青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第137回

第137回 – 2012年10月

2番組(『ポケモンスマッシュ!』『今日感テレビ』)について意見交換と審議

中高生モニターについて

前回の委員会で「審議対象」とした2番組と、10月に寄せられた中高生モニター報告等について審議した。また、9月16日から10月15日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見と、これからの委員会活動等について委員間で討論した。

議事の詳細

日時
2012年10月23日(火) 午後4時30分~8時
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、加藤副委員長、小田桐委員、川端委員、最相委員、萩原委員、渡邊委員

2番組(『ポケモンスマッシュ!』『今日感テレビ』)について意見交換と審議

(1)テレビ東京『ポケモンスマッシュ!』7月22日放送について番組制作者との意見交換

視聴者からの「“ゴムパッチン”“洗濯バサミ”等による“罰ゲーム”は、人気の子ども番組だけに行うべきではない」という意見を受け、当該番組の制作責任者及び編成責任者と企画意図等について意見交換を行った。

◆テレビ東京意見概要

【企画内容について】
『ポケモンスマッシュ!』は、アニメ、映画、ゲーム、カードゲームなどのポケモンの様々なコンテンツに毎回アレンジを加え、その魅力や情報を面白おかしく伝えるとともに、子どもたちに笑ったり、ドキドキ、ワクワクしてもらったりすることで、元気や希望を与えていきたいというコンセプトで制作しています。今回、ご意見が寄せられた7月22日の放送はカードゲームを題材に取り上げて制作した回で、ちょうど新しいポケモンカードのシリーズが登場しましたので、改めてカードゲームのルールや魅力というものを、分かりやすく、面白おかしく、バラエティー番組として伝えていこうという企画でした。
ポケモンのカードゲームというのは、それぞれ2人が対戦するもので、山札に積んであるカードを引いて、ポケモンを引いたり、エネルギーのカードを引いたりして競います。ポケモンが技を繰り出すためにはエネルギーが必要で、エネルギーのカードをたくさん集めて技を出すのがポイントです。今回、そのカードゲームを実写にするに当たり、タレントさんたちにポケモンに扮してもらい、カードの代わりに“甘辛”のシュークリームを食べて、甘いクリームを食べるとエネルギーが蓄えられ、集めたエネルギーによって技を出して、相手のライフポイントを減らしてゼロにしたほうが勝ちというルールの対戦バトルを設定しました。
【“ゴムパッチン”について】
 ポケモンたちのなかにはドラゴンというタイプのポケモンがいて、そのドラゴンの技にドラゴンストリーム(りゅうのいぶき)があります。口から嵐のようなものをドラゴンが吐き出して、敵にダメージを与えるという技ですが、今回はその技で口からゴムを吐き出すのはどうかと考え、“ゴムパッチン”が登場するわけです。もちろん、子ども向け番組ということは、制作者一同強く意識しておりまして、子どもたちに楽しんでもらいたいというのが、一番大きなコンセプトでありますから、その技を放送したことによって悪影響を与えることがないか、不快な思いをさせたり、いじめや暴力を想起させたり誘発させたりする内容になっていないかということや、子どもたちが簡単に真似できる仕掛けかどうか、真似できる場合には危険性がないかという点についても常に意識を配って考えております。また収録前にはスタッフによるリハーサルで、実際にその技を使って危険性がないかどうかということに関しても、厳重なチェックを行いました。そのうえで、“ゴムパッチン”については危険性は認められず、内容としても“笑い”の表現として許容される範囲内の描写であるとの判断の元、収録・放送に至ったものです。
【テレビ東京の見解】
テレビ東京としては、“ゴムパッチン”をはじめ今回ご指摘いただいた表現が即、放送に不適切とまでは考えておりません。その表現がどのような意味を持ち、どんな印象を与えるのかは、その描かれ方や状況よってまったく変わってきますし、お笑いの演出法として否定されるものではないと思います。「揉めるから止めておこう」と制作者が短絡的に考えてしまうことを危惧します。
ただし今回、子ども番組であることを念頭に、表現にも充分注意のうえ制作したにもかかわらず、制作者の意図とは全く違う印象を持つ視聴者がいらしたことは事実として真摯に受け止めております。番組の説明に不足しているところはなかったか、表現に工夫の余地はなかったのかを検証するとともに、今後「視聴者がどう感じるか」により敏感な番組作りに努めてまいりたいと思います。
なお、2008年に“ゴムパッチン”が青少年委員会で取り上げられたことについて、社内の周知が足りなかったことは事実であり、その点につきましては改善してまいります。ただ、社内での情報共有、周知徹底は強化しており、放送内容の向上に真摯に取り組んでいる弊社の姿勢は是非ご理解いただければと思います。

【青少年委員の主な意見】

  • “ゴムパッチン”は、子ども番組に限らず一般番組でも、視聴者の視点から考えて配慮する必要があるのではないか。実際に子どもたちがこの番組を見て、楽しいとか面白いと思っているのかどうか、見る側の視点から発想することはできないだろうか。
  • いじめがクローズアップされている時期に、「ライフポイント」を削るゲームを人にやらせる、人がやっているということに、“なにかドキッとする”感覚をおぼえた。
  • “ふざけ”とか“遊び”として行うことの中で、される側が恐怖や苦痛を感じる、その構図を“笑い”として放送するのは、子どもには影響があるのではないだろうか。
  • “ゴムパッチン”や“ハリセン”といった古典的なゲームも楽しいが、時代に応じたクリエイティブ力を発揮してほしい。子どもたちに人気のアニメの企画なら、もっと子どもたちを惹き付ける楽しい遊びが生み出せるのではないか。
  • どういう方法で“笑い”をとっていくのか、時代の変化や日本の笑いのレベルをどうするか、ということを考えて、企画を考えていってほしい。

【委員会の考え】

番組の中で“ゴムパッチン”等はポケモンの攻撃技として使われたという制作者側の説明があったが、視聴者には“罰ゲーム”という印象を強く与えるものであったことは否定できない。
2008年に他の放送局の“ゴムパッチン”について委員会審議した事例では、ゴムを徐々に長くするなど“罰ゲーム”の反復がエスカレートしていったことに端を発したものであり、その経緯についての理解を当該放送局の制作者側に求めたい。どこまでが許容範囲かということについて明確な基準を設けることはできないが、“罰ゲーム”は、出演者の安全面に対する配慮だけではなく、それが視聴者にどう受け止められるかということにもっと想像力を働かせる必要がある。とりわけ子ども向けの番組においては、バラエティー番組で広く“罰ゲーム”とされているような装置や道具を安易に使用することにより慎重であることが望まれる。当該番組の制作の過程では、「いじめという印象を与えない」「簡単にマネをされない」「出演者の苦痛を強調しない」といった配慮はなされていたようだが、単なる模倣やいじめの可能性がないというだけではなく、「出演者が痛がる嫌がる様子を見て笑う、面白がる」といった演出手法がバラエティー番組の中で常態化し、そうした「笑いの構図」が一般化することに本委員会は危惧の念を抱いている。
これまでも本委員会は2000年に「バラエティー系番組に対する見解」、2004年に「『子ども向け番組』についての提言」、2007年に「『出演者の心身に加えられる暴力』に関する見解」を表明してきた。今回、番組の制作責任者との意見交換をしたこととあわせ、あらためてすべての放送局に、“ゴムパッチン”などの“罰ゲームのあり方”について自主的な検討を要請したい。

(2)RKB毎日放送『今日感テレビ』8月20日放送分の当該局からの回答

人気アイドルグループの5人の少女が芸能活動を辞めたことを伝えたコーナーで、5人の実名報道を行い、さらに、未確認の”ネット情報”を伝えたことに対する複数の視聴者意見を受けて、前回書面での回答を要請した件につき、当該局から以下の回答がありました。
※回答のお願いに関しては前回9月の議事概要を参照ください。

【RKB毎日放送からの回答】

(1)制作現場でのコミュニケーションのあり方について

  • 経緯と原因について
    ディレクターは放送前日にプロデューサーと打ち合わせし、「スポーツ紙報道の引用でいく」ことを決めましたが、その時点で、出所不明の噂話である“ネット情報”が拡散していることを知り、この情報が放送されてはならないと考えました。そこで出演者からこの件についての問いかけがある場合に備えて、台本上にそのネット情報を「参考まで」として記載し、男女リポーターとの打ち合わせでは、「飲酒・喫煙について問われたときは、『ネットで出てはいるが、噂ですからね』と、否定してください」と指示しました。
     芸能コーナー冒頭の「振り」を担当する男性リポーターはこれを正しく理解していましたが、話題を展開する担当の女性リポーターは正確に理解せず、その結果、放送してはならない情報が放送される結果を招きました。
  • 放送後の対応について
     放送の際、副調整室にいたディレクターは「行きすぎた」と感じましたが、リポーターの発言を止める、あるいは訂正するなどの対処を行いませんでした。またプロデューサーはじめ番組関係者のいずれも、放送中及び放送終了後の問題提起を行いませんでした。
     この問題を社として認識したのは翌21日朝です。問題を指摘する視聴者からのメールと当社の「ご意見フォーム」への書き込みを視聴者広報センターが開き、放送同録を視聴して指摘された点を確認しました。そこで報道制作センター、テレビ編成局と緊急に協議し、当日の『今日感テレビ』の冒頭で、番組キャスターによる謝罪と訂正を行いました。

(2)ネット情報の取り扱いについて

  • “ネット情報”との対峙
    今日、社会のあらゆる分野にインターネットが浸透し、キーワードを検索すれば直ちに候補が提示される“ネット情報”は際立って便利なツールとして、放送の現場でも取材に先立つリサーチなどで広く利用されています。
     しかし、“ネット情報”はすべてが同一の水準というわけではありません。そこに書き込まれた内容は、単なる噂から流言飛語、推測や誤解、誤報あるいは意図的な虚報まで存在します。その一方、自らの身分を明示し、責任ある立場で提示される情報もあり、個人が発信する内部告発など、直ちに信用することはできないにしても、極めて有用な情報につながる“種”も含まれています。したがって“ネット情報”すべてを排除することは難しい問題と考えます。
  • “ネット情報”の分別と検証
    当社が遵守・準用する系列キー局の「報道倫理ガイドライン2011」では、“ネット情報”について「インターネットの情報はまさに玉石混交である。誰が、どういう組織が発信しているのかを充分に把握した上で、鋭い選択眼をもって情報に接することが求められる」とされています。大切なことは、玉石混交の“ネット情報”をどう峻別し取捨選択するかです。それについては報道機関としての取材・検証・報道のプロセスが有効と考えられます。“ネット情報”についてはさまざまなルートから“裏”を取り、それらすべてを照合して事実確認して報道に至る手順を適用します。

(3)未成年者の報道について

  • 一般の未成年者の場合
     メディアの基本的姿勢は、実名報道にあると考えます。その中で少年事件報道は、例外的に匿名報道を適用すべきケースの一つと考えます。当社では遵守・準用している「報道倫理ガイドライン2011」に記載されている、少年法第61条の規定を尊重して、少年事件の容疑者の実名・写真は報道しません。また、今回の芸能報道はいわゆる少年事件ではありませんが、未成年者の「飲酒・喫煙」は法で禁じられている行為であり、今回のように「飲酒・喫煙」を疑わせる内容を放送する場合には、実名・写真は報道しないのが原則です。
  • 過去に芸能人であった未成年者の場合
     芸能人をはじめいわゆる有名人については、一般の人々では許されないプライバシーに関わる報道もある程度許容される、という考えに基づいて、スポーツ紙の芸能面、テレビの芸能コーナーなどは制作されています。有名人でなくなった場合の報道には、慎重な検討が必要であり、未成年者の場合はさらに格段の配慮が必要です。その上で今回のケースを考えれば、「突然グループを脱退した」という第一報については実名・写真は許容されるのではないでしょうか。もちろん時間が経過して高校生、中学生としての生活に戻った時点では、一般の未成年者同様にプライバシーは保護されるべきと考えます。
  • 明らかになった問題点
     今回は、(1)スタッフ間のコミュニケーションに齟齬があり、それによって(2)出所不明の“ネット情報”を放送し、その結果、(3)元芸能人である未成年者に、あたかも法に反する行為があったような印象を視聴者に与え、関係者の皆様を傷つける結果を生じました。また、番組関係者はその場での訂正、ないしその後の問題提起を行なわず、その認識に問題があることが明らかになりました。
  • 再発防止に向けて
     当社ではこれらの問題点を踏まえ、遵守・準用してきた系列キー局の「報道倫理ガイドライン2011」に加えて、当社独自の「RKB番組制作ガイドライン(指針)」を策定するとともに、報道制作センターに所属する番組制作担当6部への指導として、報道機関の有識者を招いた研修会を4回開催し(参加のべ160人)、下記を柱とした啓発を行いました。ガイドライン及び再発防止対策は、今後も継続して周知・徹底を図ってまいります。

(1)制作現場でのコミュニケーションのあり方について
 ●台本には、放送しない情報は原則として付加しない。
 ●放送に使用しない参考情報を共有する際は、「どこまで放送にのせるか」を明確にし、相互に確認する。「あうんの呼吸」は不可とする。
 ●プロデューサー・ディレクター・リポーターを問わず、番組関係者で番組の内容、進行に関する説明や台本などに疑問が生じた場合は、直ちに「どういう意図で、どの内容を、どう展開するのか」確認する。十分に理解しないまま、放送に臨むことは認めない。
(2)ネット情報の取り扱いについて
 ●出所不明の“ネット情報”は、事実確認できない限り放送には使用しない。「~という噂もネット上に流れています」という表現も不可とする。
(3)未成年者の報道について
 ●芸能人も含めて、未成年者に関する情報は特別な配慮を持って取り扱う。放送する内容・範囲は、番組プロデューサーの責任で決定する。
(4)問題発生時の対処について
 ●放送すべきでない情報が出たとき、また放送にふさわしくない表現や発言があったときは、直ちに訂正などの処置をとる。プロデューサー、ディレクターのみならず番組に関わる全員に責任がある事を認識する。

【青少年委員の主な意見】

  • 子どもの権利条約においても、子どものプライバシー・通信・名誉の保護を規定している。したがって、未成年者の飲酒や喫煙といったマイナスになる報道は、たとえ芸能人とはいえ、未成年であることを考慮して慎重になされるべきものと考える。つまり、未成年の芸能人の私生活に関する報道については、「未成年者」という特質を十分配慮して違法か違法でないかを考える以前の問題として謙仰的な態度が求められる。
  • 対象者が数日前まで芸能人であったという繊細な事情があるとはいえ、そもそも「未成年者の人権」ということへの配慮が制作者側に希薄だったのではないか。これは、RKB毎日放送だけの問題というよりは、この事案を契機としてテレビ局全体の問題として“未成年者の人権”について真剣に考えるべきではないだろうか。
  • 裏付けのない“ネット情報”を、あたかも事実であるかのようにテレビで報道することは、今後ますます重要な問題となる。

【委員会の考え】

当該放送局からの回答を得て第137回青少年委員会で審議の結果、(1)局の回答を基本的に了解する。しかし、未成年者の人権については番組制作の中で十分な配慮がなされることをRKB毎日放送に強く要望する。同時に、委員会としては、テレビ番組の中で子どもの人権への配慮がなされることを、すべての放送局の番組についても強い問題意識の下に見守り続けていくつもりである。(2)ネット情報や新聞情報を鵜呑みにしたテレビ報道が増大していることについて、委員会は強い危惧の念を抱いている。この問題について、RKB毎日放送は今後徹底した事実関係の検証と再発を防ぐ取り組みを行い、今後の番組制作に反映されることを求めたい。
 なお、(1)制作段階での情報共有の徹底、(2)確認の取れない“ネット情報”の安易な取り扱いと流用の排除、(3)未成年者の人権の尊重、という問題は今回の『今日感テレビ』だけの問題ではなく、すべての放送局が遵守するべき課題という認識を委員間で確認し、全放送局に強く注意を促したい。

【視聴者からの意見について】

担当委員及び事務局より、今月の視聴者意見の概要等について報告を受けた上で討論し、特段問題視する番組はなかった。

【中高生モニター報告】

10月は「最近一番関心のあるニュースは何ですか。それをどんな番組で視聴していますか。どんな司会者や内容なら見てみたいと思いますか」というテーマに、25人から報告が届いた。
一番関心の高かったニュースは「尖閣諸島や竹島問題」で、10人からリポートが寄せられた。「中国や韓国の良さを伝え、歩み寄るような報道をすることで冷静に領土問題を見つめられる」、「一部のメディアによる情報の偏りを避けるため色々な番組を視聴するように心がけている」という意見に代表されるように、冷静さを持って成り行きを見守っている様子がうかがわれた。
次に「山中教授のノーベル賞受賞」関連のニュースには9人から報告が寄せられた。「iPS細胞に関してほとんど知識はないが、明るいニュースだ」。また『とくダネ!』(フジテレビ)や『おはよう日本』(NHK)では「iPS細胞について分りやすく説明してくれた」という意見も届いている。その後の「虚偽が疑われるiPS細胞を使った治療」のニュースについては、テレビが不適切な報道をした時の対応について「謝罪で終わるのではなく、間違いを犯したことをもっと大々的に自ら報道すべきだ」という意見もあった。
今回最も多く報告が寄せられたのは『報道ステーション』(テレビ朝日)で5人、司会者として希望が一番多かったのは『学べるニュース』(テレビ朝日)の池上彰さんだった。

<自由記述>は、「ラジオはあなたにとってどんな存在ですか。気になる番組を教えてください」と聞いた。ラジオに接する機会はほとんど無いという意見も寄せられたが、一方で一番手軽な情報源としてニュースや音楽情報を得ていたり、災害時のラジオの重要性を認識しているという報もが届いた。

【主な意見】

  • 「夕方見るニュース番組が特に決まっているわけではありませんが、大体、『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日)を見ています。この時間の他のニュース番組と違ってエンタメニュースが少なく、メインキャスターをテレビ局のアナウンサーが担当しているので、この番組を選んでいます。これに関しては大変良いことだと思います。しかし、去年、小宮山厚生労働相(当時)がたばこ税の増税について発言したというニュースで、愛煙家の男性キャスターが意見していたことが、僕は気になりました。世間の意見が分かれる中で、本来ニュースを伝える役であるキャスターが、そのことに偏った意見を述べてもよいのでしょうか。視聴者がニュースにそれぞれ意見を持つことの妨げになってしまうのではないでしょうか。キャスターとコメンテーターの違いをはっきりしないといけないと僕は思いました。」
    (東京・中学2年男子)
  • 「私が最近関心のあるニュースは、やはりいじめについてです。大津での事件を発端に、様々ないじめや教育現場の実態が明らかになりました。しかし以前にもいじめ問題は叫ばれていました。事が大きくなってからメディアが伝えるのでは後の祭りです。その時限りではなく、深く突きつめ風化させないメディアであってほしいです。私はふだん聴いているのは、毎週月曜~木曜17:00~19:45にFM NACK5で放送されている『夕焼けシャトル』です。ピックアップしたニュースを専門家とともに解説しているコーナーはとても分りやすく、あらゆるニュースを深く取り扱っていて、とても充実した内容の番組です。」
    (群馬・高校2年女子)
  • 「私の興味があるのは、iPS細胞関連のニュースで、その中でも森口尚史氏が世界初のiPS細胞を使った治療を行った、という報告が嘘かもしれない、というニュースです。テレビ局は森口氏がiPS細胞を使った治療を行ったと言う報道は裏づけ調査の不十分な不適切なものだった、と謝罪しましたが、今度はしっかりと本当は何が起こっているのか、森口氏の主張していることとハーバード大学の主張の食い違いはどうして起こっているのか、を調べて報道してほしいと思いました。それがテレビの責任だと思います。」
    (札幌・中学3年女子)
  • 「私は最近iPS細胞の研究でノーベル医学生理学賞を受賞した山中教授についてのニュースに興味があります。ちょうど学校の授業でもiPS細胞について学んだところだったので、より関心を持つことができました。しかし、険しい顔をした人が司会をやっているニュースや、真面目な雰囲気の番組でしか扱っていないことが残念です。せっかくiPS細胞の存在を知ってもらえる機会なので、ここは老若男女関係なく知ってもらえるように、明石家さんまさんや、池上彰さん、嵐の櫻井翔さん、くりぃむしちゅーの上田晋也さんなどのメジャーな人気司会者で、かつ、様々な年代の支持を受けている方が司会をすれば、多くの視聴者が見るため、よりiPS細胞を知ってもらえると思います。」
    (神奈川・中学3年女子)
  • 「僕にとって今関心があるのは、日中韓関係の急激な悪化にまつわるニュースです。僕はこのニュースをテレビの報道番組やニュースでも見ていますが、テレビだけでなくインターネットやラジオを通じて手に入れています。歴史的な認識や民族性などの違いが絡み合った、とても複雑な問題だけに、一部のメディアによる情報や見方に偏ってしまうことを避けるためにも、いろいろな番組を視聴するように心がけているつもりです。」
    (東京・高校1年男子)
  • 「私が最近一番興味のあるニュースは“日本と中国の関係性について”です。尖閣諸島の問題により、中国の日本に対する姿勢は明らかに以前とは違ったものになっています。私は、自分たちの国に今起こっていることを分かりやすく解説する番組があるといいと思います。たとえば司会者には中高生に人気のあるアイドルを採用して、解説者にはそのニュースに対応した各方面の専門家の方に協力してもらいます。最後にその日に学んだことをテスト形式にして、本当に理解しているかを確かめます。子どもだけでなく大人も楽しめるような番組だといいと思います。」
    (神奈川・高校2年女子)
  • 「私が一番関心を持っているのは、中国や韓国との領土問題をはじめとする外交についてです。最近、日本の外交問題が多く累積しており、お互いの国でそれぞれの見解を報道していますが、双方の国が互いに自分の主張を繰り返すだけで、歩み寄る努力がされているようには思えません。私は、多国間の報道を比べた上で、その国々の人を交えたり、意見を参考にしたりして、様々な観点からアプローチした番組があればいいなと思います。」
    (福岡・高校2年女子)
  • 「僕の将来の夢は宇宙飛行士になることなので、いつも宇宙に関するニュースに注目しています。特に今一番関心を持っているのは、アメリカのスペースX社の無人宇宙船「ドラゴン」がISSにドッキングしたことや、JAXAの油井宇宙飛行士が2015年にISSに長期滞在することが決定したことなどです。宇宙に関するニュース番組はNHKが一番充実していると思うので、テレビでは主にNHKから情報を得ていますが、より詳しく知りたい時は、新聞やインターネット(JAXAのホームページや、NASAのアプリケーション)も活用しています。」
    (東京・中学2年男子)
  • 「私が今一番関心のあるニュースはシリアの内戦です。きっかけはテレビではなく、英語の授業で読んだ英字新聞でした。その後、ジャーナリストの山本美香さんがシリアのアレッポで射殺されてしまったという悲しい出来事があり、ニュースは朝も夕方もそのことで持ちきりでした。そのニュースはとてもショッキングでしたが、いままであまり目を向けられることがなかった、海外の戦闘地域などで活動するジャーナリストの方々の苦労や勇気ある行動の数々が注目されるようになるいい機会ともなりました。しかし、私はどこかで冷めた気持ちでそのニュースばかりが取り上げられている様子を見ていました。日本のメディアは日本人が亡くなったらそれを重大ニュースにするが、シリアで何万人のシリア人が亡くなろうともそれをさほど大きく取り上げることはありません。それらの情報を一般的な日本人という主観によってのみ切り取るのではやはり偏りがでてしまうと思うので、バランスと報道番組としての役目をもっと考えた番組作りが必要なのではと最近思います。」 
    (東京・高校2年女子)

【委員の所感】

  • 今回のように外交・領土問題や、iPS細胞をテーマとする硬派なニュースの報告が多かったのは、モニターの皆さんの社会問題に対する関心の高さが感じられ嬉しかった。
  • ネットニュースの活用が当たり前になっていることを実感した。ネットリテラシーを身につけないと相当のリスクがあることをしっかり考えてほしい。
  • 領土問題でもバランスが取れて安心できるコメントが多く、さらにメディアに対しても深い掘り下げができているのを感じた。
  • 扇情的な報道にのせられないようにマスコミへの接し方を身につけている報告に感心した。
  • ラジオに言及している報告が多く、ラジオは決して廃れたメディアではないという意見はまさしくその通りで心強く思った。
  • 誤った報道をしてしまった場合、その放送局でなぜそうなったのかしっかり検証してほしいという意見には、全く同感だ。

【今月のキラ★報告】(東京・中学3年女子)

私は夏休みの宿題で新聞スクラップというものをしてから、尖閣諸島、竹島問題などの領土問題に敏感になり、先の見えない両国の話し合いに興味を持つようになりました。それらの情報は、夜の『報道ステーション』や新聞、yahoo!ニュースで得るようにしています。
 確かに尖閣、竹島問題は深刻で、日本にとっては緊迫感を緩められない大切な内容だと思います。また今はそのなかで最も真剣に向き合っていかなければならない時期なのだと思います。今の報道で、私たち中学生は少しずつ国際問題も理解し始めました。けれども、まだまだ小さい子たちの頭にはきっと「中国や韓国は良くない国だ」という印象しか持てないように感じます。
もちろん、正しい事を報道するのが、マスメディアの役目です。だから、不法侵入してくる船や、韓国大統領の急な竹島への上陸などは、きちんと国民に伝えるべきです。しかし、野田首相の発言や、国の動きなどの事実を伝え、それを受けた国民の感情は自由ですが、事実を伝えることと、それにかぶせるように反韓、反中のイメージを国民に植えつけるのは違うと思います。
深刻さ、真剣さを伝えつつも、われわれ日本人ではあるけれども、中国には深い歴史があり、素晴らしい世界遺産などもたくさんあることや、韓国も韓流ブームを日本に巻き起こし、日本に笑顔をもたらせていることなど、2つの国の良さを伝え、戦う姿勢、抗議する姿勢だけを見せるのではなく、歩み寄るような報道をすることで、国民感情も抑えられ、冷静に領土問題を見つめられると思います。
司会者は、誰、とは希望はしませんが、タレントが「深刻ですよねー」とか、うわべだけでこなすというよりは、実際に両国に足を運んだことがあり、良さも悪さも語れる専門家や、同じ俳優や女優などでも、現地の国に詳しい方を厳選して起用していただきたいです。
 また、アニメやドラマなどを利用して、様々な問題を取り上げるのもありだと思います。今人気の漫画を使ったり、ふだんのドラマの中で何気なくニュース性のある要素を取り入れたり、クイズ番組でも、漢字や雑学のクイズに交えて、今の社会情勢を取り入れたり、お笑いのNo1を決める番組などでも、テーマとして「今話題性のある政治的ニュースを取り入れること」などすれば、面白くなると思います。
 私たち子どもはテレビが好きです。そのテレビ好きを各局がどう上手く生かして、知っておくべき日本の今を、心に、頭に深く焼きつくように伝えるか……私自身も楽しみです。

【委員会の推薦理由】

彼女は尖閣諸島や竹島の問題に興味を持ちました。とてもデリケートな問題です。一読して、印象に残ったのは、報道機関は「事実を伝え」つつも、相手国の「良さを伝え、戦う姿勢、抗議する姿勢だけを見せるのではなく、歩み寄るような報道を」という部分です。
 これはとても大事だと思います。こと一国側からの言い分だけですと「相手国憎し」という感情が先立ちがちですが、そこで一歩引いた報道ができるかどうかが、その国の放送文化の成熟(いえ、文化一般の成熟といっていいかもしれません)と関係していると思うのです。「両国に足を運び良さも悪さも語れる専門家」「現地国に詳しい俳優・女優」を起用すべきですとか、様々な提案をしてくれています。報道の現場の人にぜひ読んでもらいたいと思います。

【主な自由記述】

  • 「ラジオは僕にとっては、時計です。平日の朝から夕方まで、KBSラジオがつきっぱなしです。大きな局は違うかもしれませんが、地方局は常連リスナーさんが、パーソナリティーさんに覚えてもらえるので、本当に楽しいです。」
    (京都・中学1年男子)
  • 「僕が毎日聴いている番組は、月曜から金曜まで毎日15分放送しているオーディオドラマ『青春アドベンチャー』(NHKFM)です。オーディオドラマのすごいところは、映像で表現できないことを音で表現できるところです。その声、音をどう受け取るかによって頭の中で出来上がるストーリーが違うので、一つの物語でも聴いている人の数だけストーリーがあるというのが、テレビドラマ、映画と違うところで、これは素敵なことだと思います。」
    (東京・中学3年男子)
  • 「東日本大震災で、停電してテレビが使えない僕たちに様々な情報を提供してくれたのはラジオでした。それから余震が続いた現地で、ラジオは欠かせない存在となりました。今では余震も、回数が少なくなり、ラジオの使用は震災前と変わらなくなりつつありますが、あれから、僕たちにとってラジオとは『いざという時の為に絶対に欠かせないスーパーサブ』となりました。」
    (宮城・中学2年男子)
  • 「私は学校の英語の授業でNHKの『基礎英語』をつかっているので、ラジオは割と身近な存在です。決してラジオは廃れた情報機関ではないと思います。天気予報、鉄道情報などまだまだ欠かせない情報網の1つだと思います。」
    (東京・中学3年女子)
  • 「僕にとってラジオとは、実際の利用という面では少し遠い存在にあります。最近はあまり聴く機会がないけれど、なくなってしまっては悲しいもので、イメージではとても身近にある存在です。」
    (静岡・高校2年男子)

【今後の青少年委員会活動について】

  • 2013年1月22日(火)、青少年委員会を大阪で開催するとともに、在阪準キー5局とNHK大阪放送局の制作担当者との意見交換会を開催することを決めた。
  • そのほか、次回の「調査・研究」チームの立ち上げ等について提案が出され、次回以降の委員会で議論することとした。