青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第159回

第159回–2014年6月24日

事件報道で子どもの顔出しインタビューを取材・放送した案件は継続討論に。
子どもたちに車に落書きさせたバラエティー番組や小児エイズで亡くなった赤ちゃんの映像を取り上げた番組などを視聴した上で討論、審議入りせず。…など

第159回青少年委員会を、6月24日に7人の委員全員が出席してBPO第1会議室で開催しました。5月16日から6月15日までに寄せられた視聴者意見を基に、子どもが関わる事件・事故報道における配慮など4つの案件について討論しました。その他、6月の中高生モニター報告、6月6日に沖縄で行われた意見交換会の報告、調査研究などについて話し合いました。
次回は7月22日に定例委員会を開催します。

議事の詳細

日時
2014年6月24日(火) 午後4時30分~午後7時20分
場所
放送倫理・番組向上機構 [BPO] 第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、加藤副委員長、小田桐委員、川端委員、最相委員、萩原委員、渡邊委員

視聴者意見について

  • 「出演者の同意なく本人の車に子どもたちに落書きさせたうえ、車内に犬を放し汚していた。"いじめ"や"パワハラ"ではないか」という視聴者意見があったバラエティー番組について、全委員が視聴した上で討論しました。委員からは、「出演者のキャラクターを考えたときに許容範囲かとは思うが、子どもに"バカ"と書かせる演出に品のなさや不愉快さを感じる」「制作者には、視聴者との感覚のずれがあることを認識してほしい」などの意見が出ましたが、局内で議論し制作者は反省しているとの報告もあり、審議入りしないことにしました。

  • 「世界の歴史が動いた瞬間を捉えた番組でルーマニア民主革命を取り上げていたが、小児エイズで亡くなった赤ちゃんの映像は非常に鮮明で大変驚き、気分を害した。事前に説明があればよかった」という視聴者意見があった番組について、全委員が視聴した上で討論しました。委員からは「日曜日の夜という時間帯が重たい」「子どもが受けるインパクトへの配慮があってもよかった」という意見もありましたが、「見た後に複雑な余韻が残り、心がざわつく。興味本位で遺体を扱ってはいない」「制作者側がどれだけ信念を持って放送しているかが問われる。この映像により独裁者の行為の悲惨さが伝わってきた。これを見た子どもたちも受け止めることができるはずだ」「歴史の中での人間の行いの悲惨さを隠す必要はない。遺体であっても事実を伝える必要性を考えれば問題はない」などの意見があり、審議入りしないことにしました。

  • 2005年に殺害された被害児童の同級生の顔出しインタビューが情報系の番組で放送されたことについて「配慮が足りないのではないか」などの視聴者意見や、事件の説明について配慮を求める委員からの意見もあり、全委員が視聴した上で当該局からの報告を基に討論しました。委員からは、「高校生になった被害児童の同級生のインタビューを見て、これだけ月日が経過したことを視覚的に感じられた。顔出しが一概にダメだとは思わない」「事件の説明についてもリアリティーを出すための充分な検討がなされている」として審議入りしないことにしました。

  • また、小学校の校長が覚せい剤所持容疑で逮捕された事件で、卒業生(中学生)の顔出しインタビューが情報系の番組で放送された件についても、全委員が視聴した上で当該局からの報告を基に討論しました。委員からは「放送後に保護者から今後インタビュー映像を使用しないでほしいとの要望があったようだが、理由を知りたい。その理由の積み重ねで取材者が様々なリスクを考えながら次の取材に立ち向かうことができるのではないか」などの意見が出て、当該局に再度報告を求めることにし、次回も引き続き討論することにしました。

中高生モニター報告

■中高生モニター報告 概要

6月の中高生モニター報告は、「この1か月程の間に見た番組の感想(ドラマ・アニメ)」というテーマで書いてもらいました。
今回は31人から報告がありました。人気のドラマ番組に対する意見が複数寄せられました。『弱くても勝てます』(日本テレビ)に関して「青春を感じる学園もので、自分と重ね合わせながら、とても楽しんで見ることができます。特に主演の二宮さん演じる野球部監督の言葉は一言一言が胸にしみます」(岡山・高校1年女子)などと賛辞が多く見られました。『軍師官兵衛』(NHK)については、「このドラマは面白くて、なおかつ1年かけて歴史の学習ができます。番組の終わりにある官兵衛ゆかりの地を紹介するコーナーも父が大好きで、ここに行ってみたいとか、ここには行ったことがあって、とか話してくれるので会話が広がります」(大分・中学3年女子)、「映像に迫力がある。特に戦闘の場面にリアリティーがあるのが好きだ。本や教科書よりも歴史がよく分かる」(東京・中学2年女子)。『花子とアン』(NHK)に関しては「主人公が夢に向かって頑張る姿はとても素敵だ。花子の言葉に感動したり考えさせられることも多い。これからもこのドラマを見て自分の人生といろいろ向き合っていけたらなと思う」(宮崎・高校2年女子)。
アニメに関しても熱い意見がありました。『名探偵コナン』(読売テレビ) 「この番組は小学生のころから欠かさず見ています。面白い要素を分析すると (1)推理 (2)設定 (3)顔のアップを多用、という3点です。リアルな感じでハラハラします」(東京・中学2年男子)。『ピンポン(ノイタミナ)』(フジテレビ) 「とにかく面白いです。話の構成が上手なのと画面の割り方が漫画のようなところがいいです」(東京・中学3年男子)。
自由記述欄は、「ラジオ・テレビについて思ったことを自由に書いてください」というテーマを設定しました。辛口の意見や要望などが寄せられました。「最近のアニメは不調になっています。本数が多すぎます。質を保つためにも減らしていいと思います。また誤解を招く表現も控えてほしいです」(埼玉・中学3年男子)、「面白くてかつ、為になる番組は今の私にとってはありません。頭を使って一緒に考える時間を共有できるような番組が有ってほしいです」(秋田・中学2年女子)、「今、テレビに必要なのは、どうなるんだろうという視聴者をワクワクさせる気持ちだと思います」(佐賀・中学1年女子)、「テレビとラジオはインターネットに喰われかけていると思います。インターネットの爆発的な普及で<1億総リポーター時代>になったうえ、娯楽がテレビやラジオだけではなくなって、つらいと思いますが頑張ってください」(東京・中学3年男子)。

■中高生モニターの意見と委員の感想

●【委員の感想】ドラマ・アニメのジャンルは積極的に見やすいのか、ほとんどが大変熱心に書かれたリポートで、テレビ局の参考になる意見が多かった。その中でも「番組をじっくり見る暇がないので、コンパクトにまとめられ、スピード感のある内容のものがよい」という意見が目立った。時間を埋めるために内容を引き延ばしているような番組は、飽きられるようだ。

  • (佐賀・中学1年女子)NHKの朝ドラは15分なのですぐ終わるところがいいです。短い時間で気軽に見ることができるのと、もうちょっと見たいなあと思う所が良い点だと思います。

  • (大阪・中学2年女子)『ファースト・クラス』(フジテレビ/関西テレビ) ドロドロしているところにハマりました。今までのドロドロ系のドラマにはないスリル感や展開の速さなどがあり、大変よいと思います。従来のドラマの中には、1回分の展開が少ないにもかかわらず、大きな変化を次週まで引き延ばすものが多く、視聴者としては見ていて憂鬱になります。

●【委員の感想】見方の変化として録画視聴などが一般的になっているようだ。また、BSやCSなど地上波以外の番組をマニアックな見方で見ている中高生が多い。

  • (滋賀・中学1年女子)『メカクシティアクターズ』(BS11) 小説がアニメ版になったもので、原作が好きな人にはたまりません。深夜番組ですが、録画するので見られます。すごく面白いのでいつも楽しみにしています。

  • (東京・中学2年女子)オンタイムで見るより、動画サイトや録画で見ることが多くなってきた。過去に話題になったドラマをまとめて見ることができるので嬉しい。『花より男子』(TBSテレビ)などを見た。
  • (神奈川・高校1年女子)最近BS放送が面白いなとよく思います。地上波の番組に比べると地味ですが、色々な種類の番組をやっていてよく見ています。

●【委員の感想】興味をひく番組が少なく、時代を映し出すような番組もない、というリポートには全く同感した。

  • (宮城・高校1年男子)最近はどの番組でも同じようなものをバラエティー番組で取り上げたりするので、独自の放送局の個性が失われているのではないか。自分が大人になってこの時代を振り返ったときに、代表するテレビ番組がないというのはとても悲しいことだなと思う。

●【委員の感想】アニメ番組の熱烈なファンが多いようだ。大変よく書けたリポート内容に感心すると同時に考えさせられた。

  • (東京・高校2年女子)今回はあえて往年の名作である『天才バカボン』(テレビ埼玉)を視聴してみた。日常の枠から外れすぎずなおかつドタバタとした喜劇を作り上げることができたのは、当時の制作スタッフの能力の高さとアニメへの情熱、ひいては視聴者の期待によるものだろう。近年、アニメは飽和状態にある。新アニメは季節ごとに何十本も放送を開始する。私たちがアニメを消費し続ける中、アニメーターたちは激務を重ね、アニメ会社も疲弊しきっていると聞く。『天才バカボン』がなぜ面白いか、その理由の一つに制作者側が楽しんで作っていることが見ていて伝わってくるということだ。こういう日本のアニメ文化を絶やしてはいけない。

●【委員の感想】アナウンサーが若者言葉を使うことへの批判があった。

  • (宮城・中学2年男子)何気なくNHKを見ていたらアナウンサーが「…的な」という言葉を使っていました。時代が変化するにつれて言葉が変わっていくのは分かりますが、NHKが、私たち中高生が使っている言葉を使ってしまっては、違和感があります。学校の先生からも、「バラエティーもいいけれど、NHKでニュースを見なさい」と言われている中、そのような言葉を使っては手本になれないと思います。

●【委員の感想】学校や家庭で共通の話題になりうるのは、「嵐」のメンバーが出演しているドラマか、NHKの大河ドラマ、朝ドラのようだ。

  • (佐賀・中学1年女子)NHKの朝ドラは学校でも話題になります。ドラマの内容で会話が弾むのは朝ドラが一番です。家族でも盛り上がるので年代を超えて楽しめます。また、学校では『弱くても勝てます』(日本テレビ/福岡放送)を見ている人が多いです。人気の理由は、ドラマに出ている人の人気だと思います。

●【委員の感想】好きなドラマの続編が、課金されるチャンネルでしか放送されないのは不公平だと書いているモニターがいたが、もっともだと思った。

  • (愛媛・高校2年男子)『MOZU』(TBSテレビ/あいテレビ) このドラマは、今期のドラマは面白そうなものが無いと思っていた自分が、唯一興味を持てたドラマです。しかし残念なのは、シーズン2が地上波では見られないということです。WOWOWとTBSテレビの共同制作であるために、シーズン1は全員見られて、続きのシーズン2だけ、加入している人しか見られないというのは不公平だと思います。加入しないと続きが見られないようなドラマは作ってはいけないと思います。

その他

  • 沖縄で開催した「意見交換会」の報告がありました。概略は以下のとおりです。
    2014年6月6日、琉球放送内RBC4階ホールで、汐見稔幸委員長、小田桐誠委員、川端裕人委員と、NHK・琉球放送・沖縄テレビ・ラジオ沖縄・FM沖縄・琉球朝日放送の番組関係者など36人による「意見交換会(沖縄)」を開催しました。
    川端委員の司会で、まず沖縄の抱える諸問題について話し合いました。「基地問題では沖縄と全国とのギヤップがあり、意見がかみ合わない」「基地の近くの小学校で、オスプレイを"かっこいい"という子どもと"かっこいいと言ったらダメだ"という子どもが喧嘩していた」「基地問題はイデオロギーとともに生活の問題でもある」「荒れる成人式の取材は地元の局では取材したくないがキー局からの要請がある」「地元言葉(ウチナーグチ)でのラジオ放送が沖縄の特徴だ」などの話が出ました。また、青少年委員会で最近話し合った案件として、男児性器の映像問題や、北海道暴風雪の少女の件のような顔出しインタビューについて意見交換しました。
    汐見委員長は、「沖縄における学力問題は貧困問題の克服とリンクしている。青少年委員会は、未来を担う子どもたちをどうやって励まし続けることができるかを考えている委員会だ」とまとめて意見交換会を終えました。

  • 調査研究の進行状況の報告がありました。

  • 9月9日に仙台で開催予定の「意見交換会」について、準備状況の報告がありました。