題で、ある選手の取り上げ方に違和感を覚えることがあります。ニュースを見ているとその選手は確かに優秀な成績を挙げていますが、そのチームの他の選手も活躍している場面があるのに、放送ではほとんどその選手だけが取り上げられていました。注目するのはいいのですが、やりすぎると「またか」となり、その選手が苦手、または嫌いになる人が出てしまうのではないかと思いました。(愛媛・高校2年・男子)

    • 他のモニターの意見を読み、「朝のニュースと同じ時間帯に、若者向けにニュースの背景や意図の解説を交えたニュースをやると、年齢を問わず朝にある程度時間がある人に人気が出るのでは」という意見に共感しました。朝の情報番組は学校でも話題になるので、議論のタネを蒔き、問題提起をすることは若者の意識を喚起する機会となると思います。(東京・高校3年・女子)

  • 【青少年へのおすすめ番組について】

    • 『SWITCHインタビュー 達人達』(NHKEテレ) 一時期一世を風靡したピコ太郎に、こんな下積み時代があったとは知らなかった。田原総一朗×古坂大魔王という意外な組み合わせでの「音楽とお笑い」についての議論では、田原が古坂大魔王の「かっこいい音楽」と「かっこ悪いことをするお笑い」の定義を聞き出していて興味深かった。(東京・中学2年・男子)

    • 『ライオンのグータッチ』(関西テレビ/フジテレビ) バトミントンをしていた男の子は、出された宿題をしっかりこなし、2回目の練習で成長していたのがすごいなと思いました。努力すればできるようになると改めて思いました。でも、MCの人たちのコメントが当たり前のことしかなかったのが残念でした。(滋賀・中学2年・女子)

    • 『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ愛知/テレビ東京) 出川さんの面白さとまわりの人のやさしさが伝わって、見るのが楽しいです。この番組を見ていると、見ているこっちの元気が充電される、そんな気がします。(愛知・高校2年・女子)

    • 『SWITCHインタビュー 達人達』(NHKEテレ) ジャーナリストの田原総一朗さんと古坂大魔王の対談は本当に面白く、学ぶことが多くありました。「世の中には中立は無いのだから自分の立場は明解にしていい」「欠席裁判はしない。批判は面前でする」「ドキュメンタリーは相撲と同じ。土俵を徹底的につくり、あとは本番。本番に手を加えたらそれはやらせ」などの言葉が印象的でした。「一分間でも世界の人々の笑顔をつくることで平和に貢献したい」という古坂さんの言葉も胸に響きました。(東京・高校3年・女子)

◇中高生モニター会議について◇

7月25日に開催予定の中高生モニター会議について、会の流れや議論するテーマなどを担当委員らが説明し了承されました。

調査研究について

前回委員会で大筋了承された「青少年のメディア利用に関する調査票」の最終版が委員会に提出され、若干の修正について担当委員から説明があり、内容が確定しました。今後、9月の調査実施に向けて諸手続きを進めることとなりました。

今後の予定について

  • 今後の日程を次のとおり確認しました。6月30日、松江市にて意見交換会(山陰地区)。10月24日、静岡市にて意見交換会(静岡地区)。