視聴者からのご意見

2012年12月に視聴者から寄せられた意見

2012年12月に視聴者から寄せられた意見

衆議院選挙の結果、自民党が政権を取り戻し、第2次安倍内閣がスタートした。選挙にかかわる報道では、出演者の発言が公平でない、ツイッターなどの利用も悪くないが、意見の選択に片寄りがあるなどの意見があった。
年末恒例の長時間特番への批判もあった。お笑いタレントの内輪話や、いじめにつながるようなドタバタばかりでうんざりするといった意見が多かった。

2012年12月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,258件で、先月と比較して338件減った。
意見のアクセス方法の割合は、メール72%、電話24%、FAX2%、手紙ほか2%。
男女別は男性67%、女性29%、不明4%で、世代別では30歳代30%、40歳代30%、20歳代15%、50歳代15%、60歳以上8%、10歳代2%の順になっている。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO責任者に「視聴者意見」として通知。12月の通知数は535件【35局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、22件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

12月の視聴者意見は1,258件と先月より338件減った。4ヵ月にわたって減少傾向が続いている。
衆議院選挙の結果、自民党が政権を取り戻し、第2次安倍内閣がスタートした。選挙にかかわる報道では、出演者の発言が公平でない。ツイッターなどの利用も悪くないが、意見の選択に片寄りがあるなどの意見があった。
年末恒例の長時間特番への批判もあった。お笑いタレントの内輪話や、いじめにつながるようなドタバタばかりでうんざりするといった意見が多かった。
またペニーオークション詐欺に関連して、問題になった芸能人の出演に厳しい批判があった。
ラジオに関しては27件、CMに関する意見は43件あった。

青少年に関する意見

放送と青少年に関する委員会に寄せられた意見は80件で、前月より26件減少した。
今月は、「表現・演出に関する意見」と「低俗、モラルに反する意見」が18件、次いで「性的表現に関する意見」が14件と続いた。
年末の特別編成のため長時間の番組が多く放送されており、それに関する意見が多く寄せられている。その中でも特に、バラエティー番組における"罰ゲーム"について、いじめを連想させる内容だったとの意見が複数あった。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 批判ばかりでうんざりする。つい先日国民が選んだわけだから、しばらく見守っていてはどうか。魔法使いでもあるまいし、今日、明日に結果が出るわけがない。なにも重箱の隅をつつくことばかりがメディアの仕事ではない。メディアにしか出来ない、被災地の実情や、福島第一原発の現状など、国民はそちらのほうが知りたい。

  • 民主党が政権を取ったときは「民主主義が機能した」と言っていた人たちが、自民党が政権を取り返すと、「ほとんど支持されていない自民党が政権を取った」と耳を疑うような発言をしていた。いくら自分たちの考え方と違う選挙結果になったからといって、まるで選挙に不正でもあったかのような発言はいただけない。選挙民を馬鹿にしすぎだ。

  • 偏った報道が多い。どうしてあれほどまでに批判的な報道ができるのか不思議だ。民主党政権下に引き起こされた問題を、当時野党の自民党に問題があったように感じさせる報道内容などは、度が過ぎる。消極的な理由かもしれないが、自民党は民意によりこれだけの議席を獲得した。意図的に印象を悪くするような報道をしているようにしか思えない。

  • 「新政権に問う」という形で、番組への意見をツイッターで募集していたので、ツイッターを見ながら番組も見ていた。番組中の画面下にメールやツイッターへのコメントが紹介されていたが、投稿コメントの中で少数意見と思われるコメントばかりを選び出していた。ある一定の方向へ誘導するようなコメントの選択は、公平な放送とは言えないのではないか。

  • 池上彰さんには感心した。ジャーナリストとして政治家や政党に鋭く切り込んでいた。久しぶりに気骨のあるジャーナリズム精神を見せてもらった。今の日本の放送局には発信者としてのメディア・リテラシーが欠けている。メディアはプレスリリースや記者会見を垂れ流すだけでなく、「権力の監視」として機能しなければならない。その為には鋭く深く切り込み、情報を日の当たる場所まで引きずり出さなければならない。そこに、遠慮や恐れが存在してはならない。この点は海外の放送局に比べ日本は劣っていると思う。この番組には失われつつあるメディアの理想の姿が反映されていた。

  • iPS細胞移植、尼崎事件写真取り違え等、報道のいい加減さが露呈しているが、今回の北朝鮮のミサイル発射前日の解体中の報道もそうである。軍事問題だけに規制や難しいことがあるのは理解できるが、ほぼ全ての局が「解体中、しばらく発射はない」と報じた。これも大誤報ではないのか?バラエティー番組にしても「決定的瞬間」系の番組はほぼ動画共有サイトからの寄せ集めだ。どの局もそうだから結局同じ映像が各局で順番が違うだけで流れる。テレビの存在意義自体が薄れてしまっているのではないか?

  • 「世論調査」に意見したい。一般的に「世論調査」は全国津々浦々、電話による調査だと思うが、被災者の仮設住宅に固定電話はない。選挙の争点である「原発」に関する世論調査に、被災者が含まれないことはおかしい。電話以外の手段で、被災者の意見も世論調査に汲み上げてほしい。

  • トンネル事故で命からがら逃げてきた人が、「助けて」という声が崩落した中から聞こえてきたと話した。これに対して、記者が「どのような声で助けを求められましたか?」と聞いていた。何を考えているのか。常識で考えてものを言え。他の記者も「どんな声でしたか?」などと無神経に聞いていた。取材を受けた方達と閉じ込められた方達は、ほんの何秒かの運命の違い。その上、助けを求める声を聞いてしまったことを考えると、PTSDが心配だ。もう少し配慮した取材ができないものか。

  • 西成区の女医怪死事件を取り上げた中で、生活保護受給者の処方薬の不正転売を取材していた。不正転売が悪いことは当然だが、デタラメな処方を書く医師やバンバン薬を出す薬局がなければ転売しようにもできないわけで、より強く医師や薬局が非難されるべきだ。問題の本質と公平な報道を望む。また国民医療費の一覧を表示して、生活保護受給者が突出して医療費が高いと言っていたが、高齢者や疾病者が多い訳だから高いことは当然ではないのか。そうした背景説明もなしに数字だけを出すと、生活保護受給者の全てが転売予備軍のように勘違いするひとが出てくるのではないか。巷に溢れている生保叩きを助長しかねない。

  • 地震があり津波の可能性がある時にはテレビ画面に日本地図と警報のある地域が表示される。先日地震があり、テレビを見ていたらその警報を邪魔するような番組がほとんどだった。主にバラエティーだが、無駄にワイプを出していたり、出演者が話している内容と同じコメントをテロップとして出していたりしているせいで、地震の警報を見づらくしていた。このワイプとかテロップは必要ない。むしろ禁止にするくらいでいいのではないか?地震があった時に画面が見辛くなるような、今の番組のあり方を変えてほしい。

  • 私の家族には難聴者がいる。テレビの字幕表示について申し上げたい。画面に不要な字幕やテロップがたくさん出ていて、本来の字幕が読みにくい。これは一緒に見ている家族も不快に感じている。特にバラエティーはひどい。字幕を必要としている人間もいる。「読めれば良いだろう、敬語や丁寧語でなくても何を言っているのかさえわかれば良いだろう」という難聴者を軽視しているような字幕の出し方はやめてもらいたい。

  • 現地に行かず、スタジオで「プロ野球中継」をするのは、臨場感がなく面白くない。球場での実況なら、打球が飛べばすぐわかるはずだ。ところが、モニターで試合を見ているので、打球がどこに飛んだか分からず実況が遅い。海外の試合なら仕方がないが、国内の試合で、手抜きすることは視聴者をバカにしている。球場からの実況放送にすべきだ。

  • 星占いは捏造報道ではないのか。朝夕の情報番組の最後に必ず星占いのコーナーがあり、着る服の色、食べる物の種類、その日の行動まで指定する。カルト宗教紛いのものだ。科学的根拠もないのに、あたかも証明された事実のように報道する。これは洗脳であり捏造報道ではないか。バラエティー番組でお遊びとして星占いをすることと、情報番組でニュースの後に毎日星占いを報道することとは意味合いが違う。

【番組全般・その他】

  • 毎年この季節になると3時間を超える長時間番組が多くなる。過去に放送された長時間の特別ドラマの再放送はまだ良いが、バラエティー番組で3時間超という番組が多い。これらの番組のほとんどがタレントの内輪話ばかりで、視聴者としては面白くもなんともない。くだらない内容をだらだらと流さないで、中身が濃いまともな特別番組を制作できないのだろうか。

  • 2~3時間の特番的な番組が多い。それもお笑いタレントの集団的番組、食べ物を無駄にするといった低俗な番組、人をこけおろす番組など、とても見るに堪えない。警察ものの特番もあるが、「いかにも頑張っているんだぞ」のようなアピールものばかり、警察なら当たり前ではないのか。家族や高齢者の時間帯に、このような低俗な番組ばかりでは、憩いを得られない。地デジになったのに何の意味があるのか。もっと楽しみや興味をもてる番組を制作してほしいものだ。

  • 美容整形を過剰に取り上げている。「若返り整形」や「声の整形」「歯の整形」など、とにかく様々な整形手術を取り上げている。一度やった特集と同じような特集を何度も繰り返し放送するのでタチが悪い。"整形でこんなに得をする"という感じで美容整形を宣伝しているようなものだ。テレビはとても影響力がある。度々美容整形を特集して視聴者の気持ちを煽るような番組作りは放置されるべきではない。

  • ペニーオークション詐欺が問題になっている。芸能人が自分のブログで、「私もオークションで落札した」とファンをだました女性タレントがワイドショーに出演していたので驚いた。録画なら仕方ないが、生放送なのに、何故、問題になっている人間を出すのか。この放送局の考え方が理解出来ない。金を貰ってファンをだますという行為は許されない。ブログを見ていたファンはもっと腹が立っていると思う。

  • 昨今のドラマ番組は高齢者に優しくない。「ひそひそ話」「つぶやき話」などの低い音量の台詞の場面で、かなり高い音量でBGMや効果音が流れることがある。強調することはわからないではないが、肝心の台詞が聞き取れない。高齢者にとってはとても聞き取りにくい。かといって音量を上げると、CM等で急に音量が上がる。もう少しBGMや効果音の音量を下げて、「ひそひそ話」「つぶやき話」等の場合は台詞の音量レベルを上げていただくとありがたい。

  • 生きた金魚を口ですくうという場面があった。案の定そんなことは出来ず、用意された金魚たちは床に散乱、粗末に扱われていた。不愉快極まりなかった。度が過ぎている。一瞬の笑いをとる為だけにこんな形で命を利用することは如何なものか。金魚の命を軽視しているとしか思えない。二度と見たくない。

  • 大量の香辛料を入れたカレーを芸人に食べさせ、口もきけないほど苦しむ姿を見て、平然と笑っている出演者を映している。もはや暴行の域であり、公然といじめをエンターテインメントとして披露し「いじめは楽しい」「ヒトを苦しませることはゲーム」と教える俗悪な番組だ。いくら何でも度が過ぎている。こんなものを平気で放送する放送局の低俗さに怒りを覚える。

  • 「ゆとり教育」の影響で、だらしない人間ができてしまったかのような描写に気分を害した。同じ教育を受け今必死に真面目に生きている人間も数多くいるのに、一部のだらしない人間を取り上げることはおかしい。だらしない人間は「ゆとり世代」に限らず、どの世代にも存在する。「ゆとり」と言われて馬鹿にされながらも、真面目に生きている人たちのことを考えてほしかった。「ゆとり教育」やそれによって生み出された「ゆとり世代」を擁護する気は全くない。しかし、「ゆとり教育」を生み出した政治家を選出したのは今「ゆとり世代」を馬鹿にしている大人たちだということを忘れてほしくない。

【ラジオ】

  • ラジオショッピングの手法は、殆んど"やらせ"に近く許しがたい。例えば「これだけのカニが入って1キロ1万1500円のご案内になります」と最初のコメントが入る。するとパーソナリティーがすかさず「もう少し何とかならないですか」と言うと、「わかりました。では更にもう1キロ、合計2キロのカニでいかが」、「いやもうちょっと」という掛け合いの後、「じゃあ、カニ2キロ8900円で」、となる。最初からそのつもりではないのか。お客の購買意識を煽る"詐欺まがい"の商法が見え見えで腹立たしい。

  • キャスターが、「選挙中なので、どの政党とは言いませんが」と言いながら、特定政党の公約の批判ばかりしていた。誰が聞いてもわかる内容で、選挙中に公共の電波を使って政治に関して偏った意見を言うことは許されない。マスコミの影響力を自覚すべきだ。公平な放送を望む。

CM

  • 平日朝の情報番組の途中や前後に地元パチンコ店のCMが入る。深夜であればともかく、朝の時間帯にパチンコCMを放送するのはいかがなものか。パチンコ依存症の人たちを刺激することにもなる。放送局というものは、お金になりさえすれば何の業種でもスポンサーとして受け入れるのだろうか。

  • マヨネーズのCM。女優さんは可愛いが、内容がひどい。胡坐をかいて、マヨネーズを床に乱暴にドンと打ちつけ、袋を破り、ジャガイモにマヨネーズをこぼれそうなほどかけ、ガシャブッというかヒャゴブッというか、なんともいえない不愉快な音を立ててかぶりつく。しまいには口に物が入った状態で、マヨネーズを口の周りにつけながら「ぶっかけうまい!」という、品のない台詞で締めくくる。

青少年に関する意見

【表現・演出に関する意見】

  • 毎年、この特番の放送を楽しみにしていた。だが近年、最後に行われている罰ゲームが、見ていてつらく感じるようになった。今回は、タレントを宙吊りにしてペンキの中に落とすということを何度も行っていた。その時、このタレントは呼吸ができずに苦しい表情を浮かべており、その様子を見て、周りが笑っていた。この場面を見て、実際に真似してしまう子どもが出てきてしまうのではないか、と感じた。

  • 罰ゲームとして、番組ディレクターにバンジージャンプをさせるという内容だった。ディレクターは無理をして笑顔を作っているように思えた。スタジオではその様子を見て笑っている。これらのことは中学生のいじめにも繋がるのではないかと不安に思う。

【低俗、モラルに反する意見】

  • 大家族の暮らしぶりを紹介する番組で、当初は楽しく見ていたが、今では不快な番組になった。この父親の身勝手さは、ひどすぎる。子ども達が犠牲になっていることが可哀想でならない。こんなひどい状況をテレビで放送することはおかしい。

  • 覚せい剤で捕まったタレントが、こんなに早く復帰するのは信じられない。なぜテレビで対談などのコーナーを設けるのか。テレビに出演して、ニコニコ笑顔で笑っているのを放送するとは、テレビ局の倫理感を疑わざるを得ない。

【性的表現に関する意見】

  • ラジオ番組の中のあるコーナーには、性的な内容や冗談が多すぎて、あまりにも下世話でくだらなく、聴くに堪えない。ラジオはテレビと比べて若年層の聴取者が多いためか、限度を超えた会話が多いように思う。「表現の自由」や「聴かなければいい」という意見もあるかと思うが、公共の電波だ。ファンにとってはいいかもしれないが、一般の人が耳にした時は充分に不愉快に感じる内容だ。もう少し改善していただきたい。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 11月の視聴者意見を読んだ。なるほど多くの人が「この番組を子どもに見せていいのか?」と思っていることが分かる。確かに「やりすぎではないか」と言いたくなる番組もあるが、それを放送したとして、子どもがすぐ真に受けるものか。そんなことはないだろう。そもそも子どもの価値観の形成は、テレビだけの仕事ではない。そこをわきまえて意見を言うべきだ。