青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第173回

第173回–2015年9月29日

男性グループが出演する深夜のバラエティー番組について、当該放送局からの資料提出を受け、これ以上の討論は必要ないとの結論に至り、討論終了…など

9月29日に第173回青少年委員会を、RKB毎日放送の会議室で開催しました。7人の委員全員が出席しました。まず、7月16日から9月15日までに寄せられた視聴者意見について討論しました。そのほか、8月、9月の中高生モニター報告、新規の調査研究、今後の予定について話し合いました。
なお、委員会の後、NHKを含む福岡の放送局9局の関係者41人と"子どもが関わる事件・事故における放送上の配慮について"などをテーマに意見交換会を開催しました。
次回は10月27日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2015年9月29日(火) 正午~午後2時00分
場所
RKB毎日放送第6会議室
議題
出席者
汐見稔幸委員長、最相葉月副委員長、稲増龍夫委員、大平健委員、川端裕人委員、菅原ますみ委員、緑川由香委員

視聴者意見について

● "ロシアンルーレット"と称して、1つにだけ五寸釘が隠されている10個の紙袋を、1つずつ手のひらで勢いよく上から押し潰していくというマジック企画の、男性グループが出演する深夜のバラエティー番組について、当該放送局からの資料提出を受け、これ以上の討論は必要ないとの結論に至り、討論終了としました。委員から、「今回の件はやり過ぎであったことは間違いないが、ギリギリの線で冒険をしようという"チャレンジ精神"は評価したい」との意見がありました。

●「海外の少年が関わる事件で、その様子を少年自身が動画サイトに投稿した。それを番組で紹介した時に、顔や名前をそのまま出していた。問題ではないか」との視聴者意見に関して、委員からは「国内で罪を犯した少年は顔を隠すが、海外の事件では顔や名前を出す場合もある。海外の出来事を、日本の放送でどのように取り扱うのか丁寧に議論する必要がある」との意見がありました。

●放送前にSNSで「街でスカウトしたちょっとムチな女子高生に、番組ディレクターが愛のムチを打つ番組です」などと告知した番組に対し、視聴者から「出演者や視聴した子どもたちを傷つけ、すべての女性をバカにしたものだ」などの意見がありました。委員から「番組内容に問題はないが、告知の方法に工夫が必要ではなかったか」などの意見がありました。

●その他、委員から「芸人を痛めつけ笑いを取る番組について、出演者同士の一定の約束事はあるのだろうが、見ていておふざけの度が過ぎているように感じる時がある。制作者と視聴者の間に感覚のズレがあるのではないか」などの意見がありました。

中高生モニター報告について

8月の中高生モニターは、「テレビ局が薦める『青少年へのおすすめ番組』視聴の感想」というテーマで書いてもらい、26人から報告がありました。『青少年へのおすすめ番組』は、毎月テレビ局が、自社で放送する青少年に見てもらいたい番組を自主的に選んで、BPOの公式ホームページ上に掲載しているものです。
『戦後70年特別番組 櫻井翔&池上彰 教科書で学べない戦争』(日本テレビ)については、10人のモニターが感想を寄せてくれました。「教科書よりもテレビの映像と音声で分かりやすく戦争について知ることができました。70年前の戦争は両親も知らないので一緒にテレビを見て、とても勉強になりました。私は櫻井君も池上さんも好きな上に、クイズ方式で進められたので、とても楽しく学べました」(宮城・中学3年女子)。「戦争関係の番組は悲惨な内容が多そうだし難しそうだし見るのを避けていた。でも、嵐の櫻井君が司会なので大丈夫かなと思い見てみる気になった。」(福岡・中学2年女子)。「司会の2人の人選からして若者向けに作っているかなと思い見てみた。お金をかけて制作しているという印象が一番残った。特攻船を実際に再現する、櫻井君が戦地で遺骨を探す旅をするなど。それはそれですごいが、逆に戦争の怖さが伝わってこなかった。また〈若者=戦争に関して無知〉という図式を前提にしているのも疑問。一般の若者がもっと参加し、学んだり議論できるような番組内容にするとか、テーマを絞り込んで二度と戦争を起こしてはいけないという強いメッセージを残すような作りの方が良かったのでは」(東京・中学3年男子)。
『所さんの世界のビックリ村!』(テレビ東京)には、賛否両論が集まりました。「地球のすごさ、過酷さを再発見できた。世界中の見聞を身近に、気軽に、しかも多数の人に広げられるのはテレビならではと、実感した」(埼玉・中学3年男子)。「2時間は長すぎて途中で飽きた。所さんがもっと面白いことをたくさん話すのかと思って見たが、そうでもなく残念」(東京・中学1年女子)。「私的には好みの番組だったが、CMの長さと多さにはうんざり。チャンネルを変えてしまった人もいるのでは」(兵庫・中学1年女子)。
地方局制作の番組についての報告も寄せられました。『部活応援プロジェクト しゃかりき』(テレビ神奈川)…「取材した学校の部員のありのままの姿がのぞけるのは楽しいが、内容が時系列順に淡々と進み過ぎ。もっと感動するところ、面白いところに特化して編集した方が見応えがあり、キー局にも対抗できるのでは」(埼玉・高校1年男子)。『第45回北海道中学校バスケットボール大会』(テレビ北海道)…「各学校のことをよく調べていて試合中も選手のコメントやチームの特色を紹介していた。また解説も分かりやすくバスケの試合を初めて見た僕でも楽しめた。ただ、決勝戦だけの放送だったので、大会の好プレー集などをやればもっと面白いかなと思った」(北海道・中学3年男子)。

■中高生モニターの意見と委員の感想

●【委員の感想】「なんでこんな番組をおすすめするんだ」と厳しい意見を書いているモニターもいたが、何本かの番組から選ぶ、というふうに、報告にある程度の枠をはめられると、いつもの月より深く番組を見ているのがよく分かった。総体的に作り手の情報をしっかり受け止めている報告が多かったと思う。個別でいえば、8月という月だけに終戦や特攻隊などに関する番組、またローカル局制作の地方の学校の部活に関する番組がおすすめ番組リストに挙げられていたが、作り手の意図をよくモニターが汲み取り、読み応えある報告を書いていた。

  • (福岡・中学2年女子)『戦後70年特別番組 櫻井翔&池上彰 教科書で学べない戦争』(日本テレビ/福岡放送)。戦争中の生活や音楽、食生活にも触れており、戦地に向かう兵隊さんの笑顔のフィルムなど、今まで遠い昔の話と思ってイメージできなかった戦時中の日本人が私たちと変わらない普通の人たちだったんだなと正直驚きました。戦争を体験した人が高齢になり亡くなっていく中、真実を知る人の生の言葉が聞けるのはもう最後になるのかもしれない、と思うと若い人たちにもできるだけ見てもらえる番組を作ってもらいたいです。

  • (神奈川・高校1年女子)『部活応援プロジェクトしゃかりき』(テレビ神奈川)。部長1人が後輩を引っ張っていき、活躍するということで、周りの人へのインタビューも交えながらとても分かりやすかった。地元の高校の部活動がクローズアップされるので、高校を選ぶにあたってもとてもいい番組だと思った。

●【委員の感想】7月の報告の後、モニターへは番組を褒めるだけでなく、どんどん批判してほしいと言ったが、さっそく効果が表れたようだ。

  • (埼玉・高校1年男子)独立局制作の番組は、内容や話題は面白そうなのに、いざ実際に見るとなぜか物足りなさを感じる。一方、キー局はひな壇やグルメなど見飽きたと感じるくらい内容は同じものばかりである。

  • (山梨・高校2年男子)先日、某テレビ局の番組内でテレビ業界の危機をテーマに芸人が議論するコーナーがあり、僕もファンであるTEDが掛け合わされた企画だったので、まじめに討論するのかと思ったら、プレゼンの終盤でどの芸人も必ずふざけてオチを作っていました。純粋にがっかりしました。バラエティー番組とはいえTEDを扱う以上は真剣な討論、プレゼンを見せてほしかったです。[事務局注:TEDとはアメリカの非営利団体。TEDトークと呼ばれるあらゆる分野における最先端の人々のプレゼンテーションの動画を世界に無料配信している。2012年4月からはNHK Eテレの『スーパープレゼンテーション』で、その動画講義のいくつかを日本語字幕付きで放送し、講義内容で印象に残る英文の紹介や、講義の効果的なやり方を解説している]

●【委員の感想】テレビ局側は真摯に中高生の批判を受け止めると同時に、どういうものを現在中高生が求めているのか是非、毎月の中高生モニター報告から読み取ってほしい。

  • (埼玉・中学1年女子)テレビ局自身が推薦する青少年へのおすすめ番組はどれも面白そうでなくて、選ぶのに困った。同じジャンルの番組がいくつもあったので、もっと番組のバリエーションを増やしてほしい。

  • (神奈川・中学2年男子)夏休みの番組はフジテレビの『FNS27時間テレビ』などありましたが、時間の無駄です。内容をもっと考えて制作してほしいです。ただ、時間を埋めている番組にしか思えません。なかでも車を破壊するなんて、あってはならないことです。恥ずかしいです。

●【委員の感想】数人のモニターが、長い間テレビに出演しているベテランのタレントを手厳しく批判している。

  • (京都・高校2年男子)『高校野球100年の真実~心揺さぶる真夏のストーリー』(朝日放送)。僕は司会をやったタレントが好きではない。この人は滑舌が悪いので話の内容が聞き取りにくいし、話す内容があまり面白くない。たくさん司会をできる人はいると思うが、なぜこの人に決めたのかが理解できない。日曜の『サンデーモーニング』(TBS/毎日放送)の司会者も滑舌が悪く、コメンテーターや解説者の話を聞く時に、次に言うことを考えているのか、話を聞いていない様子で適当に相づちだけしているように見える時がある。

意見交換会(守山)について

  • 10月30日に立命館守山中学校・高等学校(滋賀県守山市)で開催する、高校生と放送局担当者と青少年委員会委員の三者による意見交換会について、準備状況の報告が事務局からありました。この意見交換会は、青少年が視聴する番組の向上に資するため、青少年のテレビ・ラジオに対する日頃からの思いを放送局関係者や委員に直接話してもらおうという初の試みです。

  • 高校1年生と2年生およそ320人、朝日放送のテレビ制作、報道、ラジオ制作の各担当者とアナウンサー、それに青少年委員会から汐見委員長、最相副委員長、稲増委員が参加します。司会は稲増委員と朝日放送のアナウンサーが担当します。

調査研究について

  • 調査担当の菅原委員から提案のあった「青少年のテレビに対する行動・意識の形成とその関連要因に関する横断的検討」を軸に、検討を始めることにしました。

今後の予定について

  • 11月24日に"インターネット情報の取り扱いについて"をテーマに今年度2回目の在京テレビ局との「意見交換会・勉強会」を開催します。内容について話し合われ、今回は研究者の講演を交え、川端委員が司会をすることになりました。