放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第7回

第7回 – 2007年11月

一般の人にドッキリカメラ手法を用いて、霊能者が亡き人のメッセージなるものを伝え、「傷つけられた」と抗議のあった番組

事務局からの報告 …など

一般の人にドッキリカメラ手法を用いて、霊能者が亡き人のメッセージなるものを伝え、「傷つけられた」と抗議のあった番組

審議では、当該放送局から委員会へ提出された2度目の回答書と、出演させられた一般の人たちに調査役が直接行った聞き取り調査の内容、および双方の主張の対比を事務局が説明。担当委員が問題点を整理して説明した。そのうえで、この委員会がどう扱うのがよいのか、企画・制作手法やいわゆる霊能者と呼ばれる人物の扱いなどについて多角的に議論した。

委員会としての結論を出すには至っていないため、議論のポイントや主な意見を記す。

  • 一般の人を番組に登場させるにあたっては、その人の心情や生活への配慮が最低限のマナーだ。
  • 本来、カウンセリングは、本人の意思で受け、その内容はプライバシーにかかわるので公開すべきものではない。このケースでは本人の了解もなしに、しかも、スピリチュアルと名づけている科学的根拠のないカウンセリングを受けさせている。
  • 一般の人を出演させる手続きが問題。
  • テレビ人のテレビ観そのものがかなり頽廃し、傲慢さが感じられる。
  • 何を言われようが、そのとき盛り上がればいいという、ものすごく短いサイクルでしかものを考えない傾向が年々強くなってきている。この委員会は”おかしい”としつこく言い続ける必要がある。

委員会では、当委員会が何らかの意見を公表するにしても、当該局の説明を聞く必要があるとして、事実関係について具体的に尋ねる質問書を当該局に出し、回答を見た上でこの問題をどう扱うか、もう一度議論することになった。

なお、審議の中で、前回の議事概要を公表するに当たり、当該局から、3点について事実誤認ではないかとの疑義が出され、その旨を併記して欲しいとの要請があったこと、それに対して要請を断った理由などを事務局から報告した。

事務局からの報告

TBSから検証委員会に提出された2つの文書を報告。

  • TBSの番組審議会が、放送倫理検証委員会の見解を受けたあと、8月、9月の2回の審議を経て、10月に会社に対して提出した(再発防止に向けて取り組む方策などをまとめた)意見書。
  • TBSの第三者委員による常設委員会『「放送と人権」特別委員会』がTBSに対して出した”改善策をまとめ、改善策を盛り込んだ報告書を作成すべきだ”との意見書。

視聴者意見の概要

10月委員会以降の視聴者意見の概要とデータを報告。

試合と試合後の亀田関連報道についてと、音楽ソフトの紹介の仕方についての意見が集中し、全体として1ヶ月間で初めて2000件を超える意見がBPOに寄せられた。亀田問題について委員からは次のような意見が出た。

  • TBSは、亀田贔屓の放送をやるんだということは、いわば”偏理偏党”ではっきりしている。問われるとすれば根本のところでスポーツ番組をどう考えるのか、スポーツというものの素晴らしさをどう伝えていくかというのがないことだ。
  • スポーツをキャラクターショーにしてしまう。フィギュアの競技中継に「浅田真央物語」なんかを入れてしまうということも構造的には一緒だ。
  • バレーボールの中継もそうだ。わけがわからない芸能人が応援団に入っていて、スポーツファンはばかばかしくて見ていられない。
  • ああいうショーアップとか、スポーツのプロモートとかが、スポーツそのものをだめにしているということは、大きな問題だが、どれを取り上げるかとなると難しい。
  • TBSが偏見を持って亀田を持ち上げれば、必ずそれに反論する勢力が出て、ほうっておいても、上手にバランスがとれていっているような気がする。
  • テレビはどこか見世物であっていいという面もあるから、それをモラルでとやかく言うことはない。
  • こうやれば受けるだろう、視聴者はこういうものを求めているのだろうというそのレベルが低いのでは。

以上