青少年委員会

青少年委員会 審議事案

2013年10月22日

フジテレビ「生爆烈お父さん27時間テレビスペシャル!!」

2013年8月3日 放送局:フジテレビ

2013年8月放送のフジテレビ『27時間テレビ』のコーナーで、男性タレントが、女性アイドルグループメンバーに、両足を持って振り回すプロレス技をかけた後、頭を踏んだり蹴ったりした。
「バラエティーの度を越している」「暴力行為であり不快」などの視聴者意見が多数あり、委員会は番組を視聴した上で討論、委員からは「制作者の意図や意見を聞いてみたい」などの声もあり、審議入りを決めた。
委員会は、意見交換など3回にわたる審議の後(※審議の経過参照)、2013年10月22日「委員会の考え」を公表し、審議を終えた。

2013年10月22日「委員会の考え」

2013年10月22日

フジテレビ「生爆烈お父さん 27時間テレビスペシャル!!」に関する
委 員 会 の 考 え

放送倫理・番組向上機構[BPO]
放送と青少年に関する委員会

BPO青少年委員会は、多くの視聴者意見が寄せられたフジテレビ『FNS27時間テレビ女子力全開2013』の「生爆烈お父さん 27時間テレビスペシャル!!」コーナー(2013年8月3日放送)について、フジテレビへ番組の制作意図などの報告書の提出を求めるとともに、番組制作者などを招いて意見交換を行い、さらに追加質問しました。
まずフジテレビには、真摯に対応をしていただいたことに感謝します。これらを受けて審議を行いましたが、下記の「委員会の考え」を公表することになりました。
これは、今後各放送局にも考えていただきたいと委員会が願っている諸点です。

*    *    *    *    *

論点は、以下の3点です。

第1に「出演者の身体に加えられる暴力や危険行為について」です。
フジテレビは「安全面に十分配慮している」「出演者同士が役割を理解している」と説明しましたが、視聴者から、人の頭を踏みつけるシーンや顔に向け足を上げるシーン、顔をいじるシーンなどに対して、多くのクレームがBPOに届きました。
フジテレビは、「爆烈お父さんはドキュメンタリーではありません。お茶の間プロレスコントです」と説明していますが、ある行為の意味は、その文脈・シチュエーションによって変わっていきます。プロレスというスポーツでは相手の顔を踏む行為は技の一種ですし、漫才師がボケとツッコミの役割の中で頭を叩くのはお決まり芸です。
ところが視聴者の多くは、今回のジャイアントスイング前後のシーンに、これが当然でおもしろいと感じる文脈を見つけられませんでした。多くの人が違和感を持ち、「不快だった」「危険すぎる」といったクレームを寄せました。爆烈お父さん、女性芸人、女性アイドルグループの三つ巴の面白さになっていないと受け止めたのです。しかも人間の顔を足で踏むことは人間の尊厳に関わる行為で、さらに不快感を増大させたと思われます。
視聴者の多くは「人間の尊厳に背くような行為をあえてして、それで笑いを取るという形でしかバラエティー番組を作ることができなくなっているのか」という落胆とさげすみのような感情を抱いたことに、局は想像力を働かせてほしいと願います。
青少年委員会は2007年10月に「出演者の心身に加えられる暴力に関する見解」を公表していますが、この中には、中高生モニターが「出演者をいたぶる暴力シーンや人間に対する否定的な扱い」に対して不快感を表明していることが述べられています。中高生のこの認識が、多くの一般視聴者の認識と考えてよいのではないでしょうか。

第2に「女性アイドルや女性芸人に対する性的な際どい演出について」です。
フジテレビは「でん部の露出は女性芸人の持ち芸であり、笑いの表現方法としてバラエティー的に許容範囲であると認識していました」としています。ジャイアントスイングをされている間に宣伝したいビデオや楽曲が流れるとなれば、女性芸人も女性アイドルも、身体を張って挑むことは容易に予測できます。
しかしここでも、女性芸人のお尻が丸見えになる、女性アイドルがパンツも露わに寝転んだり爆烈お父さんに股を開閉されたりするシーンがお茶の間で家族みんなが視聴する時間に流されれば、不快に感じる視聴者もいるだろうことに思いが至っていなかったのではないかと考えます。
放送局が自主的に定めた民放連放送基準には、「性に関する事柄は、視聴者に困惑・嫌悪の感じを抱かせないように注意する」(73条)、「全裸は原則として取り扱わない。肉体の一部を表現する時は、下品・卑わいの感を与えないように特に注意する」(78条)、「出演者の言葉・動作・姿勢・衣装などによって、卑わいな感じを与えないように注意する」(79条)といった条文がありますが、これに抵触するものではないかという認識が欠けていたのではないでしょうか。
お色気ネタが笑いのジャンルの一つであることは間違いありません。そこには快・不快、上品・下品の微妙な境界線が存在しますが、番組が男性の視点で作られていて、制作者に女性や子ども視聴者の視点が欠けていることが、今回のような視聴者とのミスマッチを生じさせたとも考えられます。生放送の特性の一つは、視聴者と出演者が同じ空気を共有出来ることです。それがなぜ視聴者に大きな違和感を残してしまったのか。制作者はこの点をもう一度深く考えてほしいと思います。

第3に「地上波の公共性に対する認識について」です。
フジテレビは、委員会の追加質問に対する回答の中で、「様々な年齢性別、多様な生活習慣と趣味嗜好を持つ全ての視聴者の方々に番組をお届けするのが地上波放送」であると強調しています。しかし、委員会に寄せられた視聴者意見をみる限り、放送時に視聴者が食事中かもしれない、老若男女が集まり家族団らんの中で視聴しているかもしれない、あるいは、このコーナーの内容や演出手法は不快感を与えていないだろうかなどと、さまざまな想像力を具体的に働かせながら制作したものとは残念ながら考えられませんでした。
地上波の公共性は、番組を作る側が最も重視しなければならない視点と考えています。このことはすでに本委員会が強調してきたことですので繰り返しませんが、視聴者には赤ちゃんから高齢者、外国人など様々な価値観を持っている人がいるということを前提に、可能な限り多くの人々が納得のいく番組を作るということ、そして番組の内容が何に笑い、何に悲しみ、何に喜び、何に怒るかという国民の教養の形成に与り、多大な貢献をしているという自覚を持つことの大切さだけはもう一度強調しておきます。

フジテレビは2010年、「私たちのフジテレビバラエティ宣言」を公表しました。そこには、「愛がなければテレビじゃない! 安心できなきゃテレビじゃない! やっぱり楽しくなければテレビじゃない!」とあります。これについて、フジテレビからは、「視聴者に愛され、安心して見ていただけるおもしろい番組」を目指すという決意が込められた宣言であるとの説明がありました。しかし、今回は、上記の3点を鑑みても、視聴者に対する想像力が十分でなかったといわざるをえません。
視聴者目線と電波が公共財であることを忘れると、テレビへの信頼は薄れていきます。お笑いも例外ではありません。テレビをもっと魅力的なメディアにしていくために、また多くの視聴者が心地よく笑えるために、バラエティー番組も「人間の尊厳」「公共の善」を意識して作られるべきでしょう。
参考のために申し添えますと、2009年11月17日に、BPO放送倫理検証委員会が「最近のテレビ・バラエティー番組に関する意見」を公表しています。その中で"バラエティーが「嫌われる」5つの瞬間"が挙げられています。下ネタ、イジメや差別、内輪話や仲間内のバカ騒ぎ、制作の手の内がバレバレのもの、生きることの基本を粗末に扱うこと―― の5つです。制作に当たっては、これらのことも常に心のどこかで意識していただきたいと願います。

以上

 


 

審議の経過

第148回青少年委員会(9月3日)で審議入りすることを、決定。
青少年委員会は、フジテレビに対し9月24日に意見交換を行いたい旨を伝え、以下の5点について、青少年の視聴に関する留意点を中心に報告をお願いした。

  • 番組の制作意図について
  • 放送時間帯への配慮について
  • 危険行為に対する認識について
  • 女性タレントや女性芸人へのきわどい演出について
  • フジテレビ「私たちのバラエティ宣言」(2010年)を意識した番組作りがなされているかどうかについて

フジテレビの報告

『FNS27時間テレビ』の「爆烈お父さん」に関する報告書

フジテレビジョン

(1) 番組の制作意図について

  • 『FNS27時間テレビ』の「爆烈お父さん」は、『めちゃ×2イケてるッ!』の制作チームが演出のすべてを担当しました。

    1. まずは『27時間テレビ』のパーソナリティである女性芸人を輝かせたい

    2. そのためには女性芸人と対極の国民的アイドルAKB48と向き合わせる

    3. 両者が対峙する場として「爆烈お父さん」が最適と考えて、今回は「爆烈お父さん」を制作・放送することになりました。

  • 爆烈お父さん」とは、極楽とんぼ加藤浩次氏演じる一家のお父さんが本来あるべき父親像、つまり、怖いけれども尊敬できる絶対的存在として一家の主導権をにぎる物語で、理不尽な説教や乱暴な振る舞いも今の威厳を失くした父親像とのギャップとして面白がる"コント"です。
    具体的には、ゲストがお父さんの逆鱗にふれてジャイアントスイングで回されるシーンが見所の"お茶の間プロレスコント"で、回されている間ゲストが宣伝したいVTRや曲が流れます。
    今回は、『27時間テレビのパーソナリティとして各コーナーの見所VTRを流したい女性芸人』と『アイドルとして新曲を流したいAKB48』の対比になっていました。

  • 今回我々は、放送中のサイドテロップ『爆烈お父さんvs女芸人vs AKB48』のとおり三つ巴の対決を目指しました。

    • 『AKB48』は国民的アイドルであるはずなのに、お父さんや女性芸人相手に生放送で必死に体をはって頑張る

    • 『女性芸人』はアイドルに「見せ場」(ジャイアントスイング)を横取りされて、お父さんやAKB48相手に必死で挽回しようとする

    • 『お父さん』は女性芸人vs AKB48の触媒としてAKB48を贔屓し続ける

当然のことながら、我々はAKB48と女性芸人に対して危険な行為や性的にきわどい行為をしたかったわけでは一切ありません。

(2) 放送時間帯への配慮について

  • 『めちゃイケ』は毎週土曜日夜8時からゴールデン帯で放送している番組ですので、イジメ問題をはじめとする青少年への影響は常に意識して制作しています。また、「爆烈お父さん」は番組スタート時(1996年)から続く長寿コーナーで、演出スタイルが当時から変わっていないことも含めて、『27時間テレビ』における放送時間帯に関しては特に問題視していませんでした。
    今回視聴者からたくさんの苦情をいただいたことで、『27時間テレビ』は普段の『めちゃイケ』ファン以外の方、お笑いファン以外の方も見る番組であることをより深く認識する必要があったと改めて感じました。

(3) 危険行為に対する認識について

  • 「爆烈お父さん」は前述の通り、バラエティ番組の"コント"です。
    ドキュメンタリーではありません。
    テレビタレントの加藤氏は、設定として「爆烈お父さん」という乱暴なキャラクターを演じています。
    もちろんゲストも、設定として「爆烈お父さん」にジャイアントスイングをされたり転かされたり蹴られたりする役を理解し、受け入れます。
    つまり、出演者全員が互いに信頼しながら、プロフェッショナルとしてカメラの前で"お茶の間プロレスコント"を繰り広げるのです。
    しかも、加藤浩次氏は『どの程度にとどめておけば相手は怪我をしないか』を十分に理解しており、我々スタッフも信頼しております。
    実際、問題視されている"渡辺麻友さんの顔を蹴ったとされるシーン"も、加藤氏は自分の足を一旦彼女の顔に付けてから押し出すようにすることで、相手が怪我をしないようにしています。

  • 放送当日は、入念なリハーサルやセットの養生など安全対策を万全にした上で本番に臨んでおり、「爆烈お父さん」は我々の想定を越えた危険なことが起こるコーナーだとは思っておりませんでした。
    しかし、想定した演出から逸れていく可能性がある生放送で、『一見暴力的に見えるキャラクターで笑いを作る』という決して簡単ではない演出方法を採用したことは、今思えばリスキーだったのかもしれません。
    また、「"お茶の間プロレスコント"とはいえ、モラル的に女性に対してする行為ではない」というご指摘に関しては、我々はもっと慎重に演出する必要があったのかもしれません。
    以上"生放送における演出"に関しては、今後の番組作りの課題として十分に検討していきたいと思います。

(4) 女性タレントや女性芸人へのきわどい演出について

  • 我々は、AKB48や女性芸人を使って性的にきわどい表現をすることを 極力排除しようとしました。
    例えば、AKB48メンバーが当日着けていたアンダースコートは、事前に事務所と相談して決めた衣装です。
    一方、森三中大島さんのでん部の露出に関しても、あくまで女性芸人である彼女達の持ち芸であり、笑いの表現方法としてバラエティ的に許容範囲であると認識していました。

(5) フジテレビ「私たちのバラエティ宣言」(2010年)を意識した番組作りになっていたかについて

  • 『愛がなければテレビじゃない!安心できなきゃテレビじゃない!やっぱり楽しくなければテレビじゃない!』の『愛』と『楽しく』は、バラエティ宣言通り達成できたと考えております。視聴者の皆さんに愛される番組をつくるために、番組を愛し、出演者を愛する気持ちは十分にありました。楽しくなければテレビじゃないという熱い信念を持って生放送に臨みました。
    しかし、『安心』に関しては、十分に配慮したつもりであった我々制作陣と視聴者との間に大きな溝があったと認識しております。今回、我々の番組をご覧になった視聴者から数多くの苦情があったことは事実であり、スタッフ一同真摯に受け止める所存です。
    これを機に、『安心』という意味で制作陣と視聴者との溝をいかにして埋めていくか十分に議論して、今後の番組作りに活かしていきたいと思っております。

[意見交換概要] 第149回青少年委員会(9月24日)

〔Q:青少年委員 A:フジテレビ〕

論点1.コーナーの企画意図について

Q.コーナーの企画意図を説明してください。
A.ゲストの女性芸人とAKB48の魅力を引き出す目的で、「爆烈お父さん」を企画・制作しました。また、女子限定のゲストがジャイアントスイングで回されている間に宣伝したい曲やVTRが流れるなど、基本的にはタレントさんのプロモーションを兼ねたコント、つまり、ドキュメンタリーではなく「プロレスコント」として作っています。

論点2.放送時間帯への配慮について

Q.民放連の放送基準で定める「17時~21時までは児童および青少年、とりわけ児童の視聴に十分配慮する」への配慮はありましたか。
A.レギュラー枠の放送でも、青少年に見てもらいたいと思っているので、そのことは充分意識をして制作しています。今回の特番に関しても、通常の番組と同じスタンスで作れば大丈夫だという意識はありました。今回の特番では、ふだん『めちゃイケ』を見ていない方たちもかなり見ていたのだと後から気づかされました。
Q.『めちゃイケ』ファン以外の視聴者についてどうお考えですか。『めちゃイケ』ファンなら理解してくれたのに、と思っていませんか。
A.番組は、見終わったあとの感想「読後感」が大切だと思っています。全ての視聴者に楽しんでもらうために色々工夫しています。ただ、どういう線引きをしつつ表現したら表現者としての思いが『めちゃイケ』ファン以外の視聴者にも伝わるのかを、検討していますが、現状では答えは出ていません。

論点3.危険行為に対する認識について

Q.これまでこのコーナーで予定外のハプニングとか出演者の怪我につながるようなことは無かったのですか。
A.今まではありませんでした。全部の角を怪我をしないように細工したりして、我々があのお茶の間のセットで怪我を防止できることは100%やっています。
Q.子どもがジャイアントスイングを真似することについてどう思いますか。子どもは周りを怪我をしないように細工することはしないですよね。
A.真似をする子どもはいるかもしれませんが、かといって「危険なのでまねしないで下さい」とテロップを入れれば済む問題とも思っていません。そこは表現の仕方の問題で、我々がつかみきれていないところです。
Q.「お茶の間プロレスコント」という表現を使っていますが、単にプロレスごっこにしか見えないのですが。
A.お決まりの流れがあるので、「プロレスコント」だと思っています。
Q.2007年10月に青少年委員会は「出演者の心身に加えられる暴力に関する見解」を出し、その中で暴力シーンは「人間に対する否定的な扱い」であると不快感を示していますが、頭や顔を踏んだり蹴ったりする行為は、人間の尊厳にかかわる基本的なことだと思います。スタッフの皆さんにその辺の認識が乏しいのかなと思い、危惧を感じます。大事なのは人間の尊厳を守った中で笑いを作っていくことだと思います。
A.例えば、漫才でボケた芸人の頭を相方がはたく行為も人間の尊厳を冒すことになるのでしょうか?どの線からは人の尊厳を冒していることになるのかをお聞きかせください。
Q.漫才で頭をはたくことは、今や文化的な伝統として定着していると思います。線引きで、これはOK、これはダメとなればテレビは作れなくなるのではないですか。そうではなく、人間を大切にすることだと思います。そしてそれを常に考えてゆくことだと思います。
A.やっぱり顔を踏む行為が線を越えているという印象ですか?
Q.そうですね。人間をいたずらにもてあそぶような映像が横行すると、子ども達の深層に忍び込んで、人間観、価値観の形成において、問題になってくると思います。
A.複数の女性アイドルに同じことをしているのですが、映像から受ける印象はそれぞれ異なりますか?
Q.同じです。どの場合も厳しく問われるべきだと思います。
Q.過去に、頭を蹴ることはやっていたのですか。
A.定番ではないが、やっていました。
Q.クレームはありましたか。
A.ありました。
Q.そのクレームについて局ではどういう受け止めをしていましたか。
A.数が少なかったこともあり、コーナーの内容を変えるまでには至っていません。
Q.数が少ないことを軽視するのは問題があると思います。一つのクレームでも本質をつくことがあります。皆さんがちゃんとチェックしていてOKと思われたこと自体に、一般の人の感覚と放送局の人の感覚がかなりずれてきているのではと危惧します。
A.数が少ないからそれを重要視しないという考えでは決してありません。

論点4.きわどい演出について

Q.女性タレントがお尻を出した時に、その場に子役がいたのですが、そのようなシチュエーションについて内部で議論は無かったのですか。
A.あれは女性芸人の持ちネタの一つで、想定内の出来事です。ただ、キワドイ部分で楽しみたいという意識はありませんでした。
Q."見ていて不快"という視聴者意見が多かったのですが、それは性的なイメージを喚起したり、男性がやって女性がやられるという男女の位置関係などに関係していると思うのです。公共性の高い地上波の生放送で、"これ以上やってはいけない"という現場スタッフ、出演者との申し合わせや基準はあったのですか。
A.性的な表現を強調して視聴者を楽しませようという意識は全くありませんでした。エロくならない工夫をしています。でん部を出す行為に関しては、それを隠したり注意する周りの芸人達の面白さを引き出そうとしました。また、女性芸人の性(サガ)的なところを面白がろうとしていました。
Q.お尻を出すことに関して、この時間帯は子どもが見ている時間帯であることを注意していなかったのですか。
A.特にしていませんでした。というのもスタッフも私も、この場面のでん部の露出に関して性的な表現だとは全く思っていなかったからです。
Q.家族で見ている時などに、見る側が戸惑ったり不快に感じたりするということは考えなかったのですか。
A.笑いが勝つと思っていました。ただ、不快だと思った視聴者がたくさんいたことは、反省すべきことだと思っています。
Q.女性アイドルの足の開閉はエロティックだと感じましたが、あれはハプニングだったのですか。
A.はい、現場のノリでやったことです。我々は正面から撮らないようにしたのですが、そう受け取る方がいたことに関しては率直に受け止める気持ちです。

論点5.フジテレビ「私たちのバラエティ宣言」について

Q.フジテレビの「バラエティ宣言」に"愛がなければテレビじゃない"とありますが、これは人間すべてに対する「愛」があると思うのです。この「バラエティ宣言」の中身をみんなで議論して作っていただければ、いい番組が出来るのになと思います。ぜひ、いいバラエティーを作ってください。
A.我々が、かつてバラエティーとして許容していたものが、今は通用しなくなってきていることを感じます。我々は世の中にどこまでアジャストしていけばいいのか、どこまで清廉潔白さを追求しなければならないのか、特にバラエティーに関しては常識とのギャップを笑いの表現として使うことが多いので、毎回自問自答しながらやっています。

この後、委員会で審議した結果、フジテレビに対し、次の2点について追加質問した。
(1) 放送、特に地上波放送の公共性についてどうお考えでしょうか
(2) 貴社の番組のチェック体制について、あらためてお伺いいたします

フジテレビからの再報告

『FNS27時間テレビ』の「爆烈お父さん」に関する追加質問へのご回答

フジテレビジョン

(1)地上放送の公共性について
フジテレビは、その行動宣言において「高い公共性への使命感と放送倫理に対する社会的責任を強く認識し、社会からの共感や信頼を得ることが重要と考えている」とうたっております。様々な年齢性別、多様な生活習慣と趣味嗜好を持つ全ての視聴者の方々に番組をお届けするのが地上波放送であり、番組の種別に関わらず常に公共性を意識した番組制作を心掛けています。
今回『FNS27時間テレビ』においても、地上波の公共性と社会的責任への意識を強く持ちながら制作にあたりましたが、「爆烈お父さん」に関して我々が伝えたかったことと多くの視聴者の方々の受け止め方との間に乖離が生じてしまったことは事実です。
我々はこの結果を真摯に受け止め、改めて地上波放送の公共性の重要度を認識し、今後の番組制作に活かしていく所存です。

(2)番組制作におけるチェック体制について
フジテレビでは民放連放送基準を順守して各番組の企画制作にあたっており、バラエティ制作部では更に以下のチェック体制で放送番組内容の事前確認を行っています。
日頃より番組内容に関する問題事例が発生する度に、プロデューサー会議等で具体的な問題点の検証・情報共有を行い、各制作現場へ浸透を図っています。その上で、制作の過程で表現内容に疑問が生じた場合、番組プロデューサーはバラエティ制作部の上長や編成部の担当者に確認し、更に法律的な問題は法務室、コンプライアンス的な問題は考査・放送倫理部、権利問題は著作権契約部に個別に相談・確認しています。
また、放送の数日前、荒編集または白完(スーパーテロップやナレーションを入れる前のテープ)の段階でバラエティ制作部の部長・担当部長がそれぞれの担当番組の番組プレビューを行っています。ここで行き過ぎた表現がないか実際の映像をチェックし、問題があった場合は再度編集を行います。この荒編集・白完段階でのチェック作業は編成部の担当者も並行して行っており、バラエティ制作部内のチェックと共に二重に確認する体制をとっております。
最終的な放送用完成テープ(所謂完パケテープ)につきましては、MA戻し(整音した音声を完成テープに戻す作業)にプロデューサーが立ち会うなどの形で、最終チェックを行い、放送前に配布される完成テープのDVDコピーを、バラエティ制作部の上長が適宜内容確認する体制を取っております。