放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第89回

第89回–2015年1月

佐村河内守氏が"別人に作曲依頼"を審理

川内原発報道で事実誤認と不適切な編集
テレビ朝日の『報道ステーション』を審議…など

第89回放送倫理検証委員会は1月9日に開催された。
“全聾の作曲家”と多くの番組で紹介されていた佐村河内守氏が、実は別人に作曲を依頼していたことが発覚した事案について、担当委員から委員会決定の原案が提出された。内容や方向性をめぐってさまざまな意見が出され、次回に修正案を提出して、意見の集約をめざすことになった。
テレビ朝日の『報道ステーション』が放送した九州電力川内原子力発電所に関するニュースに、事実誤認と不適切な編集があった事案については、委員会決定の修正案が、担当委員から提出された。意見交換の結果、大筋で了解が得られたため、表現の一部手直しをして2月上旬にも当該局に通知・公表をすることとなった。

議事の詳細

日時
2015年1月9日(金)午後5時~8時20分
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

川端委員長、小町谷委員長代行、香山委員、斎藤委員、渋谷委員、鈴木委員、藤田委員、升味委員、森委員

1.「全聾の作曲家」と称していた佐村河内守氏が、実は別人に作曲を依頼していたことが発覚した事案を審理

全聾でありながら『交響曲第1番HIROSHIMA』などを作曲したとして、多くのドキュメンタリー番組等で紹介されていた佐村河内守氏が、実は別人に作曲を依頼していたことが発覚した事案について、委員会決定(見解)の原案が、担当委員から提出された。
原案は、
△各局が佐村河内氏の虚偽を信じて放送したことに問題はなかったか
△問題発覚後の各局の対応は十分であったか
の2つを論点に、約1年間にわたる委員会の調査活動をもとに、委員会としての判断を示すものとなっている。
意見交換では、問題発覚後の各局の自己検証作業が、実効性のある再発防止につながる土台となっているのか、ほとんどの局がその内容を公表していないのは視聴者に対する十分な説明と言えるのかなど、さまざまな議論が展開された。
その結果、委員会での議論を踏まえて担当委員が修正案を作成し、次回委員会で意見の集約をめざすことになった。

2.川内原発をめぐる原子力規制委員会の報道に事実誤認と不適切な編集があったテレビ朝日の『報道ステーション』を審議

テレビ朝日の『報道ステーション』で、原子力規制委員会が九州電力川内原発について新規制基準に適合していると正式に認めたニュースを伝えた際に、事実誤認や不適切な編集があった事案について、前回までの議論などを踏まえた委員会決定(意見)の修正案が、担当委員から提出された。
意見交換では、事実誤認や不適切な編集がなされた経緯や原因、背後に潜む問題点などについて、修正案の構成や細部の表現を含めた議論が交わされた。その結果、大筋で了解が得られたため、一部手直しをしたうえで、2月上旬にも当該局への通知と公表の記者会見が行われることになった。

以上