青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第174回

第174回–2015年10月27日

テレビ東京『ざっくりハイタッチ』の"芸人のおむつ交換の企画"など審議入り…など

10月27日に第174回青少年委員会を、BPO第1会議室で開催しました。5人の委員が出席しました。まず、9月16日から10月15日までに寄せられた視聴者意見から、1案件について討論し審議入りすることを決めました。そのほか、10月の中高生モニター報告、調査研究、今後の予定について話し合いました。
次回は11月24日に在京局との意見交換会・勉強会と定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2015年10月27日(火) 午後4時30分~午後6時45分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、菅原ますみ委員

視聴者意見について

●「"赤ちゃん育児教室"と題し、芸人がおむつ着用で寝転がり、そのおむつを脱がせたり(画像処理はしてある)、セクシー女優がローションで刺激させ男性器を反応させたりしていた。こんな下品なことを公共の電波で流すことはひどい。育児とは苦労の連続であり、子育てとエロ・下品を結びつけないでほしい」という視聴者意見があった『ざっくりハイタッチ』(テレビ東京、9月12日25時15分から30分間)について委員全員が番組を視聴し討論しました。委員からは次のような意見が出ました。

  • 深夜の時間帯ではあるが、人気芸人が出ているだけに、録画やネットで子どもたちが見ることもあるだろう。子育てを愚弄しているとは感じなかったが、不快感が残る。女性のマッサージのシーンは性的な問題があると思う。
  • やり過ぎとしか言いようがない。テレビ局は面白ければ良いと考えているのだろうか。子どもたちのいじめにも繋がる可能性がある。
  • 不快で、下品な番組だと思った。しかし青少年委員会で主観的な判断部分の線引きができるかどうかは難しい問題だ。ただ、社会的に悪影響があると考えるなら何らかの形で注意を促す必要はあると思う。
  • 芸人同士のおふざけをテレビで放送する場合、テレビ局がどれだけコントロールできているのか。また、このような内容の番組を放送することは放送局のイメージダウンに繋がると思うが、どのような経緯で企画・制作・放送されたのか聞いてみたい。
  • このような放送を続けていると、やがては公権力が介入し自由な番組作りができなくなる恐れもある。以前「中年男性のおむつ交換シーン」に関して"委員会の考え"を公表しているが、その時よりひどい内容になっている。当該放送局は青少年委員会のこれまでの審議をどう捉えていたのだろうか。聞いてみる必要がある。

討論の結果、審議入りし質問状を当該放送局に送って回答を求め、次回委員会から実質審議に入ることにしました。

●「ぬいぐるみのウサギを幼児が殴るアニメがあった。子どもが怖がっていた」という視聴者意見があったアニメ番組について話し合いましたが、全体として問題はないと判断しました。

中高生モニター報告について

今回は、9月と10月の中高生モニター報告を掲載しています。
まず、9月の中高生モニター報告は、「番組企画を考えてください」というテーマで書いてもらい29人から報告がありました。様々な企画を中高生ならではの視点から考えてくれました。
今回目立ったのは、TwitterやLINEなどSNSを駆使して多くの情報を取り、双方向で視聴者が生で参加できる番組が見てみたい、という意見でした。「『双方向クイズ クイズタイムトラベラー』…視聴者も参加できる「双方向番組」である。少し前まではよく放送していた双方向番組だが、なぜか今はあまり企画がない。私は放送されたら是非見るし、参加する」(鹿児島・中学3年女子)。「『朝の15分ニュース -LIVE ライブ-』…TwitterなどのSNSと連携して、視聴者の意見をリアルタイムで番組制作サイドに届けられるようにすることで、番組の良い点、悪い点を次回の放送に活かしていくような番組」(埼玉・中学3年男子)。「『家族みんなで!世界のテーマパーク巡り』…毎週、家族で楽しめる世界のテーマパークを巡り、有名な所から、そうでない所まで幅広く紹介する。また、毎回Dボタンを使って視聴者参加型クイズを行う。赤青黄緑の四択で、一番投票数の多かった答えを視聴者の答えとし、その正解数で泊まるホテルのランクが決まる」(千葉・中学2年女子)。
また、大変ユニークな企画も寄せられました。「『これって、何のためにあるの?~モノの表記編~』…私が作ってみたい番組は、ジュースや牛乳、お菓子の袋などに記入されている"表記"についてです。それぞれ違う表記を集めてその意味を映像と共に伝えていくという内容です。家族で一緒に見て楽しめる番組がいいです」(兵庫・中学1年女子)。「『Hello, World!』…Android やIOSのモバイルアプリ開発やWebサービス、映像編集やゲーム開発などを学べる番組があるといい。アプリなどの作り方を伝えるだけでなく、視聴者が作ったオリジナル作品を番組内で紹介したり、必要に応じて素材を番組ホームページで配布したりするなどして、オリジナルの作品を作りやすくする」(岐阜・高校2年男子)。「『動画の裏側』…いつも見ている動画がどんな機材を使い、どのような工夫をして動画を撮影しているのかを、細かな説明つきで教えてくれる番組。いつも見ている動画が、用意や撮影にどれだけ苦労しているのか、どれだけの費用が掛かっているのかを知りたくなったのでこういう番組を考えた」(千葉・中学1年男子)。

■中高生モニターの意見と委員の感想

【委員の感想】いい企画がたくさんあった。とても面白く読んだ。昭和の歌手とそのヒット曲を振り返ることによって昭和という時代を表現する企画などは秀逸だった。

  • (東京・中学3年男子)タイトル:『天国からの歌声~(1)村下孝蔵』
    内容:既に亡くなった昭和の歌手をヒット曲と共に振り返る音楽&トーク番組。
    司会:TBS安住伸一郎アナウンサー。ゲスト:取り上げる歌手ゆかりの著名人。
    "昭和の歌"の素晴らしさをこれからの世代に知ってほしいと思ってこの番組を考えた。間延びしないよう30分番組として、歌の持つ魅力をストレートに伝えたい。

【委員の感想】インターネットの世界の裏側に入り込む企画がとても良かった。全体的に、子どもたちがとても新鮮な視点を持っていることが分かった。

  • (千葉・中学1年男子)タイトル:『動画の裏側』
    対象は小中高校生。放送時間帯は19時から20時。キャスターはHIKAKIN、SEIKIN、はじめしゃちょー~。
    いつも見ている動画の作成現場に踏み込み、内情を明らかにする番組。10分程度の動画にどれくらいの撮影時間がかかっているのかを4択クイズで視聴者が予想するコーナーも作る。この3人はユーチューバの中でもメジャーで小学生にも人気がある。

●【委員の感想】大多数の「普通」の人の生活が見たい、平均的な姿を紹介してほしい、という中高生ならではの等身大の企画が目立った。若い世代の悩みを生放送で募集して番組に参加させる企画や、学校を舞台にした企画などが複数寄せられた。

  • (東京・中学1年女子)タイトル:『内村さんの学校訪問!』
    対象は学生。放送日時は日曜日の正午から。キャスターは内村光良など。
    内村さんが色々な学校(小、中、高校、大学、専門学校、教習所など)に来て、一日生徒になってみんなと一緒に授業を受けたり遊んだりする。学校の特徴や面白い部活などを紹介する番組。

●【委員の感想】大学のゼミで毎週番組企画を学生に作らせているが、それと比べて遜色ない優れた企画が多かった。なかでも生活の実体験から出た小さな発見、物の"表記"を取り上げるという中学1年生の企画は素晴らしい。

  • (兵庫・中学1年女子)タイトル:『これって、何のためにあるの?~モノの表記編~』
    品々の特徴によって書き方の印刷表示が異なるため、それぞれ違う表記を集めてその意味を映像と共に伝えていくことによってその大切さが分かるバラエティー番組。

●【委員の感想】正直に言って一つも見たい番組はない。番組の制作企画を現場でやっていた経験からすると、どれも実現するのが難しい企画ばかり。実際に番組にするには高いハードルがありそう。

●【委員の感想】次にテレビを支える人材を発掘する番組企画には心ひかれた。テレビ離れの中、視聴者にも加わってもらい才能ある人材を発掘するという発想は面白い。

  • (青森・中学3年男子)タイトル:『ニュー・スター発掘隊』
    10代から30代を対象とする。放送日時は19時から20時。キャスターは、くりぃむしちゅう、ナインティナイン、ネプチューンなど。
    若手の芸人さんやミュージシャンに自分の発表をしてもらい、プロから講評を受ける。1年に1度最優秀をとった人たちを集めてチャンピオンを選ぶ。この選考には視聴者にも加わってもらい、視聴者のニーズにあった人を発掘する。

●【委員の感想】多くの中高生が、参加型、双方向の番組を求めているようだ。自分たちが考えていることを発信して社会を作っていく道具としてテレビを見ているのではないか。情報を一方的に送る送り手としてのマスメディアと受けるだけの受け手としての視聴者の関係から、個々人がインターネットで自分の考えを発信する社会に移行し、また、その先の世代の社会におけるテレビというマスメディアのあり方を示唆し、問いかけているように感じた。

■モニターの企画書に対する在京局の現場の方から届いたコメント

・(神奈川・高校2年女子)タイトル:『キョウカイのキョウカイ線』

キャスター他:(MC)華丸大吉さん、南キャン山里さん、小藪さん。(レギュラーゲスト)坂上忍、有吉弘行、アンタッチャブル山崎、バカリズム、おぎやはぎ小木。
番組内容:バラエティー。
日本に数多くある「○○協会」(日本コナモン"粉物"協会、日本ツインテール協会など)を調査し、その協会のディープな世界に触れる。最後に出演者に、この協会は必要か必要でないのかの境界線をひいてもらう。

日本テレビ 制作局チーフ・プロデューサーの感想 (担当番組『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』)

ハイレベルな企画が多く驚きました。実用性のある番組、ショートコンテンツを意識した番組など、テレビ番組に「情報」「双方向性」を求める傾向がありました。『キョウカイのキョウカイ線』は、コンセプトが非常に明確で、深夜の時間帯で即見たいですね。企画には、実際の「情報」に基づくものと、「フィクション」の2つに大別されますが、コント要素のある、無から作り上げるバラエティー企画も是非考えていただきたいジャンルです。

TBSテレビ 制作局制作一部プロデューサーの感想

民放制作者はよく「身の回り5m以内のモノに視聴率はある」といいます。映像編集やアプリといった中高生にとって「手の届く範囲の好奇心」を取り上げた企画が多数ありましたが、なかでも商品表示の意味を探る企画は身近な意外性という視点が秀逸でした。一方で手の届く現実ばかり描きがちな昨今のテレビですが、自戒の念も込めて、次世代を担う皆さんには、是非「手の届かない未知の世界」にワクワクするような企画も期待したいですね

・(長崎・高校1年女子)タイトル:『わらいっぱつ!!!』

夜11時以降の30分番組。1回につき、4組の一発屋(NEXTブレイクもしくはまだ無名)or素人・中堅・大物の過去ネタを拾うのも可!。1組目から視聴者のネット、Twitter投票開始。4組目終了後、みんなの「見たい!」が一番多く集まった人のネタを最後にもう一度見せる。芸人がのびのびと芸人らしくあることのできる番組。

フジテレビ 編成制作局バラエティ制作センタープロデューサーの感想(担当番組『ネプリーグ』『バイキング』)

今回、皆さんが求めている番組の多くは、「視聴者がリアルに参加できる番組」「視聴者も参加できる"双方向番組"」「出演者が一般人のリアルな番組」「Twitterなどで視聴している人たちがどんどん参加して、意見の言える番組」「Twitter やFacebookなどのSNSを活用し参加する番組」であり、テレビは見るためだけのものではなく、自ら参加し共に作るものだと考えているんだなと、改めて実感しました。数年前にはなかったSNSをうまく使いながらのテレビ視聴が中心になっている番組こそが、中高生の皆さんにはごく自然で当たり前の風景であることも再認識し、新たな番組作りへの意欲が湧いてきました。また『わらいっぱつ!!!』は、とてもシンプルでありながら笑いや芸人さんに対する愛が伺え、もう一度原点に返っての番組作りは大切だと思いました。実際今ネタ番組が見直され、始まっています。その中で新しい切り口がみなさんの新鮮味あふれる発想と情熱で見つけられると、素敵な新しい番組の誕生になると思いました。

・(神奈川・中学1年女子)タイトル:『ティーンリアル』

双方向で視聴者がリアルに参加できる番組が見てみたい。生放送の番組内で、若い世代の悩みや質問などをリアルタイムで募集して、電話やTwitterなどで視聴している人たちがどんどん参加して、意見の言える番組が面白いと思う。大人が作り上げた番組内容ではなく、今を生きている若い世代の生の声が聞けると思う。

NHK 制作局青少年・教育番組部チーフ・プロデューサーの感想(担当番組『Rの法則』など)

企画書を拝見し、みなさんがテレビを通じて「ためになる情報を得たい」「家族と楽しく時間を過ごしたい」と思っていることが、まず強く伝わりました。それはテレビ本来が持つ役割を的確につかんでいることを意味します。それを踏まえ、それぞれ企画した見せ方には工夫があり、感心させられました。特に『動画の裏側』『ティーンリアル』『かぞくみんなで!世界のテーマパーク巡り』『クイズタイムトラベラー』『わらいっぱつ!!!』など、データ放送やSNS を用いた双方向の演出企画は、これからのテレビの可能性をより深く考えていると思います。

・(愛知・高校2年男子)タイトル:『みんなでつくる学校』

ツマラナイ、メンドクサイことも多い「授業」。どうすれば、もっと楽しく面白く、そして価値のある学びができるものとなるか。中高生が自由な発想で楽しく学べる「理想の授業」を企画し、学校の先生に提案する。学校の先生と生徒が一体となって授業を企画し実際に行う。従来の講義型形式にとらわれず、もっと生徒が参加して楽しいと感じることができるような授業を生み出す。その事例を学校の先生には今後の授業づくりに活かしてもらう。

・(山梨・高校2年男子)タイトル:『今日の百科事典』

番組のコンセプトは"人生を豊かにする5分間"。毎日日替わりで様々な分野の教養をテーマとして取り上げ、各分野の専門家にその概要を説明してもらうというもの。放送時間帯はゴールデンタイム終盤の5分程度(『世界の車窓から』のようなイメージ)。内容は大人から子どもまでその分野の知識が全くない人やこれから勉強しようとしている中高生にも、わかりやすいものとし、全年齢を視聴対象とする。

テレビ東京 制作局プロデューサーの感想

企画書の中に「家族みんなで!世界のテーマパーク巡り」「みんなでつくる学校」など「みんなで」番組作りに参加していく番組が多数入っていたのが印象的でした。SNS全盛時代に、中高生の皆さんにも同じ時間と体験を多くの人と共有するツールとして、テレビを認めていただいているのかもしれない、と可能性を感じました。「ティーンリアル」や「クイズタイムトラベラー」も面白くなりそうな企画ですね。また、日頃長時間の番組ばかり作っている身としては「今日の百科事典」のような高品質なミニ番組を作ってお届けすることは、一つの夢でもあります。テレビ版の"春秋""天声人語"というアイディアはとてもよいと思います。

テレビ朝日 総合編成局制作1部 統括担当部長の感想

中高生の皆さんから提案された企画を見てまず思うのは、プロである現役テレビマンから提出される企画と根本的にほぼ変わらないなあ!ということです。若手のタレントさんが何かを調べたり、だれかを手伝ったり、いわゆる"汗をかく"企画を複数の方が提案されていました。こういったものが古くもならなければ、飽きられもしないのがテレビの本質です。我々が中高生だった時には考えもつかなかった点は、ネットの動画やSNSを使用した双方向性のある企画などです。新しいものを追い求めるのは、若者とテレビの常でこれもまた一つのテレビの本質であるのかもしれません。何をすれば"だれもまだみたことが無い"企画になるのか?永遠のテーマです。しかし、そういう企画は何らかの問題があるから放送されなかったはず。中高生のみなさんには自由な発想で思いついた斬新な企画が"なにをクリアすれば実際かたちになるのか?"を考えてほしい。テレビに限らず、将来皆さんがかかわる仕事のほとんどがそんな発明の積み重ねでできているのかもしれません。

10月の中高生モニター報告は、「最近見た番組の感想(報道・情報・ドキュメンタリー)」
というテーマでリポートを書いてもらい27人から報告がありました。
好きな番組に対する暖かい報告がいくつかありました。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)…「司会のウッチャンが明るく面白くしゃべってくれるのが、僕の好きなところです。こういう子どもが見ても面白いと思える情報・報道番組がこの先増えていったらいいなと思いました」(千葉・中学1年男子)。『NHKスペシャル"ジョーズ"の謎に挑む~追跡!巨大ザメ~』(NHK)…「この番組には、本当にドキドキわくわくさせられた。まるで映画を見ているような迫力を感じた」(兵庫・中学1年女子)。『情熱大陸』(毎日放送)…「私はこの番組が大好きです。今まで知らなかった職業、知識、情報などをこの番組を通して知ることができます。視野がとても広がります。将来のことについても考えるようになりました」(埼玉・中学2年女子)。『密着 市川染五郎in Las Vegas』(NHK) …「伝統芸能と最新の技術の融合を目指して奮闘する姿がすごかった。最初は失敗が多くそれでもあきらめずに挑戦し、最後、大成功で拍手喝采を浴びたところは鳥肌が立った」(福岡・中学2年女子)。『U-doki』(宮崎放送)…「地元のニュース情報番組。エンタメ、グルメ、トレンド、天気などたくさんの内容が満載です。私は"ヒューマン"という宮崎出身で県外の様々な業界で活躍されている方を紹介するコーナーが地方の番組ならではの企画で、とてもいいなと思います。土曜日の夕方、家族でホッとできる時間を作ってくれるこの番組が大好きです」(宮崎・高校1年女子)。
一方で、今回も、番組内容に対する厳しい意見が寄せられました。「『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ)とか、『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ)とか、『水曜日のダウンタウン』(TBSテレビ)などは、下品であるだけでなく、"イジメ助長番組だ"と、みんな言っています。こんな愚劣な番組を恥ずかしくもなく放送する大人の学力低下は極めて深刻です」(富山・中学1年男子)。『ZIP!』(日本テレビ)…「私はスタジオの出演者が異常に多いところが気になる。何のためにいるのかよく理解できない。こんなに人をスタジオに集めて出演料を払っているのであれば、その経費をロケに回すなどしてより豪華な番組にした方がいいと思う」(千葉・中学3年女子)。
また、安易な制作姿勢への意見も寄せられました。「最近、YouTubeなどに投稿された動画を集めた番組をあちこちのテレビ局でやっている。投稿された動画に頼るのではなく、自分たちで企画し制作した番組がもっと見たい」(千葉・中学2年女子)。「秋の番組改編時の特番で気になったのは、仰天映像や恐怖映像などの動画を寄せ集めて、スタジオでタレントが見ながらコメントする番組が多かったことです。YouTubeなどに一般人が投稿したような映像を頼りに番組を作るのはちょっと手抜きな感じがします」(東京・中学3年男子)。
『バース・デイ』(TBSテレビ)…「フィギュアスケート選手の浅田真央さんについての短いドキュメンタリー。こんなに内容が薄くてつまらない番組は見たことがありません。他の番組からとってきた映像をつなげただけで、しかもその映像を繰り返し放送しているだけでした」(神奈川・高校1年女子)

■中高生モニターの意見と委員の感想

●【委員の感想】最近の報告を読むと、モニターの文章や見方に個性がはっきり出てきたように思う。かなり激しい意見を寄せてくるモニターもいる。

  • (富山・中学1年男子)『サンデーモーニング』(TBSテレビ/チューリップテレビ)に対して「反日に偏向した悪質な報道番組だ」と言う友だちが多い。日本の情報番組の一部は政治的なプロパガンダの場になっているのではないか。平成生まれの日本人が世界で不当な不名誉を背負わないように、まともな番組を制作してほしい。

●【委員の感想】マニアックな番組をまじめに真正面から視聴している。いい報告を寄せてくれている。

  • (岩手・高校2年女子)『ニッポン戦後サブカルチャー史II』(NHK Eテレ)。他の番組には見られない構成で、視聴者自身も出演する受講生の一員になった感覚で見ることができ、自分の考えを持ちやすくなる。風間俊介さんら受講生として出演する3名が、ただ講義を聞くだけでなくしっかり意見を持っていることもこの番組の重要な要素だ。

●【委員の感想】私も大変鋭い見方をしているモニターが多いと感心した。番組を分析するだけでなく、陥りやすい危険性にも触れている。

  • (愛知・高校2年男子)『クローズアップ現代』(NHK)。この番組で重要なのは狙いの設定とキャスターの専門家に対する問いの投げかけ方である。毎回はっきり決められた具体的ねらい、質問は視聴者に分かりやすくしかもねらいに沿うよう工夫されている。その一方でこれら2つの要素は危険性もはらむ。抽象的な質問→具体的な質問→全体をまとめた抽象的な質問という流れで行く構成は、方向性がずれてしまった場合、何が言いたいのかがかすんでしまう。同時に、例えば政治的なことに番組を利用できるようになり、公平性が確保できなくなる恐れも出てくるのではないか。

●【委員の感想】番組の中にはきちんと数字の意味が把握できてないニュースを流していたり、間違った統計の数字を比較したりしていることがあるが、内容の矛盾点をしっかり指摘する報告があり、頼もしいなと感じた。

  • (岐阜・高校2年男子)『ほっとイブニングぎふ』(NHK)。岐阜県内の地域別「田園型交通事故」発生件数を紹介していた。単純にその数のみを比較していたのには疑問を呈したい。その地域の自動車の登録台数に対する交通事故発生率を比較するなどの方法をとらないと正しい結論には行き着かないはず。統計データなどの数値を使って説明する時は1つだけの要因でなく、考え得る全ての要因を勘案して説明を導き出すべきではないか。

●【委員の感想】番組内の表示方法や音声の大きさに対して意見があった。

  • (長崎・高校1年女子)『ZIP!』(日本テレビ/長崎国際テレビ)は、白と黄色を基調にしたテロップが見づらい。誰にとっても見やすい、ユニバーサルデザインのような番組作りを皆で追及してみては?
  • (滋賀・高校2年女子)最近の番組はどれも効果音やナレーターやトークの声が大きく、いろいろな色を使ったテロップが表示されていて、番組を見ても疲れがとれた気がしない。もっとのんびり楽しく見られる番組を作ってほしい。

●【委員の感想】遺跡に大きな関心を持っているモニターが、関連した番組を比較し感想を述べている。

●【委員の感想】回を追うごとにモニターの見方が鋭くなり、深く掘り下げた内容の報告が多くなった。

  • (東京・中学3年男子)ドキュメンタリー番組は圧倒的にNHKで放送されるものが、内容が濃く面白い。なかでも気に入っているのが『地球ドラマチック』です。しかし残念なことにこれは日本のテレビ局が制作したものではないのです。『世界ふしぎ発見!』(TBSテレビ)はテーマによっては面白いが、クイズのやり取りなどの時間が長く掘り下げ方が弱い。かといって『世界遺産』(TBSテレビ)のようだと美しい映像がメインなので、環境ビデオのようにさらっと流してしまう。『NHKスペシャル』は回によって政治や社会問題などがテーマの時も多く堅苦しいイメージで毎回見る気にはなれない。1つのテーマでじっくり取材した、見応えがあって楽しめる番組を作ってほしい。

●【委員の感想】自由記述欄にも、もっともな意見が見られた。

  • (鹿児島・中学3年女子)有名人の結婚の話題をどの局も大げさに引っ張り過ぎではないか。もっと重要である情報を厳選して視聴者に提供してほしい。

調査研究について

  • 調査担当の菅原委員から次回調査のテーマ「青少年のテレビに対する行動・意識の形成とその関連要因に関する横断的検討」について、調査方法、スケジュール等の説明がありました。2015年度は予備調査、2016年度に調査の質的検討、2017年度に全国調査を行ない、討論・検討を経て報告書を作成することにしました。

今後の予定について

  • 10月23日に開催された関東独立放送局研修会に講師として参加した最相葉月副委員長から、当日の報告がありました。
  • 10月30日に開催する「青少年との意見交換会(立命館守山)」について事務局から説明がありました。今回は立命館守山高校の1年生と2年生およそ300人と、朝日放送からテレビ制作・ラジオ・報道担当者とアナウンサー、汐見委員長、最相副委員長、稲増委員が参加しての意見交換会で、多くの現役高校生を対象にした初めての意見交換会になります。
  • 11月24日に開催する「青少年委員会委員と在京局担当者との意見交換会・勉強会」の進捗状況などについて事務局から説明がありました。テーマは前回に引き続き「インターネット情報の取り扱いについて」です。当日は、立教大学社会学部メディア社会学科准教授の砂川浩慶氏にご講演いただいた後、砂川講師を交えて、委員と各放送局の担当者が意見交換する予定です。

その他

  • 「青少年へのおすすめ番組」(11月分)について、事務局から報告がありました。