放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第53回

第53回 – 2011年10月

BS11『”自”論対論 参議院発』に関する意見への対応報告書について

テレビ東京『月曜プレミア!主治医が見つかる診療所』
毎日放送『イチハチ』情報バラエティー2番組3事案に関する意見への両局の対応報告書について ……など

第53回放送倫理検証委員会は10月14日に開催された。
まず、6月30日に通知・公表した「BS11『”自”論対論 参議院発』に関する意見」を受けて当該局から提出された対応報告書の検討を行った。委員会はこれを了承し、公表することにした。
7月6日に通知・公表した「情報バラエティー番組2番組3事案に関する意見」に応じて提出されたテレビ東京および毎日放送の対応報告書についても検討を行い、両局の対応策を了承し、公表することにした。
委員会は、9月22日、全加盟社に宛てて、「東海テレビ放送『ぴーかんテレビ』問題に関する提言」を公表した。委員会が初めて行ったこの提言に対する放送業界の反応などについて、意見交換が行われた。
そして、9月27日に通知・公表したテレビ東京の情報バラエティー番組『ありえへん∞世界』の意見書についても議論が交わされた。

議事の詳細

日時
2011年10月14日(金) 午後5時~7時30分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
川端委員長、吉岡委員長代行、石井委員、香山委員、是枝委員、重松委員、立花委員、服部委員、水島委員

BS11『”自”論対論 参議院発』に関する意見への対応報告書について

BS11は、委員会の意見を受けて、どのような対応や取り組みを行なったかを報告書にまとめ、委員会に提出した。
新たに専任の番組適正検証委員を置いて、番組の公平性チェックを強化し、放送基準を遵守する旨の報告があり、委員会はこれを了承して公表することとした。(対応報告書はこちら)

テレビ東京『月曜プレミア!主治医が見つかる診療所』
毎日放送『イチハチ』情報バラエティー2番組3事案に関する意見への両局の対応報告書について

テレビ東京および毎日放送は、委員会の意見を受けて、どのような対応や取り組みを行なったかを報告書にまとめ、それぞれ委員会に提出した。いずれも、意見書が指摘したインターネットを使ったリサーチ段階での留意点やバラバラの制作体制に起因する現場のコミュニュケーションギャップを埋めるための改善策などを打ち出している。
今回の意見書には、「若き制作者への手紙」が別冊として加えられたが、特徴的なことは、両局とも、意見書を受けて全社的規模で議論がなされ、その現場の声が報告書とともに「若き制作者への手紙」への「返信」という形で委員会に提出されたことである。その一部は報告書の中にも盛り込まれている。
現場での活発な議論は、自主・自律の観点から委員会が日頃より望んでいるものであり、こうした対応を高く評価し、両局からの報告を了承した。
当該局ではないものの、フジテレビも意見書を受けて、全社的に議論を重ね現場での受け止め方を文書にまとめて委員会に提出している。
また、両局の社内勉強会に参加した担当委員から感想が述べられた。

【担当委員の感想】

  • テレビ東京では、社外スタッフも含めて168名が参加したこともあって若干講義的な色彩とならざるを得なかったが、今回の意見書および「手紙」に対する関心の深さが示された。
  • 一方、毎日放送では大阪本社、東京支社のプロデューサー、ディレクターら30名ほどの参加であったが、それだけに全員が発言し、時にはスタッフ間同士での議論が白熱する場面もあって、充実した勉強会となった。

委員会では、放送局が様々な方法を模索して、現場クラスを含む真に実効性のある研修や勉強会を開くことを望む意見が多く出された。 (対応報告書はこちら)

東海テレビ『ぴーかんテレビ』問題に関する「提言」の公表について

9月22日に公表された「提言」では、全社的なレベルで放送の使命について話し合う機会を設けることや、生放送番組において不測の事態にも対応できるゆとりが確保されているかどうかを再点検することなど、4項目を挙げた。
委員会が初めて行ったこの提言は、単に東海テレビだけでなくBPO加盟全社に向けて出されたものであるため文書を各社に郵送したが、これを受けて各社がどういう取り組みを行うかを委員会として見守ることとした。(提言はこちら)

テレビ東京『ありえへん∞世界』に関する意見の通知・公表について

僻地紹介シリーズとして本年1月「南大東島」を取り上げた際、サトウキビ農家が沖縄本島に豪華な別荘を持ち、裕福な暮らしをしているなどと紹介した番組内容が事実とかけ離れ、住民の心情を害してしまったという事案。9月27日、当該局に対して委員会決定を通知し、記者会見を行った。
委員会では、公表当日のテレビニュースと報道された新聞記事をみたうえで意見交換が行われた。意見書にある「取材協力をしてくれた一般の人たちへの愛」について、委員から、取材対象者に誠心誠意向かいあうことにより、番組の向上のみならず、放送倫理違反のない放送が実現されるなどの指摘がなされた。 (決定文はこちら)

その他

■福岡の各局と検証委員会との「意見交換会」開催へ

昨年の大阪に続く2回目の意見交換会を、12月6日(火)に福岡で開催することを決めた。これは、委員会の活動について放送局の取材・制作現場の人たちに知ってもらうとともに、放送局側からも委員会に対する疑問や要望などを、率直に語ってもらおうという趣旨に基づくもの。在福のテレビ6局を中心に議論を進めるが、九州・沖縄の各局にも参加を呼びかける。

以上