青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第175回

第175回–2015年11月24日

テレビ東京『ざっくりハイタッチ』の審議「委員会の考え」を公表することで審議を終了…など

11月24日に第175回青少年委員会を、BPO第1会議室で開催しました。7人の委員全員が出席しました。まず、前回から継続の1事案について審議しました。次に、10月16日から11月15日までに寄せられた視聴者意見を中心に意見を交わしました。そのほか、11月の中高生モニター報告、今後の予定について話し合いました。
なお委員会に先立ち、在京7社25人と委員との「インターネット情報の取り扱いについて」をテーマにした意見交換会・勉強会を開催しました。【詳細はこちら
次回は12月22日に定例委員会を開催します

議事の詳細

日時
2015年11月24日(火) 午後4時30分~午後6時20分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、川端裕人委員、菅原ますみ委員、緑川由香委員

テレビ東京『ざっくりハイタッチ』の審議

●「"赤ちゃん育児教室"と題し、芸人がおむつ着用で寝転がり、そのおむつを脱がせたり(画像処理はしてある)、セクシー女優がローションで刺激させ男性器を反応させたりしていた。こんな下品なことを公共の電波で流すことはひどい。育児とは苦労の連続であり、子育てとエロ・下品を結びつけないでほしい」という視聴者意見があった『ざっくりハイタッチ』(テレビ東京、9月12日25時15分から30分間)について前回審議入りし、当該局に11月9日付で質問状を送り回答を求めました。今回、11月18日付で提出された「回答書」を基に審議しました。委員からは次のような意見が出ました。

  • 深夜番組での仲間内の悪ふざけだ。視聴率も高くなく青少年に悪い影響を与えるとも思われない。相当程度に下品ではあるが、「表現の自由」を考えた時に価値判断にかかわることに関しては謙抑的でありたい。これ以上段階を進める必要はない。
  • 過去の類似シーンに関する “青少年委員会の指摘"を全く知らなかったのは問題だ。
  • なぜこのような番組が作られたのかそのプロセスを知りたいと思った。かなり多くの人が録画視聴しているという現状を考えれば、深夜だから許されるとは一概に言えない。社内での議論を深め具体的な行動を示してくれれば、これ以上審議の必要はない。
  • 類似事例が過去にあったのに、考査担当者が失念していたというのは脱力感を覚える。
  • 局側の担当者が何人いてその責任体制がどうなっているのかがよく分からない。
  • 品が有る無しに関しては個々人の受け取り方だ。制作に携わったプロダクションの人たちが、これまでの"青少年委員会の指摘"を共有していなかったことと、現場は何でもやりたいもので、それを管理する立場にある人が歯止めをかけられなかったところに問題がある。
  • 番組制作における当該局のイニシアチブが弱いのではないか。番組制作のプロセスに考えるべき点がある。

審議の結果、「委員会の考え」を公表することで審議を終了することにしました。【詳細はこちら

視聴者意見について

●ドッキリ番組で「X線検査のためのバリウムにウオツカを入れて飲ませていた」という視聴者意見について話し合いました。「もし本当にウオツカが入っていたら医療関係者は許可しないはずだ。逆にウオツカが入っていなかったとすれば番組制作上問題がある」「医学的な問題もあるが、視聴者にはウオツカ入りのバリウムを飲んだように見える。見ている人たちがどう思うかが問題だ」などの意見が出ましたが"ボーダーライン上の演出だ"として討論には入らないことにしました。

中高生モニター報告について

11月の中高生モニターは、「この半年の間に見た番組の感想(ドラマ・アニメ)」というテーマで書いてもらい26人から報告がありました。
連続テレビ小説『あさが来た』(NHK)に関して複数のモニターから、とても面白く、毎朝楽しみに見ているという報告が寄せられました。「実在の人物のストーリーだから歴史の勉強にもなるし役者さんの演技もうまいから、毎朝学校へ行く前にとても楽しく見ている」(東京・中学1年女子)。「お互いを思いあう主人公姉妹の気持ちがとてもよく表されていて、それぞれの未来を信じ奮闘する姉妹の今後を楽しみに期待して毎日見ている」(京都・中学2年男子)。
また、人気ドラマを支持する意見も寄せられました。『下町ロケット』(TBSテレビ)…「見ていてとても頑張ろうという気持ちになれる。夢に向かって大きな壁に果敢にぶつかっていく姿は本当にかっこいい。日本を支えてきた中小企業の未来について真剣に考えてみるいい機会になると思う」(神奈川・高校2年女子)。『科捜研の女』(テレビ朝日)…「科学捜査をテーマにしたいつ見ても面白い番組。専門的な内容も頻繁に登場するが、図やCGなどを使って丁寧に説明されている。全体を通して分かりやすく飽きさせないような多くの工夫が伝わってくる完成度の高い番組」(岐阜・高校2年男子)。
アニメに関しても温かい報告が寄せられました。『ちびまるこちゃん』(フジテレビ)…「日曜日の夕方は何となく嫌な気分になるけれど、この番組を見ている間は、楽しくいやされます。これからもずーっと見たいアニメです」(宮城・中学3年女子)。『Free!』(新潟放送)…「素晴らしい特徴がいくつかある。まず、スポーツアニメなのに人間関係や絆に焦点を当てている点。次に映像の美しさ。このアニメを見ると他のアニメが見られなくなるほど美しい。次にキャラクターの描き方。細かく性格が設定されていて人間味があり、いとおしい。とにかく演出が素晴らしく、カメラのアングルや焦点の当て方、小物の色や花言葉使い、BGMに至るまで登場人物の心情をあらわす工夫に満ちている」(新潟・高校2年女子)。
今回は自由記述欄で、最近の報道内容を受けて、BPOの活動やテレビ番組全般に関する意見を書いてくれたモニターもたくさんいました。「新聞の一面トップにBPOのことが載っていたので、僕もモニターとして興味深く読んだ。政府・与党が介入したことに対するBPO側からの意見がこれだけ大きくとりあげられたのは今回が初めてではないか。僕たち世代がテレビから受ける影響はとても大きい。だから、番組制作者は今後も圧力に屈せず放送の自由と自律を守ってほしいし、もちろん過度な演出で事実を歪曲させたり個人を傷つけたりすることのないようにしてほしい」(東京・中学3年男子)。「この前『学校へ行こう』(TBSテレビ)を家族みんなで見た。とにかく面白かった。昔はいい意味でむちゃくちゃな番組が許されていたことを羨ましく思う。だんだんテレビの内容が安全面とか規制とかを気にし過ぎてつまらなくなってきている。私は昔のような新鮮味があって斬新な番組が見たい」(埼玉・中学2年女子)。

■中高生モニターの意見と委員の感想

【委員の感想】ドラマ、アニメがテーマということで、強く支持する意見がある一方で手厳しい批判も見られた。

  • (埼玉・中学2年女子)『恋仲』(フジテレビ)。王道ラブストーリーで確かに私たちと同年代の女子が好きなドラマではあったが、展開や結末がありきたりで新鮮味が感じられないとも思った。大体の内容が読める展開だった。
  • (愛知・高校2年男子)『花燃ゆ』(NHK)。吉田松陰の死後は、残念ながら現代的な脚色が強い感じがして、見ていてわくわくする場面がだんだん減ってしまった。替わって主人公となった吉田松陰の妹、久坂美和が有名でないから資料が少なく脚本家による演出が強くなってしまうのだろうか。また構成はといえば、例年同じで、頭に1分ほどの導入部、次にオーケストラによるオープニングとスタッフクレジット、それからドラマ本体、終わりが次回予告、最後に関連する名所・史跡案内で終わる。大河ドラマの歴史が長い分、番組の流れがテンプレート化しているようで、進歩を感じさせない。

【委員の感想】今回はほとんどの報告をとても楽しく読んだ。自由記述欄にも読みごたえのある意見が多数あった。

  • (神奈川・中学1年女子)最近、ネットの動画をそのまま紹介する番組が多くなってきている。なかには、いかにも「これは嘘でしょ…」というような物を本物であるかのごとく紹介している場合もある。公のテレビ番組という立場からは、取り上げるネタは果たして視聴者皆に見せることに適しているのかどうか考えてもらいたい。
  • (神奈川・高校2年女子)現在どの時間帯に何を放送するかの大枠は決まっているようですが、これを取っ払ってみてはどうでしょう。たとえば、17時から19時の枠はどこもイブニングニュースショーをやっています。テレビ離れなんて言われることもありますが全くそんなことはないと思います。ただ、見たいものが見られる時間にやっていないから、テレビ以外のものへ興味が行ってしまうのです。時代に合わせて今までのものを変えるという流行り(はやり)な感じは、私は正直苦手ですし何でもかんでも変えることはないと思います。でも、従来の決まったものを壊していくというのも嫌いではないです。

●【委員の感想】ドラマ番組を温かく評する一方で、テレビ番組制作現場の"ゆるみ"を鋭く指摘している報告には、ハッとさせられた。

  • (福岡・中学2年女子)『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』(フジテレビ/テレビ西日本)。好きなアニメの実写化だったので不安な気持ちで見たが意外に良かった。身近な他の人の感想も良かったというものが多かった。俳優陣の熱演が良かったと思う。全員名前も知らない新人の俳優だったが一生懸命さが伝わってきて感動した。今のテレビは同じ人ばかりで見る気がしない。1週間のうち何度も同じ司会者、同じ俳優、バラエティーのゲストもいつも同じ人。見飽きた。

●【委員の感想】マルチデバイスと連動した、新しいシステムを含んだ番組を挙げたモニターもいた。

  • (神奈川・高校2年女子)『HiGH&LOW』(日本テレビ)。今季のドラマでまだ三話しか放送されていないが、映像のクオリティーが高くアクションもとても迫力があって面白い。また、Instagramと連動しているという新しい企画でもあり、携帯を眺めながらドラマを見る、というのがとても楽しくていい。

●【委員の感想】物語の展開を長い時間をかけて、じっくり丁寧に見たいというモニターがいた。潜在的にそういう欲求を持っている視聴者は多いのではないか。

  • (長崎・高校1年女子)ドラマやアニメなど、昔は1クールに収まらないものも多くあったという。今は、NHKの朝ドラを残して、他の局のドラマはすべて1クールである。朝ドラの視聴率が毎回高いのは、やはり主人公の人生を子どもの頃から追うことができるし、一人一人の生き方をクローズアップできるため、視聴者である私たちも主人公たちに親近感が湧くからだと思う。1クールのドラマは、物語の初めから結末までの展開が目まぐるしく、主人公については掘り下げることができるが、他の人物についてのストーリーがほんの少ししかないので、身近に感じることができず、あまり登場人物たちが迎えるその後への興味がそそられない。また、現在でも、人気のある作品は間を空けて続編が放送される場合もあるが、あまりに時間が空きすぎているため、もともと見ていた視聴者をリピーターとして確保できないのである。

今後の予定について

  • 10月30日に、立命館守山高校の1年生と2年生およそ300人と、青少年委員会から汐見委員長、最相副委員長、稲増委員、朝日放送からテレビ制作・ラジオ・報道担当者とアナウンサーが参加して「青少年との意見交換会(立命館守山)」を開催しました。司会を担当した稲増委員は、「高校生と放送局と青少年委員の三者による意見交換は、初めての試みであり良かったと思う。バラエティー制作者の話は説得力があって面白かった。高校生にいきなり放送について意見を語らせるのはちょっと難しかったかもしれない。今後はもっと少人数での対話でも良いかもしれない」、最相委員は「ラジオを聴いている人がほとんどいなかったのはショックだった。ラジオはリスナーや出演者が番組とともに成長していくものだ。ラジオの良さをもっと知ってほしい」、汐見委員長は「タブレットを使いながらの意見交換というとても貴重な体験ができた。今後もメディアリテラシー構築の一環として続けていきたい」とそれぞれ感想を述べました。【詳細はこちら

その他

  • 11月6日に検証委員会が通知・公表した「NHK総合テレビ『クローズアップ現代』"出家詐欺"報道に関する意見」についての報告とその後の反響について事務局から説明がありました。