放送人権委員会

放送人権委員会

2006年5月25日

2006年5月25日
放送と人権等権利に関する委員会委員長 竹田 稔

「秋田県能代地区における連続児童遺体発見事件」取材についての要望

4月9日に行方不明となり翌10日に遺体で発見された小学校4年の畠山彩香さんの母親から、昨24日、BPO[放送倫理・番組向上機構]に「テレビ、新聞、雑誌等メディア各社の猛烈な取材攻勢に見舞われ、生活を脅かされている。何とかして欲しい」という訴えが寄せられました。

母親は、「取材攻勢が激しくなったのは小学校1年の米山豪憲君の遺体が発見された5月18日以降で、自宅とその周辺は各社取材陣の数十台と思われる車に取り囲まれ自宅には住めず、避難先の実家も取材攻勢にあって外出もままならない。窓は開けられず、職場にも取材陣が付きまとう現状だ。27日(土)に娘の納骨を予定しているが、現状では出来そうにもない。何とか納骨だけは無事に済ませたい」と訴えています。

BRC[放送と人権等権利に関する委員会]は、放送による表現の自由を確保しつつ、放送による人権侵害の被害を救済するため人権侵害に関連する苦情申し入れに対しては、第三者機関として迅速、的確に対応し、正確な放送と放送倫理の高揚に寄与することを目的としています。

当委員会は、1999年12月に「桶川女子大生殺害事件」に関して各社に取材の自粛を求める委員長談話を出していますが、今回のケースについても、放送各社に対し真相の究明を急ぐあまり過剰取材に陥り、本件事案の取材対象者のプライバシーを侵害することのないよう、節度をもって取材に当たることを強く要望します。

以上